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安澤武郎

組織変革コンサルタント・マネジメントコーチ

安澤武郎(やすざわたけろう) / 経営コンサルタント

ペネトラ・コンサルティング株式会社

コラム

人間力を高める② 〜驕るものは久しからず〜

2015年8月18日 公開 / 2020年4月30日更新

テーマ:教育

コラムカテゴリ:ビジネス

もう一つの観点で人間力というものを眺めてみたいと思います。

科学の進歩に対し、「人間の課題」は昔から変わっていません。
ギリシャ時代の物理学や生物学は、
現世では歴史的な研究の対象でしかありませんが、
ソクラテスやアリストテレスの哲学は今の世でも十分に通用するし、実用に耐えます。



カーネギーの著したベストセラー「人を動かす」は70年間売れ続けていますし、
多くのビジネス書に書かれていることは同じことなのに、
次から次へと新しい書物が出版され、読まれています。
また、最近の東芝や東洋ゴムの不祥事や世の中の多くの事故のニュースも
「人間の問題」に起因しています。

なぜ人間の問題は無くならないのでしょうか?



人間にある「恐れ、驕り、馴れ、欲する」などの特徴が変わらないからだと思います。
進化の過程で生存するために身につけた遺伝子レベルでの特徴であり、
現代の科学でもコントロールできるものではありません。



人はそれまでに得たものを捨てて、新たな挑戦をする際に「恐れ」ます。
人は苦手な人と議論をすることなど、自分が否定される状況を「恐れ」ます。
人は一度や二度の成功で簡単に「驕り」ます。
人は地位や立場によっても「驕り」ます。
人は経験を積むことによって「馴れ」ます。
人は恐れていたことにも「馴れ」て油断します。
人は我欲によって本分を疎かにしたり、身を滅ぼすこともあります。

痛みによって学習することはできますが、
次世代までその痛みを継承することはできません。
そもそも「痛み」も忘れます。

そういう人間の特徴から、成功し続けること、
勝ち続けることは難しいのだと思います。

徳川家康公が「勝事ばかり知りてまくる事をしらざれば害その身にいたる」
と遺訓に残した事や、
ドラッカーが「シェア80%を越えると企業は滅ぶ」と言った事の理由は、
この人間の特徴に対する警鐘であったのだと思います。



そういう状況を打破するためには、
安全圏から飛び出して「挑戦」する環境設定が必要だったりします。
逆に安全圏から飛び出した「挑戦」によって
人類は進歩してきたということも言えます。
飛行機が飛んだのも、ロケットが月に到着したもの
「人間の力」であったことは間違いありません。

なぜ「人間力を高め、挑戦する」必要があるのか?
成功している企業ほど考える必要がるのかもしれません。

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ペネトラ・コンサルティング株式会社
代表取締役 安澤武郎
公式サイト:http://penetra.jp/
お問合せ: info@penetra.jp

著書:『壁をうち破る方法』はこちら
http://www.amazon.co.jp/dp/4799314378/
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