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ダブル・ループ(人生の早い段階で教えるべき「無駄な努力をしない」コツ)

安澤武郎

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テーマ:教育

大学受験・高校受験だけでなく学校のテストのためなど、
なんらかの到達目標を持って勉強に取り組んだ経験は誰もが持っていると思います。
その際に、どのような取り組み方をされてきたでしょうか?
3つほどケースをあげてみますので、考えてみて頂きたいと思います。


A.教科書や参考書を最初から順番に学ぶ
B.学ぶべき箇所や取り組みやすさを考えた上で順番を決めて学ぶ

A.一人で黙々と勉強をする
B.一緒に取り組む仲間を作り、苦手箇所を教え合いながら勉強をする

A.答え合わせをして終わる
B.答え合わせをした時に、間違った問題をもう一度自分の力で解く


多くの事例の結果を見ると、「B」の方が到達目標を達成しやすいようです。
どうでしょう?
このような学習の仕方について自覚的に工夫を重ねて来られたでしょうか?
「感覚的に行っていたが、明確な作戦を持って取り組んではなかった」
という方が殆どではないでしょうか?

学校は知識に関しては教えすぎのきらいがあると思いますが、
本当に肝心な「学習の作戦」について教えてくれることはあまりありません。
例えば、テストで点数を取ることは目標であって、
その前に目的を持つことが大事なわけですが、
その目的を持たせた上で目標を目指すという大原則を教えていないのです。
押し付けてしまってはいけませんが、
人生の先輩として「大人になる期待感」を教えること、
大人に憧れさせることは、教師の役目ではないかと思います。

中高校生向けに私塾を行ったことがあるのですが、
「大人って楽しいぜ」ってことを教えると子供達の目は輝いたものです。
タブレットなどで秀逸な教育コンテンツが提供できるようになって、
教師の役割として、この学習する目的や作戦を持たせることは益々重要になっていくと思われます。
話が少し教育論にそれてしまいましたが、
今回共有したい話は「物事の進め方に関する作戦を持つ」という話です。

組織学習の大家であるMITのドナルド・A・ショーンは、
このように学習の仕方について創意工夫をしていくことを「ダブル・ループ学習」と名付け、
「学習の仕方における作戦を持つ人」は「作戦を持たない人」に比べ、
大きく成績を伸ばすことを証明しました。
同じ能力を持っていたとしても、学習の進め方で大きく差が出るということです。

ダブルループ

例えば、日本で最難関の東大の理科Ⅲ類に合格をした大学生であっても、
医師国家試験を受ける際に差が生じ、
「教科書を最初から順番に学んでいる学生は何度も落ちている」のだそうです。
恐らく、大学受験の際は、学校の先生や塾の先生が作戦を持っており、
それに従って学習を進めることで成績が良かっただけで、
「自覚的に学習の進め方を工夫する」ということは学んで来なかったのでしょう。

マネジメントとはこの「ダブル・ループ学習」に他なりません。
同じような能力であっても、
PDCAの回し方における作戦を持つものと持たざるものでは大きく結果が変わってくるということです。

(つづく)

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ペネトラ・コンサルティング株式会社
代表取締役 安澤武郎
公式サイト:http://penetra.jp/
お問合せ: http://penetra.jp/84

著書:『壁をうち破る方法』はこちら
http://www.amazon.co.jp/dp/4799314378/
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安澤武郎
専門家

安澤武郎(経営コンサルタント)

株式会社熱中する組織

どのような組織にも「常識の壁」「アクションの壁」「スキルの壁」「仕事のやり方の壁」「コミュニケーションの壁」「情熱の壁」があり、能力を活かしきれていません。その壁を取り除き、組織を生まれ変わらせます。

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