バランス型ってリスクが低いんじゃないの? 低リスク高コストに隠された罠
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が2026年8月7日に公表した「2026年度第1四半期運用状況(速報)」によると、2026年度第1四半期、すなわち2026年4月から6月までの期間収益率は+8.20%、期間収益額は+24兆895億円でした。
3か月間で24兆円超のプラスですから、かなり好調なスタートだったといえるでしょう。
では、この好調な第1Qで、どの資産クラスがリターンに貢献したのでしょうか。
今回の速報値を見ると、収益を大きく牽引したのは外国株式と国内株式でした。
一方で、4つの主要資産クラスの中で唯一マイナスだったのが国内債券です。
図表で見ても、外国株式と国内株式の寄与が大きく、国内債券だけがマイナスであることが一目で分かります。
最もリターンに貢献したのは外国株式
2026年度 第1Qの資産別収益額を見ると、最も大きくリターンに貢献したのは外国株式でした。
収益率は+16.94%、収益額は+12兆2,866億円です。
次いでリターンが大きかったのが国内株式で、収益率は+14.48%、収益額は+10兆2,753億円でした。
つまり、今回の第1Qは、株式2資産が全体収益を大きく押し上げた構図です。
外国債券もマイナスではなく、+3.13%、+2兆3,754億円のプラスでした。
したがって、今回の四半期は、主要4資産のうち3資産がプラス、その中でも特に株式がリターンに寄与したと見ることができます。
唯一マイナスだったのは国内債券
一方で、今回の第1Qで唯一マイナスとなったのが国内債券です。
収益率は-1.11%、収益額は-8,478億円でした。
資産全体では+8.20%という好成績でしたから、その中で国内債券だけが逆行している点は、やはり目を引きます。
2026年度 第1Qは相場環境にも恵まれた
今回の好成績は、相場環境の追い風も大きかったと考えられます。
GPIF公表資料によると、2026年3月末から6月末にかけて、日経225は51,063.72から70,062.32へ上昇しています。
また、ドル/円は159.09円から162.53円となっており、円安も進みました。
(出所:GPIF 2026/08/07発表データ「2026年度第1四半期」P6より一部抜粋)
株高と円安が重なれば、国内株式と外国株式が強く見えやすい環境になります。
今回の外国株式16.94%、国内株式14.48%という数字は、まさに市場環境を反映したものといえるでしょう。
国内債券の低迷傾向は、今回も続いた
過去に筆者が公開したGPIF関連コラムでは、2025年度通期の運用状況や、資産クラス別の長期的な特徴を見てきました。
特に、国内債券については、直近10年でマイナス回数が8回と多く、リターン面でも見劣りしていた、という点を取り上げました。
(関連記事は本記事下部に記載します)
今回の2026年度 第1Q速報を見ると、その傾向が続いています。
資産全体が大きくプラス、外国株式と国内株式が高いリターンを上げ、外国債券もプラス。
その中で、国内債券だけがマイナスでした。
もちろん、四半期1回だけの結果や、過去の結果で将来を断定することはできません。
しかし、過去の長期データで見えていた傾向は今回も同様だった、と考えられます。
GPIFは、未来の世代のために年金積立金を運用する機関
資産の分散の局面では、例えば国内債券のようにマイナスリターンとなる資産を入れて分散を図る方法は考えられます。
しかし長年にわたり、リターンに寄与していない資産については、見直しを図る必要があるでしょう。
かつて、GPIFでも国内債券が配分の多くを占めていた時期がありました。
その後当時の英断により、株式の比率を引き上げたのです。
今日の大きなリターンは、国内債券を減少させ、海外株式、国内株式に配分した結果、これらのリターン寄与が大きいのが、過去データからは見て取れます。
しかし国内資産に配分を増加させる、といった出財務大臣発言がありました。
GPIFの運用が、政争の具にならないことを、切に願います。
また、過去の賢人の英断を台無しにしない、GPIFの運用を望みます。
GPIFは、未来の世代のために年金積立金を運用する機関であり、
年金積立金を長期的な観点で運用していくことが求められています。
日本国内の景気浮揚や、日本の国債の買手としての役割ではないはずなのです。
過去の国内債券のマイナスリターンの状況
・GPIFの国内債券、過去10年で8回マイナス、低リターン資産の現実をどう見るか
https://mbp-japan.com/tokyo/ria-japan/column/5229328/
・GPIF 2025年度、最もリターンに貢献したカテゴリーは? 逆にマイナスリターンは?
https://mbp-japan.com/tokyo/ria-japan/column/5228308/
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