投信の手数料打ち切りも 米国投資家に学ぶべきコト
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産別収益率を見てみると、
直近10年間、2016年度から2025年度までで、国内債券は10年のうち8回がマイナスでした。
外国債券は2回、国内株式は3回、外国株式は1回です。
「国内債券は安定資産」というイメージを持つ人もいるかもしれませんが、
少なくともGPIFの直近10年のデータを見る限り、その印象とは異なる数字が並んでいるのです。
GPIFの直近10年、国内債券は8回マイナス

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図表をご覧いただくと分かる通り、国内債券は2016、2019、2020、2021、2022、2023、2024、2025年度と8回マイナスとなっています。
一方で過去10年間のマイナス回数は外国債券は2回、国内株式は3回、外国株式は1回でした。
もちろん、株式には値動きが大きいという特徴があります。
しかし、10年間でのリターンを見ても、
国内債券は▲1.42%、外国債券は4.45%、国内株式は12.54%、外国株式は15.75%です。
国内債券は、マイナス回数が多いだけでなく、リターンでも4資産の中で最も低いのです。
低リターン資産、と評価されてもやむを得ない数字です。
直近10年は相場全体が比較的恵まれていた時期でもある
ここで、一つ留意しておきたい点があります。
直近10年は、各資産クラスの比較以前に、株式を中心にリターンが高く、好調な時期だったということです。
GPIFの資産全体の収益率を見ると、2016年度から2025年度の10年間でマイナスとなったのは2019年度の1回だけでした。
10年のうち9年がプラスで、2020年度や2023年度、2025年度にはかなり高い収益率も出ています。
リスク資産にとって追い風となる局面が多かった時期、と見ることもできるでしょう。
2001年度~2015年度には、低迷局面も何度もあった
それでは、もう少し前の時代はどうだったのでしょうか。
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2001年度から2015年度の15年間で、資産全体の収益率がマイナスとなったのは6回です。
2001年度▲1.80%、2002年度▲5.36%、2007年度▲4.59%、2008年度▲7.57%、2010年度▲0.25%、2015年度▲3.81%でした。
直近10年と比べると、資産全体として低迷局面が多かったことが分かります。
つまり、2001年度~2015年度には、今から振り返れば相場環境の厳しい時期も相応に含まれていたのです。
この時代と、直近10年のような比較的強い相場を単純に同列で並べると、見え方が偏る可能性はあります。
この点は、あらかじめ押さえておいた方がよいでしょう。
2001年度から2015年度までの15年間で、国内債券がマイナスだったのは2003年度と2005年度の2回だけでした。
この点だけ見れば、当時の国内債券は確かに「マイナスになりにくい資産」に見えます。
同期間でのマイナス回数は外国債券は4回、国内株式は6回、外国株式は4回でした。
それでも、国内債券は「高リターン資産」ではなかった
ただし、ここで改めて確認しておきたいのは、相場が弱かった時代においても、国内債券は高リターン資産ではなかったという点です。
マイナス回数が少ないことと、良いリターンを上げていたことは別です。
GPIFの2001~2015年度の15年間の収益率は、国内債券1.90%、国内株式1.91%、外国債券5.60%、外国株式4.76%です。
国内債券は、4カテゴリで最もリターンが低く、外国債券・外国株式には遠く及んでいなかったのです。
過去の国内債券はマイナス回数の少ない「守りの資産」だったかもしれませんが、「リターンに寄与できる資産」ではなかったのです。
2016年度~2025年度では、国内債券の「守り」も薄れていた
国内債券は、2001年度から2015年度では
マイナス回数こそは少なかったが、リターンは他カテゴリに見劣りしていた。
そして、2016年度から2025年度の直近10年では、マイナス回数の少なささえ失われてきたのです。
直近10年が相場全体として恵まれていた、という前提は重要です。
しかし、その前提があったとしても、国内債券に対して「安定しているから安心」
と評価するのは、慎重になった方がよいのではないでしょうか。
国内金利の上昇局面では、債券価格が下落し結果的にマイナスリターンとなることがあるのです。
基本ポートフォリオ変更も踏まえて、なお見えてくること
もちろん、単純比較には注意点もあります。
外国資産の収益率には為替の影響が含まれますし、GPIFの基本ポートフォリオも対象期間中に見直しが行われています。
それでも、今回見ているのはポートフォリオ全体の成績ではなく、各資産クラスそのものの収益率です。
その意味では、国内債券は過去においても「高リターンの主役」ではなく、直近10年では「守りの役割」にも疑問符が付く。
過去のデータで未来を予見するものではありませんが、このような事実が、GPIFのデータから十分に読み取れるのです。
国内債券をどう評価するのか
過去の実績だけで将来を断定することはできません。
今後の金利環境や市場環境によって、国内債券の位置づけが変わる可能性はあるでしょう。
それでも、GPIFの長期データが示しているのは、
「国内債券は、かつても高リターン資産ではなく、足元では安定資産でもなかった」という現実なのです。
低い相場の時期が多かった2001年度~2015年度の15年間。
比較的恵まれた株式相場だった2016年度~2025年度の直近10年間。
この事実を踏まえて、国内債券の評価を改めて考える必要があるのではないでしょうか。
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※今回採り上げたカテゴリーに対して売買推奨や、今後の見通しを述べたものではありません。
※本コラムは信頼できると判断された資料を基に作成しておりますが、正確性、完全性を保証するものではありません。
※過去の実績は将来の運用成果を示唆・保証するものではありません。
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