人材育成をスタートする際に考えて欲しいこと(1/3)
「やっていることを好きになる」ためには、
「深める楽しさを感じる」ことが必要になります。
元ライブドア社長の堀江貴文さんの著書「ゼロ」の中にある
「刑務所でのエピソード」を紹介してみます。
彼が最初に与えられた仕事は、無地の紙袋をひたすら折っていく作業だそうです。
与えられたノルマは1日50個。担当者から折り方のレクチャーを受け、
作業を開始するも、なかなか思い通りに作業が進まず、時間ギリギリでの完成となりました。
そこで、どうすればもっと早く、もっとうまく折ることができるか?
レクチャーされた折り方、手順にはどのような無駄があるのか?
折り目をつける時、紙袋の角度を変えてはどうか?と探求をしてみた結果、
三日後には79個折れるようになり、単純に楽しさを味わったという話です。
この話のポイントは、「与えられた仕事」のままでは楽しくないが、
自分で「能動的に探求すればそこには楽しさがある」ということです。
これは様々なことに通じます。
本来、学び成長することは人間の欲求にかなっています。
文明が発達したのは、「こういうものが欲しい」という人間の欲求に根ざしています。
その楽しさが失われるのは、強制されたものと否定的に受け止め、
創意工夫を怠った時ではないでしょうか?
「深める楽しさを知らない人」は、
この与えられた仕事を楽しくする域になかなか辿り着きません。
解けない問題を解いていく楽しさを知らないので、
困難な問題に直面した際に立ち止まってしまうのです。
しかし、ここで悲観することはありません。
チームで仕事をしている価値は、このような場合にあるといっても良いでしょう。
■深めた先
組織で「深める楽しさ」を広げていく上で鍵を握るのが「成果(実感)」です。
深めても深めても成果が全く手に入らなかったとしたら、
物事を継続することは難しくなります。
強い組織では、最初は「難しい」と思われることに取り組んで、
創意工夫の中から乗り越える人が出てきます(そういう人をリーダーと言います)。
全員がリーダーになれなくとも、組織の中で最初の一人になれる人が存在すれば、
組織として壁を乗り越えていくことは可能です。
組織変革プロジェクトを行うと、今までにない成果を出すことができるようになります。
原理原則を徹底的に日常の行動に落とし込み、
為すべきことを正しい方法で遂行することにより、多くの難題は克服していけます。
営業であれば、「顧客にとっての価値は何か?」を徹底的に考え、
顧客が抱きがちな懸念や疑問を解消する方法を整備することで、売れる人が出てきます。
そういう人の手法を組織内に展開することで大きな成果を生み出していくことが一般的な手法です。
ある企業では、昨年後半、顧客向けに開催した商品の勉強会で、
「他の取引先の勉強会もこうしなきゃ」という評価を頂いた事例がありました。
その企業では、全国各地で同様の営業が展開され、
今まで売れていなかった営業マンが大口顧客の採用を決め、
プラスの影響を及ぼし合うようになりました。
組織として、業界の先頭を走る水準まで深めてこられたということだと思います。
「深める楽しさ」を味わった営業マンも数多くいるのではないでしょうか?
さて、ここで考えるべきは「各人の実感はどうなのか?」ということです。
「売れるようになっただけ」なのか
「深める楽しさ、深め方を身につけた」のか?
単に他の人の手法を教えてもらって実践しているだけの人はまだ前者かもしれません。
他の人の真似をしながらも、自分なりの見解を持って創意工夫をした人は後者でしょう。
組織として、全員に「深める楽しさ」を味あわせることはすぐにできませんが、
そういう経験をした人が一人でも増えることが次のブレイクスルーに繋がります。
(つづく)
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ペネトラ・コンサルティング株式会社
代表取締役 安澤武郎
公式サイト:http://penetra.jp/
お問合せ: info@penetra.jp
著書:『壁をうち破る方法』はこちら
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