破綻時には「もはや手遅れ」も、預金は保護でもダメージを負う投資家 SVBの突然破綻
2021年の1年間は2020年に続き、好調な成績が続いた1年間でした。
その中で多くの投資信託やETFなどへ資金流入がありました。
QUICK資産運用研究所のデータによると、国内における公募追加型株式投信の年間資金流入額は9.3兆円と14年ぶりに高水準を記録しました。
(石井輝尚氏 :日経CNBC2021/01/12放送「投資信託の最新事情」リンクは本記事下部に掲載しています)
同放送では国内追加型投信の12月資金流入額Top10を公開しています。
上位Top5の2銘柄がS&P500指数に関連するインデックスファンドでした。
筆者は長年にわたり、低コストのインデックス運用を啓蒙してきました。Top5に2銘柄もランクインしたことに喜びを感じています。
低コストインデックス型はアクティブ型に比べセールスされにくい
金融機関の担当者からのセールス傾向は、収益に寄与しやすいアクティブ型や、数年間で乗り換えが提案しやすいテーマ型などがいまだに続いています。
信託報酬は販売者に収益還元されるケースがあります。しかし低コスト銘柄は証券会社の収益に寄与しにくいという背景があるため、販売者からはセールスされにくいのです。
そんな環境の中で、低コストインデックス型2銘柄のランクインは、長期の資産運用に適した商品が投資家に広がってきたことを示しています。販売者の意図とは違う、投資家自身の選択によるものが多いと考えられます。
金融庁や厚生労働省、投資家の金融リテラシーの向上に尽力してきた人々の、はたらきかけが実ってきたものだと思います。
RIA JAPANはiDeCoやNISAで、(ETFでない)投資信託を選ぶ時には
信託報酬0.4%未満の
低コストのインデックスファンドから商品選択を
とお伝えしてきました。
前述した2つの銘柄の信託報酬率は0.09%、0.10%(税込)*でした。
先進国株式・パッシブカテゴリーの信託報酬平均値が0.55%*であり、これら2本は十分に低コストです。
(*信託報酬、カテゴリー平均値はモーニングスターより引用。データ取得日時2022年1月14日14時30分)
2007年当時、「ETF?何それ? インデックス運用?」
前述の投資信託データにはETF(上場投資信託)が除かれています。しかし、
- 低コストインデックス型の本命はETF
- ETFは金融史を変える発明
だと筆者は考えています。
ETFには低コスト商品が多く、プロがその便利さに気づき、利用が飛躍的に拡大しました。
筆者が海外ETFのウォッチ、研究、活用を始めたのは2007年の時でした。
当時はインデックスやETFはほとんど知られてなく、金融機関に勤めている人ですら、知らない人がほとんどでした。
「海外ETFを使った低コストのインデックス運用」のアドバイスをしています、と言っても、「? 何ですか?」といった反応がほとんどだったのです。
2009年10月に一般社団法人 企業研究会「Business Research」誌にて執筆したコラムで、ETFを解説しています。
販売者のノルマとモラルなど、お伝えしたいメッセージは現在も変わっていません。
10数年前からお伝えしてきた、低コストのインデックス運用が一般にも理解され、浸透してきたことがとても嬉しいのです。
2009年10月に掲載された記事は下記リンクから閲覧可能です。
知って得するパーソナル・ファイナンス第1回 資産運用のコストについて
今後も変わらないメッセージ 低コストのインデックス運用を
外国株式への低コストインデックス投資は着実に広がりを見せています。
前述のS&P500に連動する低コストインデックス2銘柄の内、1つが2021年12月30日時点での国内公募投信の残高ランキングに3位でランクインしています。
(石井輝尚氏 :日経CNBC2021/01/12放送「投資信託の最新事情」https://markets.nikkei-cnbc.co.jp/watch/vod/38020)
しかし、裏を返すと国内公募投信残高ランキング上位10銘柄の他9銘柄はアクティブ型やバランス型となっています。(内訳:アクティブ型8銘柄、バランス型1銘柄 RIA JAPAN調べ)
それでもアクティブ型を選びますか?
依然として金融機関からのセールスに従った、アクティブ型の購入が多いことは残念です。筆者が意図したいことは、アクティブ型がダメだと言っているのではありません。アクティブ型がインデックス型に勝つかどうかはわかりません。S&Pが出しているデータでは、15年の長期運用でインデックスに勝つアクティブ型は10%程度しかありません。
そして低コストのインデックス運用による、コスト削減は必ず効果がある、ということです。
わざわざ、勝つ確率の低いものに投資を行う必要があるのか、考えてほしいのです。
セールス目的のためのランキングは、顧客本位なのか
また、直近では別の番組の投信ランキング紹介でアクティブ型銘柄の1年騰落率が表示されていないという事例もありました。
(ファンド設立後1年経過していないため、という理由が想定されますが、累積リターンはマイナス16.11%と思われます)
さらに番組では、リターンの高いインデックス型は銘柄解説で一切触れず、アクティブ型の投資信託のみを解説で取り上げていました。リターンが大幅マイナスであることには一切触れませんでした。
この回を担当した解説者には、「伝えた情報は顧客のためになったのか」を今一度考えてほしいです。
販売者でない、中立なアドバイザーの情報をあなたに
投資に関する情報が以前よりも手に入れやすくなった反面、参考にする情報を本当に信じてよいものかを見極める力が求められるともいえるでしょう。
詳細は下記リンクにて解説・考察しています。
2021年資金流入TOP5、2本が米国インデックスで+44%、第3位アクティブはいくらマイナス?
知ってほしいポイントを凝縮!資産運用の入門書「お金を増やすならこの1本」
「低コストのインデックス運用を知りたい!」という人や「どういう銘柄に気を付ければ良いの?」という人もいるかと思います。
安東隆司の著書「お金を増やすならこの1本」では資産運用の入門書としてこれから資産運用を始める人に知っておいてほしいポイントや、よくセールスされる事例で注意してほしいポイント、具体的な銘柄も解説しています。
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※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の有価証券その他の投資商品についての勧誘や、売買の推奨を目的としたものではありません。
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