バランスを取り戻す?リバランスとは 投資初心者が知らなかった資産運用

安東隆司

安東隆司

テーマ:投資初心者

(RIA JAPAN広報部記述)
このシリーズは、3年以上RIA JAPANのコラムを読んだ投資初心者に依頼して、「なるほど!と感じたポイント」「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について執筆いただきます。
投資初心者さんの執筆記事は第151回目になります。
今回はリバランスについて執筆いただきました。
誤解が無いように一部表現を校正した箇所があります(*)は編集部校正。
********************
言葉にはいろいろなものがありますが、リ〇〇ってありますよね。
英語だとre〇〇です。
接頭語で「再び」とか、「繰り返し」という意味があります。
投資でも出てくることがありますが、中でもリバランスという言葉も聞いたことがあるかもしれません。
機関投資家がリバランスするなんてニュースもありますよね。
では、リバランスとはなんでしょうか。

バランスを取り戻す調整

投資していると、予想通りにいかないことが出てきます。
当たり前ですが、すべての未来が見通せるわけではないからです。
だからこそ、なにに投資するのか、バランスが重要といえます。
リスクを考えて、どこにどのぐらいの資産を運用するか考えますよね。
でも、運用の結果次第でA資産の値段は上がったり、逆にB資産の値段は下がったり、と当初のバランスから崩れていくわけです。
そうなると調整する必要が出てきますが、これをリバランスと呼んでいます。

計画通りに戻していくリバランスは?

投資では資産の割合、アセット・アロケーションを考えることも重要と言われています。
例えば、A、B、C、Dという資産に以下の割合で投資していたとします。

A 50%
B 25%
C 15%
D 10%

運用を開始して暫く経ち、AとDの価格が値上がりし、一方、BとCの価格は値下がりしました。
この場合、先ほどの割合が以下の割合に変化したとします。

A 54%
B 20%
C 12%
D 14%

このままではAの価格が値下がりした時、当初の割合以上の影響を受けてしまいます。
なので、AとDの資産を一部売却して全体の占める割合を減らし、
BとCの資産を一部追加購入して全体の占める割合を増やして、
当初の割合に戻すことをリバランスというのです。

リバランスは儲かった分の全ての売却ではない

リバランスは当初の割合に戻すことです。
ここで大事なポイントがあります。
それは元の割合に戻すことは、元の金額に戻すわけではないということです。
例えば、先ほどの事例で全体で100万円で運用を開始したと考えてみましょう。

合計 100万円
A 50% 50万円
B 25% 25万円
C 15% 15万円
D 10% 10万円(下図の円グラフ左側の状態)

となるわけです。
しばらく運用して先ほどのように割合が変わったとします。
全体の合計額は100万円から110万円に増えていました。

合計 110万円
A 54% 59万円
B 20% 22万円
C 12% 13万円
D 14% 16万円(下図の円グラフ中央の状態)

この場合、全体の合計額は110万円のまま、当初の割合に戻すとします。
合計額が増加しているので、リバランス後の各資産の金額が変更になっています。

合計 110万円
A 50% 55万円
B 25% 27.5万円
C 15% 16.5万円
D 10% 11万円(下図の円グラフ右側の状態)


合計額は増加したまま投資する理由は、投資で得た利益を再投資することで、より大きなリターンになる
複利の効果を得られるからです。
例えば、100万円で運用して10%の利益が得られたら110万円になりますが、
この110万円で運用して10%の利益が得られたら121万円になります。
同じ10%の利益でもリターンは+10万円から+11万円に増えているのです。

リバランスの注意はコストがかかること

リバランスは投資の比率を元に戻すという方法でリスクを低減を図ります。

リバランスの注意点を上げてみましょう。

  • 売買手数料がかかる場合がある
  • 利益に対して20.315%の税金がかかる

コストがかかるわけです。
リバランスにコストがかからなければ、コストというデメリットをなくして再投資できると言い換えられるでしょう。
iDeCoやNISAでは、販売手数料がないものもあります。
iDeCoには、スイッチング手数料がかからないケースが多いでしょう。
(* 一部、信託財産留保額というコストがかかる投資信託があります)
またNISAやiDeCoでは譲渡益に対する税がかかりません。

リバランスにコストが発生しないで済むなら、無駄な出費を下げられるのです。
iDeCoや*NISAを、一般的な課税口座より優先して運用で用いるメリットがここにもあるのです。
(*注 NISAでの売却は、NISA枠の消費となり、翌年まで再投資ができません NISA枠での積極的なリバランスを勧めるものではありません。NISA枠ではバランスを過度に気にすることなく、長期投資に取り組んでいただきたいと思います)

********************
(以下、編集後記)
今回、投資初心者さんには、リバランスについて執筆いただきました。
RIA JAPANではこれまでリバランスについて発信してきました。
下記リンクより発信してきたコンテンツが閲覧可能です。
【関連記事】
・著書「NISA・つみたてNISA・iDeCoプロの選び方教えてあげる!」
 P94「リバランスって何?」にて解説しています。
 NISA・つみたてNISA・iDeCoプロの選び方教えてあげる!Amazon販売ページ
・マイベストプロ コラム
 年金基金のリバランス? 3月に相場が変動しやすい理由とは
 (個人投資家のリバランスではありませんが、関連記事として掲載します)

繰り返しになりますが、本記事はRIA JAPANが、投資初心者に弊社発信のコラムで、「なるほど!と感じたポイント」「投資を始める前に知っておきたい!」と感じた内容について記述してもらったものです(第151回目)。

※本コラムは特定の有価証券又は金融商品を勧誘するものではありません。また、特定の資産クラスに対する今後の方向性を保証するものではありません。

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安東隆司
専門家

安東隆司(投資顧問)

おカネ学株式会社 Reliable Investment Advisors Japan Co.,Ltd(英文名称 略称 RIA JAPAN)

富裕層の資産の管理や運用、承継などを行う。売買手数料0などお客様と利益相反の少ないサービスを追求。また、海外ETFを中心とした資産形成の知識・経験が豊富。テーラーメードの投資助言を大切にしている。

安東隆司プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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