39.自社の「本当の強み」は、経営者の頭の中ではなく「お客様の言葉」にある
はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。
前回(第69回)は、納品がすべて完了した後の「定期フォロー」についてお話ししました。ニュースレターや公式LINEを使って売り込みゼロの接点を持ち続けることが、「なんとなく忘れられる」失客を防ぎ、ごく自然なリピート注文を生み出すという内容でしたね。
こうしてお客様との関係性を深めていくと、「この会社にお願いして本当に良かった!」という喜びの声が社内にたくさん集まってきます。
さて、あなたの会社では、その貴重な「お客様の声」をどのようにホームページやチラシに掲載しているでしょうか。「親切に対応してくれて良かったです」「技術力が高くて助かりました」といった、短い褒め言葉だけで終わらせてしまってはいませんか?
非常にもったいないことです。未来の見込み客がホームページで一番最初に見る、そして最も信頼する場所が「お客様の声」です。今回は、単なる感想を飛び越え、読んだ人が「まさに私のことだ!今すぐここにお願いしたい」と確信するような、最強のインタビュー質問設計をお伝えします。
見込み客が本当に知りたいのは「褒め言葉」ではない
多くの経営者様が、お客様に感想をお願いするときに「うちのサービス、どうでしたか?」と大雑把に聞いてしまいます。するとお客様も気を遣って、「良かったです」「満足しています」という、どこか表面的な褒め言葉を返してくれがちです。
しかし、ホームページを訪れたまだ見ぬ未来の顧客が本当に知りたいのは、あなたの会社の「褒め言葉」ではありません。「自分と同じ悩みを持っていた人が、この会社と出会って、どう変化したのか」という『リアルな変革のストーリー』なのです。
最高の「お客様の声」を作るためには、お客様の頭の中にあるストーリーを綺麗に引き出すための「正しい質問の順番(型)」があります。インタビューやアンケートの際は、次の5つの質問をそのまま投げかけてみてください。
最強の「お客様の声」を生み出す5つの質問設計
【質問1】当社を利用される前は、どんなことで悩んでいました?
まず、過去の「痛みや悩み」を具体的に語ってもらいます。これが載ることで、ホームページを見た読者が「あ、まさに今の私と同じ悩みだ」と強く共感(当事者意識)します。
【質問2】何がきっかけで、当社の存在を知りましたか?
ホームページなのか、SNSなのか、あるいは紹介なのか。未来の顧客が同じ経路を辿るための道標となります。
【質問3】当社の存在を知ってから、すぐに申し込まれましたか?もし迷ったとしたら、どんな不安がありましたか?
この質問が最も重要です。「価格が高いのでは」「本当に効果があるのか」といった、お客様が当時抱いていた生々しい「心理的ブレーキ」をあえてカミングアウトしてもらいます。
【質問4】数ある会社(お店)の中で、なぜ当社を選んでくださったのですか?
競合他社と比較した上での、自社だけの「独自の強みや選ばれた理由」が、お客様自身の口から明確に語られます。
【質問5】実際にサービスを受けてみて、いかがでしたか? どのような変化がありましたか?
最後に、悩みがどう解決し、どんな素晴らしい未来を手に入れたのか(ベネフィット)を、ビフォーアフターとして熱く語ってもらいます。
「迷っていた理由」と「解決した事実」が未来の顧客の背中を押す
この5つの質問に沿って出来上がった「お客様の声」は、単なる感想文ではなく、「読者の不安を先回りしてすべて破壊してくれる、最強の営業マン」へと進化します。
読者は、「最初は私も『価格が高いんじゃないか』って怪しんで迷っていたんですよ。でもね……」という先輩顧客のリアルな告白を読むことで、「そっか、みんな同じように迷っていたんだ。でもこの結果なら安心だな」と、自分自身の手で脳内のブレーキを外し、安心して問い合わせボタンを押せるようになるのです。
今回の実践ポイント
- 「良かったです」という短い感想ページを今すぐ見直す
- 既存の仲の良いお客様に、5つの質問を使って10分間のインタビューをお願いしてみる
- 直筆のアンケート用紙や、お客様との笑顔のツーショット写真をセットで掲載し、信頼性を極限まで高める
最高のマーケティングとは、自社が「うちは凄い」と自画自賛することではありません。愛してくれるファン(既存顧客)の力を借りて、そのリアルな声で未来の顧客の手を引いてもらうことです。
ぜひ、今週中にあなたの大切なお客様のところへ、この5つの質問を持って宝物を掘り起こしに行ってみてください。


