遠隔画像診断を利用している施設の特徴
令和8年度診療報酬改定では、新たに「画像診断管理加算2(一部委託を行う場合・166点)」が設けられました。
この制度改定により、一定の施設基準を満たしたうえで、画像診断管理加算2~4を届け出ている他の保険医療機関と連携し、画像診断の一部を委託するという新たな運用が可能となりました。
注目すべき点は、単なる「読影業務の外注」ではなく、保険医療機関同士が連携することで、画像診断専門医の負担軽減と診療報酬上の評価を両立できる可能性が生まれたことです。
常勤専門医がいる病院にもメリット
遠隔画像診断というと、「画像診断専門医がいない医療機関が利用するもの」というイメージを持たれることがあります。
しかし、今回の制度改定では、常勤の画像診断専門医が在籍する医療機関にとっても、新たな選択肢となります。
例えば、CT・MRIなどの検査件数が多く、常勤医の読影負担が大きくなっている医療機関では、院内ですべての読影を抱えるのではなく、その一部を連携先の保険医療機関に委託することで、院内の読影負担を軽減しながら画像診断体制を維持・強化することが期待できます。
また、常勤医の休暇や学会参加、繁忙期、検査件数の増加などにも対応しやすくなり、安定した画像診断体制を構築するうえでも有効な仕組みと考えられます。
年間数百万円から数千万円規模の経営改善の可能性も
弊社では、複数の医療機関について、現在の施設基準やCT・MRI等の検査件数をもとに、本制度を活用した場合の経営改善効果を試算しています。
その結果、医療機関の規模や現在の算定状況、検査件数などによって大きく異なるものの、年間数百万円から数千万円規模、中には8,000万円を超える経営改善効果が見込まれるケースもあります。
つまり今回の制度改定は、単に読影業務を効率化するためだけのものではありません。
「画像診断専門医の働き方・負担軽減」
「画像診断体制の安定化」
「施設基準の維持・向上」
「病院経営の改善」
これらを同時に検討できる可能性を持った制度といえます。
「外注」ではなく「医療機関間連携」という考え方
これからの画像診断体制では、一つの医療機関ですべてを完結させるのではなく、それぞれの医療機関が持つ専門医や設備、読影能力を相互に活用することが重要になってきます。
画像診断管理加算を届け出ている保険医療機関が「受信側」となり、地域の医療機関から画像診断の一部を受け入れる。
そして依頼する医療機関は、院内の画像診断専門医の負担を抑えながら、安定した読影体制を構築する。
こうした**「保険医療機関間連携による遠隔画像診断支援」**は、専門医不足への対応だけでなく、医療の質と病院経営を両立する新たな選択肢になり得ます。
弊社では、画像診断管理加算を届け出ている複数の保険医療機関(画像診断支援病院)と連携し、医療機関ごとの検査件数や現在の施設基準に応じた導入方法、運用方法、経営改善効果のシミュレーションを行っています。
令和8年度診療報酬改定をきっかけに、「読影をどこに委託するか」だけではなく、「地域の医療機関同士で画像診断をどのように支え合うか」という視点から、画像診断体制を見直す時期に来ているのではないでしょうか。


