居心地の良い寝室のつくりかた
コージーコーナー。真っ先にケーキをイメージする方が多いかもしれませんが、本来は「暖かくて居心地のよいこぢんまりしたスペース」を意味します。 ヨーロッパの昔の家は、レンガ造りのため、大きな窓が取れません。リビング中央まで太陽の光や暖かさを導くのが難しいので、窓際や暖炉の傍に、リビングダイニングなどのメインスペースとは別の、数人でおしゃべりやお茶を楽しむことができる暖かいコーナーを作りました。 現代日本であれば、部屋中が暖かく明るい家が多いですが、「メインスペースとは別の」居心地のよい小さなスペース。そのある種おまけのような場所が生活を豊かにしてくれるのではないかと思います。 このまとめでは、そんなコージーコーナーがある事例をご紹介します。
一箇所抜けのあるL型ソファ
ソファの背面に、奥様用のちょこっとデスクを置いて、一箇所ソファの背をなくしたキューブを入れたL型配置のソファです。 作業をしながら後の会話を小耳にはさむ、背面側からちょっと腰掛けて参加する、ゆっくり団欒に参加する。いろいろなシーンを選べるソファ配置です。
松濤の改装
段差を利用したベンチまでも取り込んだソファ配置
こちらも抜けがあるL型配置ですが、プライベートな少人数でも、ビジネスでの大人数でも使用する想定だったので、L型の背の部分も抜いてしまい、段差を利用したベンチシートに対して開いた配置です。 少人数の時はソファだけの範囲でカウチ風に、大人数の時はベンチも含めた大きなスペースまで展開できます。
ヤマノイエ
ソファ脇の、ちょこっと座ったりものを飾ったりできる階段
L型ソファはいろいろな形に展開できますが、場所を取ってしまいます。コンパクトなI型配置ではどんな可能性があるでしょうか?
ダイニングと連続して壁の前にソファを置いたごく一般的な配置ですが、隣にある半階上の寝室に上る階段が+αのスペースとなります。 趣味で買い集めた小物を飾るほか、ちょっと腰掛けておしゃべりしたりできるちょこっとコー ナーです。
光と風を共有する家
見通せない作業スペース
マンションの改装事例です。がらんとしたリビング部と、箱状の収納とロフトベッド。箱の奥にちょっとした書斎スペースがあります。 好きなことに集中したいけど、閉じこもりたくない。リビングにいるときも、ちらっと見えるけど、完全開放は落ち着かない。 斜めに張ったフローリングと合わせて斜めに切ったデスクの効果も相まって、開放的なのにちょっとこもったような感覚もする、そんな見えがくれする作業場です。
反転する家
ほっと一息つける休憩所
次は家事の合間にほっと一息付ける階段です。ここでいう事例は下の写真。上の写真は階段から眺められる風景です。気持ちのよいソファもあるので、のんびりしたいときはもちろんそこに座るけど、ほんの数分ちょこっと休憩したい時、選べる場所の一つとしての気持ちのよいスペースがいくつもあるといいですよね。 子供部屋に上る階段ですが、麻のカーペットが張ってあって、さわり心地もよく、明るくて、玄関にある緑化塀のきれいな緑も眺められるので、ちょっとした休憩にちょうどよいと、好評頂いた階段です。
スキマのある家
専用の窓がある自分だけのスペース
ダイニングから一段下がった通路の正面にある小さな書斎スペース。家族がいるリビングとつながりつつも、専用の窓があって、好きなものに囲まれた場所。80cm×50cm程度の極小コーナーですが、あるのとないのとでは大違いです。
光と風を共有する家
0か100かではない、中間スペースとしてのコージーコー
現代はどこにいても外の世界とつながっていますし、それにともなって家にいても家族の時間と個人の時間の境界がなくなってきています。昔のように、家族で集まるときは100%団欒、外とつながるのは、来客や電話のときのみ、という時代には、良くも悪くも戻れません。 だとしたら、0と100の間をつなぐ、中間スペースとしてのコージーコーナーは、現代的なスペースともいえるのではないでしょうか。
求心性が高いソファセットやダイニングしかないLDKではなく、個室まで行かなくてもちょっとした作業ができる場所があること。ちゃんとした休憩時間を取らなくても、ちょこっと一息つく 気持ちのよい場所を選ぶことができること。そういう、ゆるい関係をつなげられるコージーコーナーを取り入れてみませんか。