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寺田淳プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

続)きっかけは誰の前にもありますが ~私の場合

寺田淳

寺田淳

テーマ:起業・独立

 

【はじめに】

 第二の仕事、サイドビジネス、週末起業…
今やサラリーマンでも会社公認で副業が可能になってきました。

 中には当初の考えには入っていなかった仕事が
今や本業となってしまったというケースも少なくありません。

 あれだけ綿密に事前に検討していた事業計画がままならず、
却って暇つぶし?程度のつもりで始めた業務や、
自分には不向きと思い込んでいた仕事が高い評価を得てしまった?

 実際、私自身が
今のような業務をメインにするつもりは全く想定していませんでした。

 今日は、私が今の仕事をメインの業務に出来た理由について
なるべく客観的に紹介したいと思います。

※この内容は起業後に一度同様の内容に記事で紹介していますが、
 最近になって一周回って初めてこのコラムを目にした方々から
 私の起業のきっかけや経緯についての問い合わせが増えてきたため、
 再録のような内容での投稿となりました。

 以前の記事をご覧になっている方々にはこの点ご了承願いたくお願いします。

【会社員時代の私】

 まだ20代後半、バリバリのセールスマンの時には
自身の売り上げ予算達成はもちろんですが、販売代理店の営業力強化も
同じかそれ以上の主要業務として課せられてきました。

 私が扱っていた当時のカーAV機器は
まさに日進月歩の世界でした。

 カタログやマニュアルには聞いたことのない横文字の羅列で、
いかに高性能か、抜きんでたスペックであるかを各社が競い合っていました。

 ただでさえ取り扱う商品が多岐にわたっている販売代理店から見れば
黙っても注文が入るような製品を提供してくれればそれでよし、
というのが本音でしたが、現実はそうもいきません。

 毎月のように新製品勉強会や販売キャンペーン企画の打ち合わせで
双方疲弊していました。

 そんな時に私は、カタログのセールスポイントを丸暗記ではなく
この機能はどういった客層に響くのかなと、勝手に売り込む相手を想定し
客が興味を引くであろう機能だけをピックアップしていきました。

 販売代理店のセールスにも「こういう客層の多い店ならここだけを店のスタッフに
徹底的に叩き込んで下さい。」といった個別アプローチを勧めました。

 こう書くと、いかにも目の付け所に秀でていたという自慢に見えますが、
実際は私自身がカタログに記載されたすべての内容を理解出来ないので
「この点は言うべき内容だろう」「このフレーズが気に入ったから使おう。」
等など、全くの主観でのオリジナルストーリーを組み立てただけでした。

 正直な話、「勝てば官軍」そのものでした。

 これとは別に、いささか自信があったのが、
「自分の都合で巡店の順番や訪問時間を決めてはいけない。」という点でした。

 まず先に相手が話を聞ける比較的暇な時間帯を調べて、
それを最優先として訪問のスケジュールを組めば、
相手が忙しい中の中途半端な細切れの商談を何度も繰り返すのではなく
時間の余裕があることで一か所一回の商談で完結出来たのです。

 その結果、巡店の頻度は減りましたが、
商談の成約率は高まり、先方からも好評を博したのです。

 まさに言うは易し行うは難しそのものでしたが、
この当たり前の行動をあえて徹底してもらいました。

 今思えば、当時の巡店は「商談で数字を勝ち取る」為の訪問が
いつの間にか「訪問することが目的」の訪問にすり替わってました。

 「私は一日、一週間の間にこれだけ回ってます。
それなのに結果が出ないのは、製品力がないからです。」
こういった逃げ口上の余地を無くすことで、実のある営業に切り替わったのです。

 この点だけは、営業時代の秘かな自己満足の一つとなってます。

【退職後の転機】

 前項で紹介した行動は自分が楽をしたいがための苦肉の策?でした。
ですが、相手側の上層部にはそうは映らなかったようでした。

 その後その他の代理手にも話が広まったようで、
各地の代理店で営業力強化、新人営業マン向けの研修会等を始めることになり、
自然に会社内でもその仕事がメインになっていきました。

 この想定外の業務が私にとって最大限に実を結んだのは、
会社を早期退職後、起業・開業してからでした。

 起業・開業してまだ日の浅いある日、
当時の販売代理店の責任者だった方から突然連絡が入りました。
現在顧問として就任している別の会社の営業力強化の依頼でした。

 業界内ではまだ若い会社で、製品力には自信があるものの、
営業マンに経験者が少なく、加えて指導出来る人材もいないというものでした。

 行政書士という資格で起業はしたものの、
「シニアなのに新参者」には本業での仕事が来るはずもなく
方向性に自信を失いかけていた時でしたので、
二つ返事で承りました。

 もともと人前で話すことは得意でしたし、好きな仕事でした。
想定した業務のコース外の仕事でしたがすんなりと始められました。

 その結果、思いがけないことに
その後約2年にわたって本社や支店で研修会や勉強会を実施しました。

 全くの偶然によって始まった仕事でしたが、
逆に世の中にはこういった仕事が存在することに気付けました。

 繰り返しになりますが、
自分にとっては得意で、好きで、やってみたい仕事でした。

 今思えば、決して満足のいく出来とは言えませんが、
概ね先方からは好評を博し(お世辞、外交辞令だったかもですが)
積極的な告知や「営業活動」をしたこともあって、
いつの間にか、こちらが主体となった業務体系でここまで来てしまいました。

【終わりに】

 自分では気づかなかったニーズを相手から教えてもらい、
さらにそこから想定外の分野での仕事へと繋がったのです。

 何とか、道端でみつけたご縁を手にしたことで、ここに至ることとなりました。

 営業マン時代に、従来通りのセールス活動をしていたら?
 残業ばかりが増える時間外の勉強会を避けていれば?


 今の私は、どこで何をして暮らしているのでしょうか?

 以上、参考にもならないような些末な経験談でしたが、
自分では気付けない特技、ノウハウ、経験値は必ず誰にもあるはずです。

 起業や独立、または転職等の問題に悩む貴方にとって
何かのきっかけになれば幸いです。 

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寺田淳
専門家

寺田淳(行政書士)

寺田淳行政書士事務所

 起業・独立や転職、再就職を考えるシニア世代に対して、現時点での再就職市場の動向や起業する際の最低限の心構えを始め、私自身が体験した早期退職から資格起業に至るまでの経験やノウハウを紹介します。

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