メルマガ第124回、2014.7.1発行、外国人材の活用って何?
外国人雇用実態調査を読んでみた
メルマガ第232回
2025.1.8発行
<2002年(平成14年)10月創刊>
2025.1.8のメルマガを加筆してアップしています。
尚、今年は、不定期の発行となります。
今年も、時期に関係なく(古くても)、新聞・雑誌・書籍に掲載された、
外国人にまつわる内容で、興味深い記事を紹介・簡単なコメントや、
このメルマガは、平成14年(2002年)の10月から発行しているので、
過去と現在は、どのように違ってきているのか、の視点で書きたい、
とも考えています。
外国人雇用実態調査が、厚生労働省から発表されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46975.html
今までも外国人に関する統計は発表されていますが、
今までにない項目も調査されているので、興味深いです。
内容は、下記のとおりです。
~外国人労働者に特化した、賃金や入職経路、入国費用等に関する初の調査~
「厚生労働省では、このほど「令和5年外国人雇用実態調査」
の結果を取りまとめましたので、公表します。
この調査は、外国人労働者を雇用する事業所における外国人労働者の雇用形態、
賃金等の雇用管理の状況及び当該事業所の外国人労働者の状況、
入職経路、前職に関する事項等についてその実態等を産業別、
在留資格別等に明らかにすることを目的として、今般初めて実施したものです。
本調査は、雇用保険被保険者5人以上で、
かつ、外国人労働者を1人以上雇用している全国の事業所及び当該事業所に雇用されている外国人常用労働者を対象にしており、
調査客体として抽出された9,450事業所のうち有効回答を得た3,534事業所及び11,629人について集計したものです。」
興味深いな、と思ったのが、
外国人労働者からの
・入職経路
・入国に要した費用
・入国に要した期間
・就労上のトラブル状況
・転職状況
事業所調査からの
・外国人労働者の雇用に関する課題
の調査です。
上記のことは、
今までもインタビューや聞き取りなどでマスコミ紙誌でも取り上げられていますが、
キチンとした統計で取り上げられたのは初めてなのではないかな、
と思います。
読んでみると「やっぱりそうか」とか「へぇー」と感じるものもありました。
・外国人労働者の雇用に関する課題で
「日本語能力等のためにコミュニケーションがとりにくい」
「在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑」
「在留資格によっては在留期間の上限がある」
が上位に挙がっていますが、日本語能力については本人の努力もありますが、
事業所側で日本語の修得について、日本語教室に通わせたり、
日本語のレベルが上がればお給料も上がるみたいな支援して、
学習のモチベーションを高める方法をとっている事業所もあるので、
参考にするためついでに問うてほしかった。
事務負担の軽減については、手前みそではありますが、
行政書士の依頼することも検討したほうがよいかもしれません。
在留期間の長さについては、
長く同じ職場で働いていれば3年間は得やすくなる傾向があるので、
働きやすくて、仕事のやりがいのある職場環境にすることが大事だと思います。
・就職や転職の経路は、友人や知人の紹介が多い
⇒日本国内にその国のコミュニティがある、ネットワークでの結びつきが強い、
友人や知人の情報が信用できる、と推測ができます。
意外に人材紹介会社からの紹介(約10%)が、求人広告(約20%)より少なかったですね。
存在を知られていないのか、
下記の「入国に要した費用が高い」という項目の調査結果から
”多額のお金を取られる”と思われているのかな、と推測します。
・入国に要した費用が高い
⇒在留資格に関係なく費用が掛かっていることがわかります。
20万円以上40万円未満(23%)
20万円未満(19.2%)
80万円以上100万円未満(14.3%)
になっています。
平均値や中央値も掲載してもらえるとわかりやすかったです。
在留資格別も公表されていますが、
この在留資格は、何でこんなにお金がかかっているの?もありました。
留学については、学費もあるので費用は高いだろうな、と予想はできます。
在留資格「技術・人文知識・国際業務」については、留学生の時を含んでいれば
費用は高くなるのかもしれませんが、このあたりはどのように問うたのだろう。
また、定住者(日本人の配偶者等と永住者の配偶者等もふくんでいると推測します)
は20万円以上40万円未満で45.8%ですが、何への費用なのだろうか?
航空券にしては高いように思いますが。
・今の会社の仕事をするうえで困ったことの「あり・なし」で、「なし」が80%強
⇒これは、意外だ、と言う意味の「へぇー」でした。
「なし」は半分ぐらいかな、と思っていました。
「あり」の場合でも、
「紹介会社(送り出し機関を含む)の費用が高かった」
「どこに相談すればよいかわからない」が上位で
「やっぱりそうか」でした。
「紹介会社(送り出し機関を含む)の費用が高かった」は、
在留資格「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「技能実習」とも順位が上位でした。
誤解されてしまう可能性もあるので、紹介会社(送り出し機関を含む)は、
「この部分にかかっているんだよね」とオープンにした方が良いのかな、と思います。
また、定住者は、「紹介会社(送り出し機関を含む)の費用が高かった」は0%なので、
上記の費用は何に対してお金を払ったのだろう?と改めて思いました。
「どこに相談すればよいかわからない」は、役所、士業者、NPOなどの支援団体も
“相談にのります”というPRはしているけれど、外国人が入国して間もないと言葉が通じない、存在を知る機会すらない、があると思います。
日本国内のその国のコミュニティで解決してしまう、のは良いよう思いますが、
自分たちでルールを作ってしまう可能性があるので、その面では良くない感じがします。
注
統計では在留資格区分で「身分に基づくもの」として
永住者
定住者
と分けています。
定住者には日本人の配偶者等と永住者の配偶者等が含んでいるとの記載はありません
が、含んでいるのではないか?と推測しています。
最後まで読んていただきどうもありがとうございました。
このメルマガも、平成14年(2002年)の10月から発行していて、
何気に、20年目に入りましたので、今後も引き続きよろしくお願いします。
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