18才からは新成人ということ
【はじめに】
最近ではサラリーマンが副業をすることが当たり前となりつつありますね。
多くの業界誌や週刊誌でも採り上げられており、退職後の仕事の
試運転といった意味合いでも関心を集めているようです。
今日は、この副業について考えてみたいと思います。
【まずは本業との兼ね合いを確認すること】
今では上場企業と言った大企業であっても副業を認めているケースは
珍しいものではなくなってきました。
とはいえ、副業OKの場合でも、事前の「届け出制」「許可制」
という規定があるケースもあります。
この手の社内規定を確認しないまま安易な気持ちで、
または独断で副業を始めた場合、後になって問題化するリスクが出てきます。
基礎中の基礎の話ですが、まず就業規則をよく確認すること、
記載がない場合でも、必ず会社の当該部門に副業の可否を確認する。
特に管理職に就いているような人物が
このような初歩的な注意を怠った場合、
本業での信用にも少なくない影響が出ると自覚して下さい。
仮に副業OKを確認したとしても
当然のことながら、法に抵触しない副業であることを確認しましょう。
その次には、以下のような問題が生じないかを確認しましょう。
- 副業をすることで本業の業務に支障が生じる
- 本業と競合する副業である
- 会社の責任が問われる、信用を損なうような副業である
説明する必要もないと思いますが、
今考えている副業の内容が上記のケースに該当するならば、
最初からその副業に関しては断念すべきです。
具体的にどんな副業が?
ネットビジネスを含めれば、多種多彩なビジネスが存在します。
全てを紹介する紙面はないので、代表的な事例(多くの方がチャレンジ可能な)
についてのみ紹介したいと思います。
1)定番の副業
会社が休みの土日だけ営業するキッチンカーや
飲食を始めとして趣味品の販売等の実店舗の運営。
うまく市場のニーズに嵌れば一気に高収入も夢ではありません。
ですが、初期投資は高額になり、取り扱うサービスが外れだった場合は
相当なダメージを負うことになるリスクがあります。
もっと基本中の基本、定番と言えばアルバイト系の副業があります。
- 飲食のデリバリー(要は飲食の出前)
- 新聞配達やチラシのポスティング
- 家事代行サービス
といった老舗の仕事も、定番(の副業)と言えるでしょう。
2)モノ作りの副業
これも定番ともいえますが、ハンドメイド商品の販売や
自前の農地で栽培した農作物の販売、カブトムシの養殖など、
主に休日に開催されるフリマでの売買が該当します。
ネット販売も可能なものもあり、うまくニーズが合致すれば
思わぬ高収入となることも?
但し、製品化・商品化迄の手間や時間、費用等が発生する為
それなりの初期投資の費用が必要です、さらに想定以上の時間を割くことで
最悪な場合本業が疎かになるというケースもあるので注意が必要です。
最近ではネット上でlineスタンプや自作のイラストや
キャラクターの画像データ等を有料販売するケースも目立っており、
これもモノ作りの一環として考えられます。
この場合は費用に加えてデザインの良し悪しやオリジナル性が
特に結果を左右しますので柔軟な発想と創造力が求められます。
さらに注意すべきは、
既に出回っている作品を真似てしまった場合や
故意ではなくとも権利の侵害を犯してしまうケースがあるので
この点に関しては特に細心の注意が必要です。
3)ITスキルを活かした副業
この手の副業は多岐にわたるので代表例に留めます。
動画編集作業やWebデザイナー、個人向けのキャラクター作成等
インスタやtiktok全盛の今では引く手あまたと言われています。
同じようにWebライターや翻訳等も時間の制約が比較的少ないので
空き時間を活かしての副業には向いているようです。
但し、
当然ながらこの手のスキルは最低でも一般以上のものを有していることや
その作業に欠かせない高性能のパソコンが必要になる為
知識と初期投資に回せる資金があることが大前提となります。
これもデザインやキャラクターに対する嗜好性は個人個人でバラバラです。
うまく満足のいく作品を提供し続けられれば、大きなアドバンテージになります。
ここでもあまりに製作時間をかけすぎて本業の仕事に影響するようでは
本末転倒です。
4)教えることが副業
アドバイスやコーチングを副業にするケースです。
何度もこの場で書いてきましたが、私の場合がまさにこれに該当します。
行政書士業務とは無縁なサラリーマン時代の営業経験や独自の営業スタイル、
差別化出来たスキルやセールストーク等が業界を跨いで活用出来たのです。
アドバイザー、コンサル、コーチング、
呼称は様々ですが、自分の経験が「商品」ですから初期投資の必要もなく、
改めて勉強し知識を習得する手間もかかりません。
実際、最近発行された日経トレンディ4月号では
様々な業種や職種でアドバイスのニーズがあるものの調査で
2022年で人気だったものの第二位は「営業」第三位が「マーケティング」でした。
同様の調査でニーズが急上昇したものとして
10位にそのものズバリの「副業」がランク入りしてました。
自分の経験値を副業に
4)で紹介した副業は、経験を積んだシニア世代にこそ強みがあるものです。
自分では無価値と思い込んできた職歴や業務履歴であっても、
その中で培ってきた独自のスキルやノウハウ等、客観的に棚卸をすることで
自分にしかない特技、強味が見えてくるはずです。
そうして見出せた強みは、どんな場合に価値を生み出すのかを考えます。
ニーズがあり、自分が提供出来る経験が通用すると判断出来たら、
その旨を一気に広範に告知していくのです。
仕事以外でも
長年続けている趣味の世界でも同様に棚卸をしてみましょう。
意外に自分のコレクションはマニア界の中でも頭抜けた希少価値があった。
昭和・平成・令和を貫いてきた趣味が令和の若者のトレンドにマッチしていた。
個人的には単なる趣味の話としか思っていないものであっても
ネットや趣味のサイトを通じて紹介することで想定外の注目を浴びて、
ビジネスのきっかけ(○○評論家、講師等)にまでなることは少なくはないのです。
告知はどうやって?
