ちょこっと作業に便利な、小さな書斎の個性的な事例9選

津野恵美子

津野恵美子

テーマ:インテリア

書斎。どちらかというと男の空間のイメージが強いかもしれません。 設計のお仕事を頂いても、書斎のご要望は圧倒的に男性から。 でも、「ワークスペース」「スタディコーナー」「本読みスペース」そんな名前で考えれば、家族みんなが必要なスペースです。必ずしも広いスペースは必要ありません。気持ちよく使える書斎を作ってみませんか。

垂直にのびる書斎

とはいえ一発目はわかりやすく「男の書斎」で す。 二層吹抜の本棚と壁にはさまれた1.4mほどの巾の机の前は一面の窓。地面から1mほど高い床が道に張り出したように作られているので、 数百m先まで見通せる、面積は小さいながらもスケール感の大きな書斎です。


キッチンの奥のお母さんの書斎

キッチン作業の合間にちょっとした待ち時間ができることってありますよね。その時に、ダイニングで作業を始めてしまうと、毎回片付けるのが大変です。 そんなときのため、お母さんのための書斎をキッチンの片隅に作りました。 片隅と言っても、二つの窓に面していて、小さいながらも明るくのびのびとしたスペース。デスクには薄い引出も組み込んであるので、お子さんの幼稚園や学校で配られたプリントなどもしまっておけるし、タブレットやPCを充電しながらレシピ確認することもできます。


ボクの書斎

お父さんやお母さんのスペースを見て、自分の分も欲しくなったお子さんのため、急遽スペースづくりをしてあげたそうです。 書斎の上の段の本棚には、作った「作品」も展示されています。


上三つの書斎は全てこのダイニングに連続しています。垂直の書斎は本棚の右奥。ボクの書斎は本棚正面。お母さんの書斎は右手前のキッチン入り口の奥です。それぞれこもれる場所だけど、 気配は感じる。みんなで集まる場所の中に、自分専用のコーナーがある。そんなゆるい関係性を 作りました。

スキマのある家

スキマの書斎

こちらもリビングと連続しつつも、こもれる書斎です。 W.I.Cに入る通路の奥に作った80cm×45cmの 極小スペース。でも、既製品のサッシが見えないように枠で囲んで、明るい磨りガラスだけを切り取ったような正方形の窓や、上にブリッジが架かった吹抜の本棚などのアイテムに、ぎっしり詰まった趣味のモノ達が、お仕事から離れて好きなことに没頭できる至福の時間を演出します。

光と風を共有する家

緑豊かな落ち着く書斎

こちらは独立した部屋となっているクローズな書斎。避暑地の別荘の中に作られたスペースで す。 暑い時期はまとまった日数滞在するため、独立したお仕事空間が必須のご要望でした。別荘らしくデスクの前の窓からは林の木々が一面に広がっています。 年配のご主人のため、重厚感があって上品な木目の、欅の板を採用。手前側の扉の中にはとっておきのワインを入れておくセラーが仕込まれています。


同じく別荘の寝室に備え付けられたカウンターデスク。 別荘という用途上、個室には、お子さんだけではなくお客様が泊まることも多いため、ホテルライクなデスクをしつらえました。

富士山麓の家

ミニ書斎

マンションリノベのリビングコーナーに造り付けたデスクです。ちょっとした書類や保証書。 パソコンやプリンタなど、家事の合間にやってしまいたい作業などを片付けるためのデスクです。 リビングの他の家具と、色やデザインを統一し た造りになっています。


松濤の改装

ロフトベッドの影に隠れた落ち着いたワークスペース

こちらは一人暮らしのワンルームリノベで造り付けられたワークスペースです。 ロフトベッドの奥に作られたL型の空間は、家に持ち帰って仕事をすることも多いSEのクライアントのため、広めの造りとなっています。 手前側のくぼみはロフトベッドに上がるハシゴと一体になった本棚です。


反転する家

ご紹介したスペースはほとんどどれも巾1.5m以下の小さなスペースですが、他の空間との連続感や窓の有無、天井高の操作などによって、いろいろなスケール感のスペースができています。書斎があるメリットは、なんと言っても集中した自分だけの時間が作れること。ちょっとした空間ですが、あるのとないのとでは大違いです。
あなたなら、どんな書斎を作りたいですか?

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津野恵美子
専門家

津野恵美子(一級建築士)

一級建築士事務所/津野建築設計室

人がもともと持っている心地よさを感じる「寸法感覚」を利用し、外部環境や家族との関係を踏まえながら、心地よさという漠たる感覚を数値化して、空間や暮らしに適切な寸法を与え、家族ごとに暮らしやすい家を実現。

津野恵美子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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