35.デジタル導入がもたらすもう一つの副産物~なぜ「人材採用」まで一気に解決するのか?
はじめに、こんにちは。株式会社吉和の森の森和吉です。
前回(第90回)は、売り込みを一切排除し、社長やスタッフの近況(人柄)や役立つ豆知識を届ける「人肌感ニュースレター」のつくり方をお伝えしました。AIで執筆時間を短縮しつつ定期的に届けることで、お客様の頭の中に「忘れられない存在」として残り続けるという内容でしたね。
手書きのお礼状(第89回)やニュースレターによって、お客様との間に強い信頼関係が築かれると、いよいよマーケティングにおける最高の状態が訪れます。
それが、「既存顧客が自発的に新しいお客様を連れてきてくれる(紹介が生まれる)」という状態です。
紹介で来てくださるお客様は、最初から自社に対して強い信頼を寄せてくれており、相見積もり(価格競争)になりにくく、成約率も利益率も格段に高いという特徴があります。
しかし、多くの経営者様が「紹介は狙って作れるものではなく、運やタイミング次第だ」と思い込んで放置してしまっています。今回は、運任せにせず、自然な流れで紹介が生まれ続ける「口コミの仕組み化」の技術をお伝えします。
■「何かあったら紹介してくださいね」が絶対に失敗する理由
まず、多くの会社がやりがちな失敗をお伝えします。それは、納品時や商談の最後に「何か良い方がいらっしゃったら、ぜひ紹介してくださいね!」と口頭で適当に頼んでしまうことです。
どれだけあなたに感謝しているお客様であっても、そう言われた瞬間に「誰かいたかな……」と考え、数分後には日常の忙しさに紛れて忘れ去ってしまいます。
お客様が友人や知人に会社を紹介しないのは、あなたの会社が嫌いだからではありません。「誰に、どんな言葉で、どうやって紹介すればいいのか(やり方)」が分からないからです。
無理なく紹介が生まれ続ける「3つの仕組み」
1.「紹介してほしいターゲット」を具体的に指定する
「誰か良い人がいたら」という抽象的なお願いは厳禁です。
「〇〇様のように、築20年を超えて雨漏りに悩んでいるご近所の方がいらっしゃったら」「〇〇様のように、業務効率化で夜遅くまで残業している経営者仲間がいらっしゃったら」
このように「どんな悩みを持っている人か」を具体的に指定することで、お客様の頭の中に「あ、そういえばあいつが悩んでいたな!」と特定の顔がパッと浮かぶようになります。
2.渡しやすい「紹介用ツール(人肌感カード・LINE)」を用意する
口頭で説明させるのはお客様に負担がかかります。「これをお渡し(またはLINE転送)していただけるだけで大丈夫です」と言えるツールを用意しておきます。
名刺サイズの「ご紹介カード」や、公式LINEの「お知り合い用ご紹介クーポン・案内」を作成し、「〇〇様の大切なお知り合いでしたら、特別な優先枠でご相談に乗らせていただきますね」と添えてお渡しします。第84回で整えたビフォーアフター写真や、第85回の動画URLが入ったLINEカードなら、スマホ一つで一瞬でシェアしてもらえます。
3.「紹介してくれた人」を社内で全力でヒーローにする
誰かを紹介してくれた既存顧客に対して、単に「5,000円分のギフト券」を送って終わりにしてはいけません。
「〇〇様、〇〇様のご紹介でご来店された〇〇様、本当に素敵な方でした! 〇〇様の大切なお知り合いをお任せいただき、スタッフ一同、感無量です」と、手書きのお手紙やLINEで「感謝の熱量(人肌感)」を全力で伝えます。
自分の紹介によって、友人からも感謝され、あなたからも大喜びされたお客様は、「この会社を紹介して本当に良かった!」と誇らしく思い、次の紹介(伝道師化)へと繋がっていきます。
紹介は「お願い」するものではなく「生まれる」もの
口コミや紹介の本質とは、営業テクニックではありません。
第88回からお伝えしてきた通り、目の前の一人のお客様を全力で愛し、手書きのお礼状を送り、売り込みのないニュースレターを届け、アフターフォロー(人肌感)を愚直に積み重ねてきた結果として、「溢れ出た感動」が勝手に周囲に広がっていく現象なのです。
集客を「新規の追いかけっこ」から「ファンからの紹介の連鎖」へとシフトさせることができたとき、あなたの会社は広告費に頼らない、極めて強固で高収益な体質へと生まれ変わります。
今回の実践ポイント
- 「どんな悩みの人を紹介してほしいか」を具体的に言葉にする
- スマホで簡単に共有できる「紹介用ツール(LINE・カード)」を用意する
- 紹介してくれた既存顧客に対し、最高の感謝(人肌感)で応えてヒーローにする
これまで出会った大切なお客様の顔を、今一度思い浮かべてみてください。その方々を世界一幸せにすることこそが、未来の素晴らしいお客様を引き寄せる一番の近道です。


