豊穣の彩りで
雪の上に 照れる月つく夜よに
梅の花 折りて贈らむ 愛はしき児こもがも
大伴家持(巻18 4134)
雪の上に 月に照り輝く美しい夜に
梅の白い花を折って贈るような かわいい娘がいたらいいなあ
万葉びとが
雪を“菊に続く冬の新しい花=菊後の花”と愛でたあの清らかな感性に心を寄せながら、
「雪の美」をテーマに作品を仕上げました。
野の花が姿を消す季節、天から舞い降りる白い雪を「無垢なる花」と捉えた万葉集の世界は、
今の私たちの心にも凛とした光を届けてくれます。
二十四節気は「大雪」たいせつ
自然が静かに命を繋ぎ、
暮らしが冬支度へと向かう重要なとき。
そんな時期に、花と向き合う時間は、
より深い静けさと温かさを運んでくれます。
本日の花材は
白バラ(アバランチェ)
白色オンシジューム(ホワイトビー)
白色ラクスパー
白色オキシペタラム(マーブルホワイト)
マトリカリアなどなど

どれも凛として美しく
冬の白を引き立てるものばかり。
美しい雪景色を思わせる佇まいとなりました。

長く通ってくださっている受講生の皆様と
わいわい楽しく、そしてでも、
空気が凛と張りつめるような
豊かな学びのひとときを
今年も重ねられましたこと
講師として心より深く感謝申し上げます。

さて、今日の講師の帯は
加賀友禅作家 矢田博さんの帯
蘭の花が描かれています。
なんとも美しいのです。
ご縁に感謝なんですよ。
キリリと
帯をしめて講師はテンションアップだったんですよ。
お花のお稽古に着物でございます。((´∀`))
本部教室の「季節のしつらいレッスン」は
本日がスケジュール上の稽古納めとなりますが
12月の当スクールは、
まだまだ“お花いっぱい”の楽しいレッスンが続きます。
クリスマスが近づくこの頃、心はルンルンと弾む一方で、
どこか気忙しさも感じてしまうものですね。
そんな時こそ、お部屋には
「お花を飾る」ことをおすすめいたします。
花があるだけで、空間がぱっと華やぎ
冬の日々に明るさが灯ります。
そして同時に、ざわざわと揺れる気持ちをやわらげ、
心をふっと穏やかにするとても不思議な力があります。
残りの12月は
一年を無事に過ごせた感謝と
新しい年を迎える凛とした気持ちを花に託し
お部屋に美しい一輪を添えてみてはいかがでしょうか。
きっと
年の瀬がよりゆったりと豊かに感じられるはずです。
どうぞ皆さま、この冬もお花とともに
あたたかく、素敵な時間をお過ごしくださいませ。



