起業・独立後の人間関係について

寺田淳

寺田淳

テーマ:起業・独立


【はじめに】

 以前、起業後に接近してくるビジネス関係者や
怪しさ満点の各種の勧誘メールやセミナー案内について
注意を促すコラムを紹介しました。

 今回はさらに対応に慎重さが求められる
身近な友人知人と、突然接近してくる人物との
距離感について私見を紹介したいと思います。

【善意からの迷惑】

 親友が見事独立・開業を果たした。
友人として彼のビジネスの成功に少しでも貢献したい。

 この気持ちは非常に尊いものですし、損得抜きで
友人の成功に協力することは決して悪い事じゃありません。

 ですが、一つ歯車が狂った協力となっていた場合、
最悪な時はこれまでの関係が修復困難な状態にもなり兼ねません。

 私が耳にしたのは今一つ軌道に乗り切れない友人の現状を見て
その道の先輩や知名度だけはあるコンサルに勝手に声がけし
起業した友人に紹介してしまったケースです。

 親友からの紹介ともなれば、無下に断ることもなかなか出来ません。
業界の先輩やコンサルにしても自分から営業をかけた訳でもなく
依頼されたので応援に来たという感覚ですから申し出を断る場合も
相当な気遣いが求められます。

 結果として、その対処にかける時間やストレスで
却って経営問題にかけるべき時間と労力が割かれるのです。

 同様に飲食の場合ですといろいろ新メニューの提案をしたり
店内のレイアウトや装飾にアドバイスという名のおせっかいを
焼いてくる「悪気はない」友人にも要注意です。
なぜなら、彼らは口を出すだけで責任感はありません、
ましてやその為に発生する諸費用を支援すること等ありません。

 こういうタイプは次第に
「これだけ親身になってアドバイスしたのに」
「友人だからここまで考えてあげているのに」
と、自分は正しい、聞く耳持たないわからずやは貴方
と思うようになるのです。

 スタート時点では協力者だったはずが
最後は半分喧嘩別れでは何とも哀しい結末ではないでしょうか?

【打算からの接近】

 卒業以来、退職以来音信が途絶えて久しかった友人から
唐突に連絡が入り面会を求めてくる。

 多くの場合、どこからか貴方が起業・独立し
一定の成果を挙げた頃=認知度が高まってきたことを
耳にしてのことです。

 本当に心から旧交を温めたいというケースなら
何も問題はないのですが、残念ながらそうでないケースもあります。

 最低なのは、カネの無心や連帯保証人の依頼です。

 私のように極めてドライな性分ならばその場で断れるのですが
何故か私に相談に来られた起業志望で、後に起業・独立を果たした方の多くは
いい意味で人が良く、頼まれるといやと言えないタイプでした。

 他にも業務提携を持ち掛けてきたり、アドバイザーとして関与させて欲しい
など等、自分の利益のために利用しようといった目的の者がいます。

 実のところ私のところにも開業後3,4年目辺りから
この手の輩が出没し始めました。

 特徴としては再会を非常に喜びます(そんな親密な関係でなかったのに)
再会を奇跡というような表現でやたらこちらの現状を探りたがるのです。

 そして自分の携わっている業務といかに親和性があるかを語り始め
協力一致して共にビジネスの拡大と成功を手に入れようと説得に入ります。

 自分だけの都合で、自分の利益のために接近する。
まさかあの人が? そんな人ではなかったのに?

 残念ながら月日は人を変えます、いい方にも悪い方にも。

【終わりに】

 どうにも人間不信に陥りそうな話題を採り上げてしまいましたが
実際のところ、私もこの手の経験を経て今に至ってます。

 私の経験では下心の無い友人とのやりとりは
非常に淡々としたものでした。損得の絡まない
昔話に終始したものでした。

 逆に何か腹に抱え込んでいるタイプは
不自然に親密さをアピールしてきました。
婉曲に昔世話をしたといった恩着せがましい事を口にしました。
 
 中には、まさか(現役時代の目標だった)この人が
こんな見え透いた魂胆で近づいてくるとは…
といった哀しくなるような再会もありました。

 残念ながら5年、10年の歳月は
個々の人生を変えるには十分すぎる時間です。
 
 旧交を温めることは言うまでも無く大切なことですが
その中で人間観察をすることも起業・独立といった
全てが自己責任の世界に生きることを決めた方には
必要不可欠な要素だと私は思っています。

 どういった付き合い方がベストなのかは人によって異なりますが
後悔の無い、恨みを抱かないような距離感を身に付けて
新たな仕事に邁進して欲しいものです。
 

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寺田淳
専門家

寺田淳(行政書士)

寺田淳行政書士事務所

 起業・独立や転職、再就職を考えるシニア世代に対して、現時点での再就職市場の動向や起業する際の最低限の心構えを始め、私自身が体験した早期退職から資格起業に至るまでの経験やノウハウを紹介します。

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