いわゆるダイエット(痩身)について(その②)
以前にヒアルロン酸注射のリスクについて書きましたが、この確率を少しでも下げるためのひとつの方法として、少量ずつ何回かに分けて注入していくことが大切ではないかと思います。
つまり、一度に完成形を目指すのではなく徐々に完成させるようにするということです。
ヒアルロン酸のようにある程度の硬さがあるものの場合は、それが注入されるとその部分の血液やリンパの流れは必ず遮断されます。でもなぜ何事も起こらないかというと迂回路があるからです。
通常このように人体における血液の循環経路は網目のようなネットワークが形成されているため一部の経路がダメになってもそれを他の経路が補うようにできています。しかし場所や人によってはこのネットワークが少ないことがあり、この場合はメインの道がダメになるとその影響がもろに出てしまいます。
だから一度にたくさん注入すると危険なのです。大事な道が急に遮断されるわけですから。
もしこれが少しずつ注入されたらどうでしょうか?
一般道でも高速道でもメインの道路だけでは不都合だと感じたら迂回路(バイパス)を造りますよね。それと同じことが人体でも起こります。側副血行路と呼ばれるバイパスが形成されるのです。しかし急にバイパスが完成するわけではありません。当然工事期間が必要です。それも1週間や2週間では足りません。ある程度完成するには数ヶ月必要なこともあるでしょう。
一定の期間をかけて少しずつ注入していくということは、バイパスが順調に完成するまでメインの道路に負担をかけないようにするということです。
近年のヒアルロン酸製剤は昔に比べて長持ちするようになっているので、すぐに消えて全くのゼロになることはありません。なので徐々に足していくことが可能なのです。
一度で解決したい気持ちや、少しでも減ったら不安なので追加したい心理はよーーーくわかります。でもやはり美容医療ですから安全性を優先させたいと思うのです。