社長の力量が足りないと社員は育たないのか? (3/3)
昨日も動画を紹介しましたが、こちらも良いです。
『豊田社長年頭挨拶 ~一歩踏み出した人たちへ~』
「機能分掌の弊害」が語られる場面がありますが、
自分の正しさを主張し、相互に批判をしてしまう文化ではなく、
相互理解をして協力関係・補完関係を作る文化に変えていくこと。
『自律型組織へのチェンジマネジメント その11』で書いた話です。
そして、その文化の転換を語る場面で、エピソードとして
2010年に豊田社長がリコール問題で米国議会に呼び出された際の話が紹介されます。
その公聴会で豊田社長が見せた姿は
「これまでのトヨタの社内で評価される人間の姿とは違った」ということです。
「格好悪くても良い、ありのままを曝け出す
トヨタは絶対に嘘をついたり、誤魔化したりしない
言い訳もしない、そして、誰のせいにもしない」
という姿勢を世界に示したと語っています。
まさに 『自律型組織へのチェンジマネジメント その13』で紹介した
「開放個人主義(誠実社会)」の世界観です。
「身内集団主義(忠実社会)」の倫理体系では、
自分や自分の組織を守るために正しさを主張することが良しとされます。
弱みを見せない、組織の名誉を守り、強いリーダーでいなければいけません。
しかし、それではグローバルの戦いに勝てません。
正しい姿だったと思います。
豊田社長の涙する姿をどう評価していたでしょうか?
その姿の意味をどこまで深く理解できていたでしょうか?
豊田社長を弱い人と感じていた人もいましたが、
本当に強い人は、正直に自分の弱さを表現できる人だと思います。
それから10年、まだトヨタは変化できていない
そしてその危機感は非常に強く、今年の年頭のプレゼンになったのだと思います。
「最後のチャンス」
まさに日本の多くの企業にとって、今がそういう時なのかもしれません。
組織経営にしっかりとした世界観を持って取り組み
未来ある企業を増やしていきたいと思います。