年始の目標を立てた人のうち80%が2月半ばまでに脱落している
新年あけましておめでとうございます。
年始ですので、志を新たにし、新年の誓いを立てられている方も多いでしょう。
中には、従来の路線から大きく変化をさせ、新しい挑戦をされる方もおられると思います。そのような時、全てのメンバーが最初から賛同し、ついてきてくれるとは限りません。反対を表明する人、反対を表明しないまでも様子見をする人がいるでしょう。
そんな時に「なぜ実践する組織は強いのか?」という行動の本質的価値について組織内で議論をしてみても良いでしょう。
バカな京大生
20年も前の話で恐縮ですが、京都大学時代のアメフト部の監督から「京大生はバカだ」とよく叱られていました。それは「自分が賢いと思っている」「自分のちっぽけな世界の中でいくら考えてもわからないことを、一生懸命頭で考えて答えを出そうとしている。バカだ」という話です。
例えば、新しいフォーメーションに挑戦する際に、反対する選手が出てきます。「そんなことをやっているチームはない。今のフォーメーションでも十分に戦えるし、これで日本一にもなれた。なんで変える必要があるのか?」という主張です。しかし、実際にその新しいフォーメーションを実践していくと、効果を発揮する。強いチームに対して戦いやすくなるということが起きます。その時に、「これはいいかもしれない」ということに気がつき、新しいフォーメーションを大事にするようになっていきます。
この「実践をすると現実が変わる。現実が変わると考え方も変わる」という営みが成長です。人間は過去に培った常識の中で物事を考える生き物です。心理学の実験で宇宙生物を自由にイメージして描いてもらうと、ほとんどが世界に実在する生物を変形した形になるそうです。それは、「実際の生物と異なるものを描いてください」と指示をしても同じ結果になるようです。思考だけで過去の常識を書き換えるのは難しいのです。
そのような人間の特徴を超えるために、「こんなことができるようになりたい」という思いや未来図からエネルギーを得て新たな実践をする。その実践によって変化した現実を見て学んでいくという取り組み方ができると、過去の常識を超えて成長していくことができるのです。
創造的にモノゴトを生み出せる企業は頭が良い人物がいるからではありません。新しいアイデアを実践すると決めて行動に移し、検証を繰り返しながらものにしていく力がある企業です。変化の激しい時代、ますます実践する企業が強くなっていくと思います。
実践力を高める7つのコツ
新しい物事に取り組むときの7つのコツを紹介します。
(1)自分で評価(判断)を下さないこと。
「良い/悪い」をやる前に判断しない。
自分でやってみて本当かどうか確かめる。
(2)忍耐づよいこと
すぐに結果の出ない時は、しばらく継続してから確かめる。
行動習慣:1ヶ月(整理整頓、日記など)
身体習慣:3ヶ月(筋トレ、早起きなど)
思考習慣:6ヶ月(プラス思考、論理思考など)が目安です。
(3)初心を忘れないこと。
そもそも何を実現したかったのか、当初の目的を思い起こせるようにしておくこと。言葉にして可視化しておくと有効。
(4)むやみに努力しないこと。
納得感のないことは相談する。
ちょっと聞くだけで無駄な努力をしなくて済むかもしれません。
(5)うまくできない自分を受け入れること。
最初からうまくできる人はまれであり、思い通りにいかないことも「成長痛」だと捉えて前を向いて進むことです。
(6)自分を信じること。
どのような道も「完璧」ということはないでしょう。そして「正しい努力をすれば必ず進歩する」ものです。結果が出る前に心配をしないこと。そして、もう一歩先、もう一歩先と少しずつ進歩する自分を楽しむことです。
(7)肩の力を抜くこと
「〜しなければならない」と、義務感で取り組んでしまうと、素直な思考ができなくなったり、遠回りをすることにもなります。リラックスをして自然体で取り組むことが大切です。
この7つのポイントはマインドフルネスをアメリカに普及したジョン・カバット・ジンの教えです。マインドフルネス(瞑想)は経験しないとわからないことの最たるものだと思いますが、継続実践し、習得できる人の特徴から考えてこの7つだそうです。新境地を切り拓けるかどうかは、行動する力、工夫を加えながら行動し続ける力にかかっていると言えます。簡単にあきらめない行動力を大切に新年をスタートしていきましょう。