先にも書きましたが、自分では当たり前と思い込んでいるものが
実は第三者から見れば未体験の話であり、必要とされる情報なのかもしれないのです。
なぜかこんなことで他人から褒められた?
まさかこんな高い評価を受けると思わなかった?
こういった経験は大なり小なり誰にもあったのではないでしょうか?
これが自分では意識していない自分の強み、差別化出来る特徴です。
恥ずかしがらずに、これも洗い出しをしましょう。
こういったセールスポイントを端的に、かつシンプルにまとめ、
印象に残るようなワンワード(決め文句)までを完成させたら
次はそれをどこで展開するかです。
昔はそれこそ電話帳に広告掲載、ポスティングのチラシ、
最近では自身のHPやブログ内での宣伝が盛んです。
ですが、最も手っ取り早いのは、社内の知り合いから得意先の担当者、
あるいは友人知人、サークルの仲間、学生時代の仲間等々、
自分というものを既に知っている人間関係を第一に考えるべきです。
実にアナログですが、
副業開始の挨拶状、名刺の配布や最後は電話やメールでの直接営業です。
自分は今こういうことを始めた(始める)ので
ここに該当するような場合、または該当するような知人がいたら是非一報を。
これだけでいいと思います。
実際私が副業ではなく独立した際は、
上記の人脈に加え行きつけの店にも名刺を配り、
目をつけていた顧客候補には直接訪問で印象付けてきました。
相談者第一号は言うまでもなく、この中から誕生しましたし
その後は彼らからの口コミで相談依頼に来た面識のない方々が続いたのです。
最近は一般ユーザーとの仲介をするサイトも続々と登場しており(ビザスクやココナラ等)
扱う副業によってはこういったサービスの利用も考えるべきでしょう。
教えることを仕事にする場合、事務所を構える必要はほぼないと言えますし
自宅にいながら好きな時間帯に「開業」することも可能です。
資格起業の多くは、専用の事務所やオフィスを構えるといった規約がありますが、
在宅でアドバイザーやコンサルをする分には自由裁量で可能です。
最低限のパソコンやコピー機は用意しなくてはいけないでしょうが、
既に自前のものがあればこれもあえて新規購入することもありません。
私が自分の棚卸を最初に勧める理由は、
まさにこう言った点がスタート時の負担軽減になることであり、
差別化が容易な点でもあることからです。
終わりに
最後はおカネに関係する話です。
サラリーマンの多くは自身で確定申告をするケースは
多くはないでしょう。
ですが、
副業による収入金額によっては確定申告が必要になります。
確定申告の記載項目には
事業所得、雑所得、雑収入といった項目があります。
副業の収入如何によっては別途確定申告が必要になります。
私のように本業が士業という「自営業」の場合でも
副業収入が一定の規定を満たすことになれば
本業とは別に確定申告をしなくてはいけません。
※幸か不幸か、まだそのレベルの副業は手にしていませんが…
つい副業だからと、記帳や帳簿管理がいい加減では
後から税務署等に指摘された際に十分な反証も出来ません。
売上管理だけでなく、税金対策や確定申告への備えも
副業を始める際には想定しておかなくてはいけません。
他にもこの10月から始まる「インボイス制度」
にも要注意です。
詳細はいずれ別稿で紹介する予定ですが、
場合によっては個人事業者にも深く関係してくるので、
今後はこの制度に対しても事前学習が欠かせません。