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ひとり暮らしの高齢者の為に

寺田淳

寺田淳

テーマ:50歳からの人生


【はじめに】

 よく言われることに
「男やもめ」は一気に生活が荒れる、孤立しがちで引き籠り、
最後は孤独死に一直線と言った悲惨な例えが目立っていました。

 特に仕事一筋で過ごしてきたような典型的な会社人間の場合、
熟年離婚や死別などによって、いきなり一人暮らしを余儀なくされた場合に
ガスの点火すらできない、なので料理も風呂もお手上げ!
といったことで今までの日常生活自体が一気に崩壊するリスクが生じます。

 最近は非婚で過ごした方や単身赴任経験者が増えたせいか、
自分で料理も掃除洗濯もお手の物というタイプも珍しくはなくなりましたが、
そういったタイプの方でも社会との接点をいろいろな事情で喪失した場合には
別の意味でのリスクと向かい合うことになるのです。

 ひとり暮らしには避けて通れない「安否確認」をどうするか?

 衣食住は何とか対処できる方でも
この問題には新たな備えを考えなくてはいけません。

 今日はこの点について紹介したいと思います。

【安心な暮らしの為に】

 まず考えるものとしては「見守りサービス」があります。
通常は、現在は実家でひとり暮らしの親がいるものの、
仕事の都合上や遠隔地に居住している為になかなか様子見に
行けないという悩みを持つ子供が利用するパターンでした。

 おひとり様シニアも立ち位置は同じですね。
各地域にある「地域包括支援センター」にまずは相談です。
サービスの対象となれば、訪問員が定期的に訪問してくれます。
これで安否確認が図れることになります。

 有料サービスになりますが、
民間の会社でも同様のービスを提供していますので、
まずは自分の暮らす地域での情報の入集をお薦めします。

 特に、今は体力や健康に何も支障がないし問題なし、
というシニア程、健康体のうちにこの手の情報は収集すべきです。

 見守りに限らず、病気を患っている方の方が事前の備えには
積極的で、今まで何の問題もなく過ごしてきた方ほど、何の準備もぜず、
その結果、自宅で一人の時に斃れ、そのまま発見が遅れて・・・
というケースが少なくありません。

【配食サービス】

 先に書きましたが、料理が趣味というシニアは増えてきました。
ですがまだまだ「男児厨房に入らず」と言った方も少なくありません。
60代からの手習いを否定する気はありませんが、火を使うことを考えると
気になるのも事実です。

 また自炊が出来る場合でも、「好きなものしか作らない」ケースも
考えもので、偏食を加速させるリスクを内包しています。

 この場合も、まずは「地域包括支援センター」へ相談しましょう。
地域によって差異があるようなので事前の確認が必要ですが、
これもサービス対象となれば、配達員が自宅へ届けてくれます。
概ね一食当たり500円前後で、これも地域によって異なるようです。

 日々の配達ですからこれもひとつの「安否確認」となりますし、
なによりバランスの取れた食事を摂ることにも繋がります。

【宅配サービス】

 次に、食事は自炊が出来るので問題ありません、
栄養バランスを考えた料理もお手の物です、といった方でも
足腰に衰えが出てしまうと、日々の買い物そのものが苦行になります。
衰え以外でも不意の事故や病気によって一定期間の外出困難といったケースも
大いに考えられます。

 材料さえあれば食事作りは問題ないのだが、と言った場合には
「生協の宅配サービス」を利用することで買い物に行く手間が省けます。

 これも当然ながら、対面でのサービスとなるので安否確認に繋がります。

 見守りも配食も宅配も、安否確認に加えて対面での会話が発生します。
単なる世間話だけでも社会との接点を確保することになりますし、
関心を持った話題について自身で調べるといった行動にも繋がります。

 今の60代であれば、携帯はほぼ100%所有してますし、
メールやSNSも使いこなせる方がかなり多くはなっていると思います。

 ですが、対面でのやりとりが全く不要になる訳ではないと思います。
あくまでも私見ですが、人との接触で受ける刺激はシニアになればなるほど
不可欠な要素ではないでしょうか?

【緊急通報装置を設置】

 見守り契約を結び、配食サービスを開始していても
タイミングが合わなければ何かあったときに手遅れになります。

 絶対の安心策とは言い難いですが、万が一の緊急連絡として
ペンダント型の発信機の携行や、有料サービスにはなりますが
トイレのドアの開け閉めに反応するセンサーの取り付けがあります。
(冷蔵庫のドアの開閉や湯沸かし器の稼働の有無等もあるようです)

 電話もメールも出来ない、
身動きがとれないといったような緊急事態の際には
この手のサービスは最終手段としてかなり有効です。

【GPS貸出サービス】

 これも多くは高齢のひとり暮らしの老親向けのサービスでした。
ですが、今では50代でも若年性認知症が発症する時代です。
60代ともなれば、自分自身の問題として捉えても早過ぎということはありません。

 仮に認知症の兆候が出てきた場合等、
徘徊や迷子のリスクへの備えとして利用することは検討に値するでしょう。
概ね利用代は月額1,000円前後ですが、これも地元での確認が必要です。

【介護】

 最後に、この他のサービスとして
「地域包括支援センター」では介護相談や要支援認定も行います。
地域で使える介護サービスや、連絡先や申し込み方法を教えてもらえます。

 まだまだ先の事と考えるのも尤もですが、
おひとり様の備えとして、事前に情報を入手しておくことは大切です。

 ちなみに要支援認定を取ることで、
介護予防のための訪問リハビリや訪問看護を利用出来るようになります。

 これも今は心身健全という場合であっても
事故や急病でいつ介護支援が必要になるかは全く予想がつきません。

 転ばぬ先の杖と言った考えで、この手の情報の収集と整理だけは
少なくともおひとり様はすぐにでも手を付けるべきと思います。

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寺田淳
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寺田淳(行政書士)

寺田淳行政書士事務所

 起業・独立や転職、再就職を考えるシニア世代に対して、現時点での再就職市場の動向や起業する際の最低限の心構えを始め、私自身が体験した早期退職から資格起業に至るまでの経験やノウハウを紹介します。

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