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同じ行き詰まりパターンからの脱却(2/2)

安澤武郎

安澤武郎

テーマ:経営者向け

前週の続きになります

(4)演じれば変わる


先週紹介をしたマネジメントスタイルは性格とは少し違います。例えば、課長に昇進をした人は、その人が思い描く課長像で仕事をします。思いやりがあって部下の相談に乗るのが課長の役割だと考えているとそうするでしょうし、部下に難しい課題を与えて厳しく指導することで育成するのが役割だと考えている人はそうするでしょう。事業部長になれば、その人の考える事業部長像での仕事をします。その仕事の結果、マネジメントスタイルは出来上がっていきます。

 逆にいうと、ありたい姿を変更し、その姿を演じることによってマネジメントスタイルは変えることができます。「性格を変えよう」となると難しさを感じますが、「役割・役柄を演じよう」であればできる気はしないでしょうか?

 下図はある企業のリーダー陣のマネジメントスタイルの変化を表した図です。


スタイルの変化


2018年には多くのリーダーは特攻OSと管理OSに分布していました。ビジネスモデルは秀逸で、競合に対して独自性もあります。しかし、部門間連携が取れておらず、互いを批判する文化が目につきました。売上に対する執着心はあるのですが、短期的な目線や他部門の事情を鑑みない商品投入により、無駄や無理が生じて収益性を圧迫し、黒字と赤字を繰り返すような状況でした。

そこでリーダー陣にマネジメント教育を行い、互いの悩みを相談し合う場を設け、相互支援を促進しました。最初は他責的な思考から抜け出せない人もいましたが、部門を超えた共通の目標に向かって協働する場面も増えていきました。計画的に商品投入をする仕組みが構築され、販売と調達と製造のバランスは改善されていきました。3年後にマネジメントスタイルを分析してみると、仲間OSの要素が強くなり、笑顔で仕事をする人が増え、会社の雰囲気も良くなっていました。当然、離職率は下がり、収益もしっかり確保できるようになったので新たな投資をして挑戦できる状況が作れました。

 次の課題は、「独創OS」の要素を高め、新商品比率を落とさないようにクリエイティブな力を維持・向上させることです。新しい事業・ビジネスモデルへの挑戦などを生み出していくことも必要です。そうやって組織の成長に合わせてテーマ設定をしていくと、業績も伸び、マネジメントスタイルも変化させていくことができます。これが組織OSのアップデートなのです。

(5)OSアップデートの枠組み


このように自らのOSを客観視し、その状況で必要なOSの要素を高めながら、環境変化に適合していくOSが熱中OSです。

熱中OSで肝になるのは「OSのアップデート方法を再現性のある形で実装する」ことです。OSのタイプによってアップデートの仕方に様々な道はありますが、大きく分けると次の3つになります。

(A)演じる


前段でも触れた話ですが、自分の役割・役柄についてのあるべき姿を描き、その姿を演じていくことです。演じ続けるためには、その姿を言語化したり、自分の行動基準として自己点検できるような姿をセットすることが有効です。従来の自己像と馴染まない姿ですので、自分がうまく演じられているか、何度も点検しながら取り組んでいくことが必要になります。

(B)協働する


次に、自分と違うスタイルを持つ人と協働することで新しいスタイルを身につけていく方法があります。自分と違うアプローチを考える人が仲間にいるだけで幅は広がります。
例えば、以下のようなケースを考えてみましょう。

日曜日の朝、あなたはコーヒーを飲みながら読みたかった本を読んでいます。突然子供の叫び声がし、おもちゃの取り合いの喧嘩を始めました。あなたは親として、どのように子供達の喧嘩をやめさせるでしょうか?

(読み進める前に自分の答えを考えてみて下さい)


ある人は、「おもちゃを取り上げる」でしょう。
ある人は、「話し合って決めなさい」とアドバイスをするでしょう。
ある人は、「順番を決めて交代で遊びなさい」とルールを決めるかもしれません。
「もっと面白い遊びがあるよ」と別の遊びを示す人もいるかもしれません。



同じ現実に直面しても、その人のスタイルによって打ち手は変わります。自分にはないアプローチで取り組んで良い結果を出せると、そのスタイルを学習して取り入れることができます。そういう考えの違いを相談しあえるパートナーは職場の同僚でも良いでしょうし、メンターを持つことも有効です。

「修羅場経験を積むと人は成長する」「成功した人は修羅場経験をしたことがある」と云う話を聞くことがありますが、必ずともそうではありません。正確には、「修羅場経験をした際に、自己理解を進め学習した人は、その後のキャリアにおいて成功する可能性が高まる」です。修羅場経験をしても自己理解を進められなかった人は成功していないという研究結果があります。メンターの役割として大切なことは、知識や打ち手の助言をする以上に、受け手の自己理解を促進し、アプローチの幅を広げられるようにしていくことでしょう。

(C)仕組みにする


マネジメントスタイルの解説のところでも書きましたが、仲間OSであれば「目標やアクションプランを具体化して、それに沿って活動を進める」とか、独創OSであれば、「現状のリスクや課題について、定期的に立ち止まって話し合う場を持つ」など、仕組みにしてしまうことで自分の特徴を補う方法があります。



これらの方法を組み合わせてOSをアップデートしていくのですが、最終的にOSがアップデートされるのは、新しいスタイルで成果を生み出した時です。OSは過去の経験から形作られているため、このnoteのような話を読むだけで変化させることはできません。新しいスタイルで成果を出せるという体感を得た時に、その価値を深く認識できます。


OSアップデートの枠組み


組織診断により組織課題と組織OSの因果を分析する。
自己認識を深めた上で、その企業の課題を解決する取り組みを実践する。
新しいスタイルで課題解決を進め、成果を生み出した時、企業のステージは一段上がるでしょう。

組織OSへのアップデート、是非検討をしてみていただければと思いますし、思い当たる節がありましたらご相談いただければありがたいです。

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安澤武郎
専門家

安澤武郎(経営コンサルタント)

株式会社熱中する組織

どのような組織にも「常識の壁」「アクションの壁」「スキルの壁」「仕事のやり方の壁」「コミュニケーションの壁」「情熱の壁」があり、能力を活かしきれていません。その壁を取り除き、組織を生まれ変わらせます。

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