病病連携する遠隔画像診断事例(2)
政府の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」では、人口減少や高齢化が進む中でも持続可能な医療提供体制を構築するため、デジタル技術を活用した医療DXの推進が重要施策として位置付けられています。オンライン診療や電子カルテ情報の共有に加え、地域医療連携を支える遠隔医療の充実は、今後の医療政策の大きな柱となっています。
なかでも注目されるのが、保険医療機関間で連携する遠隔画像診断です。放射線診断専門医が不足する地域でも、中核病院や大学病院の専門医が遠隔で読影支援を行うことで、地域間の医療格差を縮小し、診断の質を維持することができます。また、令和8年度診療報酬改定では、一定の要件の下で保険医療機関間の連携を活用した画像診断管理加算の運用が認められ、制度面からも病院同士の連携が後押しされています。
さらに、大規模災害時には被災地の医療機関を全国の連携病院が支援することができ、平時に構築したネットワークが災害医療の基盤として機能します。遠隔医療は、医療従事者の働き方改革や医療資源の有効活用にもつながり、持続可能な地域医療を支える重要な社会インフラとなります。
骨太の方針が目指すのは、単なるデジタル化ではなく、「必要な医療を必要な場所へ届ける仕組み」の実現です。保険医療機関間で連携する遠隔画像診断は、その理念を具体化する取り組みの一つであり、医療の質の向上、地域医療の維持、そして災害に強い医療体制の構築に貢献することが期待されています。


