メルマガ第128回、2014.11.1発行、在留資格「文化活動」と「芸術」
在留資格「経営・管理」の許可基準の改正、起業は永住許可になってから?
メルマガ第237回
2025.10.18発行
<2002年(平成14年)10月創刊>
25度前後の日もありますが、都内はしのぎやすい日々が続いています。
すぐに冬にならないで、このまま続いてほしいと思っています。
インフルエンザが流行っているようですが、
うがいと手洗いを欠かさないようにしましょう。
今年も、時期に関係なく(古くても)、新聞・雑誌・書籍に掲載された、
外国人にまつわる内容で、興味深い記事を紹介・簡単なコメントや、
このメルマガは、平成14年(2002年)の10月から発行しているので、
過去と現在は、どのように違ってきているのか、の視点で書きたい、
とも考えています。
在留資格「経営・管理」の許可基準の改正、起業は永住許可になってから?
今年の参議院選挙から急速に、外国人の規制の話題が広がっています。
その影響かどうかわかりませんが、
在留資格「経営・管理」の許可基準の改正が、10月16日に施行されました。
中国の富裕層が、将来の移住目的で在留資格「経営・管理」だけを得ておく、
自分は住まないで、妻子だけ日本に住まわせる、子どもに日本の学校に通わせる、
あるいは、経営は他の人に任せて、自分自身は日本国内で自由に生活している、
または、途上国の外国人が別の仕事をするための手段になっている、
そして、このような人達を斡旋・仲介して商売のタネにしている業者がいる、
などが理由にあると思いますが、
いわゆる「社長ビザ」を得ることは、かなりハードルが高くなりました。
主な改正内容は下記のとおりです。
1 一人以上の常勤職員の雇用が必要。
対象者も決められていて、日本人、特別永住者、
下記の4つの在留資格のいずれかを得ている外国人
⇒「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」
2 事業主体が法人の場合、3,000万円以上の資本金や出資総額が必要
3 申請者または1の常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力が必要
N2認定、BJT400点以上、中長期滞在者として20年以上在留、
日本の大学などの高等教育機関を卒業、日本の義務教育修了+高校卒業
4 申請者が、
経営管理または申請に係る事業の業務に必要な技術または知識に係る
分野に関する博士、修士、専門職の学位を取得していることが必要。
または、事業の経営又は管理について3年以上の職歴が必要。
5 在留資格決定時において提出する事業計画については、
中小企業診断士、公認会計士、税理士の確認を義務付ける
6 その他
・業務委託を行う等をして経営者として活動実態が充分に認められない場合は、
在留資格「経営・管理」は認めない。
・自宅を事業と兼ねることは原則として認めない。
・在留期間中に、長期間、正当な理由なく出国していた場合は、
期間更新許可は認めない。
・在留期間更新時には公租公課の支払い義務の履行状況を確認する。
・許認可が必要な事業は、原則取得しておく。
などがあります。
実際は、施行してしばらくしないと情報の蓄積ができないので不明ですが、
「日本で起業するぞ」とフラっと日本に来て、いきなり起業することや、
最初から経営活動をするつもりはなく、在留を維持するための申請は、
話にならない、という感じですね。
スタートアップ企業が対象になると思うので、ビジネスの見通しにしろ、
人材にしろ、お金にしろ、用意周到に準備しないとダメそうです。
中国その他の富裕層なら資本金3,000万円は用意できそうですが、
自国の通貨の国外の持ち出しを制限する国もあるでしょうから、
現実はどうなるでしょうか。
また、3,000万円を調達するには、
事業会社やベンチャーキャピタルからの出資をお願いすることになるでしょうが、
出入国在留管理局より審査が厳しいかもしれません。
ただ一方で、日本で就労している外国人が、永住許可になれば、前述の要件は
なくなります(日本人や永住者などと結婚して身分系の在留資格を得る人も同じ。
在留資格は、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」)。
ですので、永住許可を得るのを待って、起業すれば良いと思います。
例えば、留学生の場合、
入社して4年目ぐらいに年間給与収入が400万円前後もらえそうな会社に就職できれば、
年間の基準給与収入(300万円+被扶養者一人につきの金額X人数⇒私の個人的な推測)や
公租公課の納付(会社が、税金・社会保険料を源泉徴収してくれる)の観点から
永住許可は得やすいので、それまでその会社での仕事を頑張ることが肝要です。
資金も貯めることができますし、日本のビジネス慣行がより理解できていますから、
それらをしてからでも遅くはないと思います。
後、施行前に在留資格「経営・管理」を得ている人の期間更新申請ですが、
令和10年10月16日までに許可要件を満たされたし、のようです。
ただし、その間も、無条件に更新許可ではなく、
経営状況や改正後の許可基準に適合する見込み等を踏まえて審査をするようです。
経営に関する専門家の評価を受けた文書を求めることもあるようです。
ここで心配なのは、見せかけの代表取締役・社長の交代や事業譲渡です。
例えば、
永住者に代表取締役を代わってもらう、
永住者が経営する会社に事業譲渡をする場合です。
そして、自身は、在留資格「技能」や「技術・人文知識・国際業務」
に変更申請して、事業は続行するケース。
個人的な考えでは、インド・ネパール人などが経営するレストランなどです。
在留資格の申請の審査で、実際に経営権や株式が移っていれば、
それに即した状況になるので資料も提出できます。
しかし、形式だけ、見せかけだけの場合ですが、
出入国在留管理局の審査担当は「あり得るだろう」と考え、
様々な書類を要求するでしょうから、ばれてしまうのではないかな、と思います。
まだ始まったばかりなので、しばらく続けることになると思いますが、
日本で真剣に起業を考えている外国人が諦めてしまう可能性もあるから、
見直しはあるのか?も含めて、今後の成り行きに注目です。
参考URL
在留資格「経営・管理」に係る上陸基準省令等の改正について
https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
このメルマガも、平成14年(2002年)の10月から発行していて、
何気に、24年目に入りましたので、今後も引き続きよろしくお願いします。
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