約2,500万件の院内読影――数字から見える「院内完結」の限界

嗣江建栄

嗣江建栄

テーマ:遠隔読影

厚生労働省の2024年度オープンデータを眺めていると、日本の画像診断がいかに「院内読影」を中心に成り立ってきたかが数字から見えてくる。

外来・入院を合算すると、画像診断管理加算1~4の算定回数は約2,498万件。一方、「遠隔画像診断による画像診断管理加算1~4」は約141万件にとどまる。単純に両者を合計して比較すると、遠隔による算定は約5%であり、圧倒的多数を院内読影が占めている。

特に画像診断管理加算2は、院内が約1,345万件に対し、遠隔は約108万件。画像診断専門医を配置し、院内で読影体制を構築することが、これまでの画像診断管理の基本であったことがうかがえる。

しかし、この数字を「院内読影がうまく機能している」とだけ見るべきだろうか。

CT・MRIの高性能化と普及により、撮影される画像枚数は増え続け、画像診断医に求められる業務も高度化している。一方、画像診断専門医という人的資源には限りがある。検査件数が増えるたびに常勤医を増員するモデルには、いずれ限界が来る。

重要なのは、「院内か、遠隔か」という二者択一ではない。

院内の画像診断医が専門性を発揮すべき症例に集中しながら、一定部分を他の保険医療機関と連携して支える。令和8年度診療報酬改定で導入された画像診断管理加算2の一部委託は、まさにその選択肢を広げる仕組みだと考えている。

約2,500万件という数字は、院内読影の実績の大きさであると同時に、これからの画像診断を「一施設で抱える」体制から「医療機関同士で支える」体制へ転換する余地の大きさも示しているのではないだろうか。

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