職場に私的なことを持ち込んではいけないのか?
新人の育成に頭を悩ませているマネジャーが増えています。
「厳しくするとやめてしまう」
「仕事に対するモチベーションが低い」
という声をよく聞きます。
そのような新人をどのようにマネジメントをすれば良いのでしょうか?
「最近の若い奴は・・・」という言葉は
ギリシャ時代からあるようで
ジェネレーションギャップはいつの時代にも存在します。
そのギャップがどのようなものかを知り、
そこに適応できることが良い指導者の条件です。
一つのデータを見てみましょう。
これは日本生産性本部が新入社員を対象に実施した意識調査の結果です。
このグラフを見ると、2000年以降にトレンドが変わっていることに気がつきます。
「楽しい生活がしたい」「社会のために役立ちたい」が増え、
「自分の能力をためす生き方をしたい」が減っています。
多くのマネジャーは新人に
「自分のために仕事に打ち込んで欲しい」
「仕事を通じて成長し活躍して欲しい」
「ゆくゆくは企業を支える幹部として力を発揮できる立場を得て欲しい」
と願っていますが、そのような欲求が新人の中になくなってきているのです。
社会が変われば、人の価値観は変わり、
マネジメントのあり方も変わってきます。
「自分が育てられたように育ててもうまくいかない」
という状況になってきているのです。
では、どのようにマネジメントを変化させていけば良いでしょうか?
ここでは二つのアプローチがあります。
一つは「自分の能力をためす生き方をしたい」
という価値観が生まれるようにしていく方法と
もう一つは「楽しい生活がしたい」
「社会のために役立ちたい」を満たす方法です。
前者のアプローチだと、世の中の流れに逆らう方向なのでパワーが必要です。
実際に気を抜けば、すぐに大きなトレンドに流されてしまいます。
しかし、「楽しい生活がしたい」人たちだけで
「楽しい生活」ができる企業を作り上げることが 難しいという状況でもありますし、
前者のアプローチは考えるべきなのです。
「価値観の転換」は「おしつけ」ではできません。
もっとも効果的なのは、「上司(先輩)の背中」です。
松下幸之助があげた良い上司の3条件の一つも「背中」です。
仕事に打ち込む姿、
仕事に打ち込む理由、
仕事を通じて得られている社会的評価や仲間からの評価(尊敬)
仕事を通じて得られている家庭を含めた人生の充実
そういうことを背中で伝えることが新人の動機づけになります。
いくら仕事ができて業績を残せても
チームメンバーとの関係が悪ければ尊敬されません。
家庭を顧みず、奥さんとの関係が悪くてもダメかもしれません。
企業は本来「社会にある問題の解決」のために存在するものですし、
そういう企業の使命と自部署や自分の仕事を結びつけて「仕事の価値」を語り、
公私の充実を「背中で伝える」マネジメントが
いままで以上に重要になってきているということです。
新人のモチベーションが低いのは、
このようなマネジメントの水準が低いからかもしれません。
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ペネトラ・コンサルティング株式会社
代表取締役 安澤武郎
公式サイト:http://penetra.jp/
お問合せ: info@penetra.jp
著書:『壁をうち破る方法』はこちら
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