ウェルズファーゴの失敗を他山の石とする
横展開の話に入る前に2回を使ってしまいましたが、
ここまで説明してきたことが「横展開のエッセンス」になります。
成功事例も失敗事例も、大切なことは「目に見えない」ものです。
そこに気がつけるようになることが成長を早め、成果を増やします。
現在、様々な企業で「情報共有」ツールの導入が進められています。
「情報の共有」が目的になってしまっている企業は論外ですが、
「共有した情報の活用」をゴールに取り組んでいる企業でも
「なかなか横展開されない」という課題を抱えていたりします。
それは、単に「事例」だけが紹介されて、
その「意味合い」が共有されていないからかもしれません。
先ほど紹介した企業では、初回面談時に「(面談の御礼のための)Thank youメール」を出して、
相手との関係を深める事例が「共有情報」としてシェアされました。
しかし、様子を拝見していると
その情報を活用しようとして、「メールを配信したが、返事がなかった」
という事例を積み重ねている担当者もいます。
「目に見えない成功法則や大切なこと」がうまく伝わっていないのかもしれません。
「Thank youメールの書き方」「初回面談の内容」
どちらに問題があるのかわかりませんが、
うまくいっている担当者の目に見えない秘訣が横展開されることが必要なのでしょう。
そういった観点で、目に見える取り組みだけで満足するのではなく、
本質は伝わっているか、活用できているか、成功しているか、
そういう観点で深堀し、研鑽すると、横展開活動は価値あるものになっていきます。
最後に補足をしておきますと、「具体的な情報が不要」ということではありません。
具体的な方がわかりやすいし、具体的な情報には「人を動かす力」があります。
それに加えて、「抽象的な意味合い」を扱えることが人の成長には欠かせないという話です。
いうならば、「具体と抽象」を往復できる幅がマネジメント力を左右しています。
日常のマネジメントの中で、
『分かりやすい事例を使いながら、その意味合いを教える』
ことができているでしょうか?
私の経験では、この幅が狭い人にマネジメントはできません。
役職が課長になったとしても、人に教えることはできませんし、
チームで情報を活かすこともできません。
かなり非効率な活動になっています。
少しでもこの幅を広げ(「問題解決」「横展開」の仕方をバージョンアップして)、
成果に繋げて頂きたいと思います。
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ペネトラ・コンサルティング株式会社
代表取締役 安澤武郎
公式サイト:http://penetra.jp/
お問合せ: info@penetra.jp
著書:『壁をうち破る方法』はこちら
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