各分野の専門家たちと協働した、「光」と「音」に包まれる空間づくりが強み（1/3）

一戸建てや共同住宅、商業施設のほか、防音工事や音楽スタジオの建築設計に対応

　「一戸建てやマンションなどの共同住宅、商業施設をはじめ、音楽経験を生かし、防音工事や音楽スタジオの建築設計にも力を入れています」

　そう話すのは、Arts（芸術）とArchitecture(建築)、二つのAを冠した「Studio A&A 一級建築士事務所」を2019年に創業した小島勉さん。プロミュージシャンとしての長い経歴を持ち、人生を彩り、空間を豊かにする「音」を要素に加えたプロジェクトを数多く手掛けています。

　「以前、友人であるサックス奏者から『和室をスタジオにしたい』と頼まれました。鉄骨造にALCパネル（軽量気泡コンクリート）という防音には極めて困難な条件でした。その友人に紹介された音響コンサルタントとリフォームに臨んだところ、結果は大成功。ドラムを入れたバンドの演奏も可能にするほどのクオリティーを実現しました」

　この体験以降、小島さんはセッションを楽しむかのように、「音」関連のプロジェクトを協働して進める体制を築いていきます。
　「チームを組むのは十人十色のニーズに応えるため。互いにアイデアを出し合えば、規格品にないものも柔軟に作り出せます」

　高価な防音ドアを使用せずとも、コストパフォーマンスに優れた音環境は創出できると話します。また、着工前には必ず行うことがあるそうです。
　「施主さま、設計者、施工者の3者で記憶や解釈に違いが生じていないか確認するAgreement Point期間を設けています。工程中の変更は、工期と予算に大きな影響を及ぼしますから」

　「みんなの幸せのため」と付け加えてほほ笑む小島さん。心に寄り添う時間も大切にしています。

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【次ページ】音楽と建築を学び、アーティストとしての感性も生かしてプランニング

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