38.動画から来たお客様を逃さない!冷めないうちに繋ぎ止める「おもてなしの導線」
はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。
前回(第89回)は、売り込みを一切排除し、納品後のサイレント期間を撃退して「一生のファン」に変えてしまう、手書きお礼状と記念日ギフトの感動演出術についてお話ししました。デジタルで記念日を漏れなく管理し、手書きというアナログな温もり(人肌感)で感謝を届けることで、他社に絶対負けない強い絆ができるという内容でしたね。
さて、今回はそのファン化の取り組みをさらに一歩進め、一度ご縁のあった既存顧客や見込み客の頭の中に「あなたの会社の存在を一生忘れさせない」ための最強のツール、ニュースレター(手配りの情報誌・おたより)のつくり方をお伝えします。
「ニュースレターなんて作っても、どうせ読まれずに捨てられるのでは?」
「毎月文章を書くなんて、忙しくてとても長続きしないよ」
そう思われている経営者様こそ、ご安心ください。実は、読まれて捨てられないニュースレターを作るコツは、プロのような綺麗な文章を書かないこと、そして売り込み(営業)を1ミリも入れないことにあります。
今回は、負担をかけずに楽しく続けられ、リピートと紹介が自動的に生まれ始める「人肌感ニュースレター」の実践テクニックをお伝えします。
チラシ(売り込み)は捨てられるが、お手紙(人肌感)は残る
まず、多くの会社がやってしまっている間違いをお伝えします。それは、ニュースレターと言いながら「今月のオススメ商品!」や「新サービスのご案内」といった売り込み(チラシ要素)を載せてしまうことです。
ポストに入っている広告チラシは、誰でも一瞬で「売り込まれている」と察知し、見もせずにゴミ箱へ捨てますよね。
既存顧客が求めているのは、商品の宣伝ではありません。「社長やスタッフの近況」「現場の日常」「自分たちの役に立つ生活の豆知識」といった、人間の体温が伝わる読み物(お手紙)です。
売り込みをゼロにし、「実家からの定期便」のような温かい人肌感を届けることこそが、ニュースレター成功の最大の秘訣なのです。
読者の心を掴んで離さない「紙面構成の4つの黄金コンテンツ」
紙面(A4サイズ1〜2枚程度で十分です)に載せるべきは、難しい専門知識ではなく、次の4つの身近なネタだけです。
1.社長・スタッフの「失敗談やプライベート(人柄)」
「先週、子供の運動会で久々に走ったら転びまして……」「新しく入ったスタッフの〇〇君は、実はラーメン巡りが趣味です」。
専門家としての完璧な姿ではなく、少し隙のある「素の人間味」を見せることで、お客様は一気に親近感を抱き、あなたのファンになります。
2.現場の「こだわりと裏側(ストーリー)」
「なぜ私たちが現場の清掃にここまでこだわるのか」「今月納品した〇〇様の現場で、こんな工夫を凝らしました(第61回、第79回)」。
自分たちが仕事に対してどれだけ誠実に向き合っているかという「姿勢」をチラ見せすることで、プロとしての信頼感が静かに積み上がっていきます。
3.プロが教える「季節の豆知識・お手入れワンポイント」
「梅雨時期のカビ予防策」「エアコンの電気代を2割下げるお手入れ法」など、自社の業界に関わりのある、お客様が得をする日常の知恵を1つだけ載せます。これがあることで「取っておきたい保存版」へと変わります。
4.「お客様からの喜びの声」とそれに対する感謝
第70回でお伝えしたような、お客様からいただいた感謝の言葉や写真を掲載します。「他の顧客もこの会社を応援しているんだ」という安心感が広がり、既存顧客同士の連帯感(コミュニティ意識)が生まれます。
AIで「執筆時間を10分の1」にし、アナログで届ける
「森さん、内容は分かりましたが、やっぱり文章を書く時間がありません」
ここで登場するのが、前章で学んだ【AI活用・実践編】(第81〜82回)のノウハウです。
スマホの音声入力に向かって「今月の失敗談」や「現場で嬉しかったこと」を1分間喋り、AI参謀に「これを元に、親しみやすいニュースレターのコラム記事にして」と頼むだけです。わずか数分で、温かみのある見事なコラム文案が完成します。
完成した文章に自分の言葉を少し添え、スタッフの笑顔写真や手書きの挨拶を一言入れてプリントアウトする。郵便やポスティングで届ける(遠方ならPDFで公式LINE配信する)ことで、手間をかけずに最高のお便りが完成します。
「売り込まない」からこそ、必要な時に一番に思い出される
毎月(または隔月)、売り込みゼロの温かいニュースレターが届き続けると、お客様の脳内に「〇〇のことなら、吉和の森さん」という強烈な第一想起(第77回)が刷り込まれます。
そして、いざお客様自身やそのご友人が困った時に、他社と比較することなく「あ、そういえば毎月お便りをくれるあの会社に相談しよう!」と、一番に電話がかかってくるようになるのです。
「売ろう、売ろう」とするのをやめ、「楽しんでもらおう、感謝を伝えよう」と腹を括る。この発想の転換こそが、ファン化マーケティングの真髄です。
今回の実践ポイント
- 商品の売り込みを100%捨て、「人間味(近況)と役立つ豆知識」に絞る
- AIに音声入力でネタを渡し、ニュースレターの原稿作成時間を激減させる
- 完成したお便りを定期的に届け、「忘れられない存在」であり続ける
文章の上手い拙いは関係ありません。大切なのは「あなたと繋がり続けたい」という経営者の人肌感そのものです。
まずはA4用紙1枚から、自社の「今月の出来事」をお客様に届けてみませんか?


