副業について
【今日のポイント】
昨日の3月14日に「e-Tax」~電子申告・納税システムに
大規模な接続障害が発生、14日21時現在でも障害は解消されていない。
今朝の新聞朝刊でご覧になった方も多いかと思います。
一見便利で省時間・省力化の切り札とも言える新システムも
ひとたびトラブルに見舞われると意外な脆弱性を露呈します。
今日はこの記事から思い出した「デジタル機器導入時の失敗例」
について紹介したいと思います。
【システム障害とその対応】
私はこの手のシステムに関してはまさにど素人ですので、
勝手な解釈というか想像での話になりますのでご容赦下さい。
このニュースをネットで知った時、
最初の印象は締め切り前日を狙った「サイバーテロ」
「不正アクセスによるシステム障害」といった厄介な事態でした。
ですが新聞によると
外部からの不正アクセス等ではないとありました。
となれば、同時に想定を超える申告(アクセス)が短時間に集中したことが
原因なのでしょうか?
ですがこれも新聞記事には
「14日のアクセス数は例年並み、特に過剰に集中した形跡もない」とありました。
ますます理解不能です。
皮肉なことに3年に及ぶコロナ禍の下、
税務署への直接訪問による提出は無用な人の集中を招くとして
混雑緩和というよりも混雑回避の為と繰り返し電子申告を推奨してきました。
今回からはスマホからでも申告が可能と、
電子申告の拡充に向けて新たなサービスも開始した矢先の話です。
国税庁からのアナウンス(以下抜粋)では、
時間を空けてからのサイドの申告をお願いし、
障害解消後に改めてお知らせを掲載とあります。
同時にこの時期は「24時間受け付け対応可能」なので
再申告には時間に余裕があるともありました。
要は、
税務署が開庁している日中の時間帯を避けて
夜から深夜にかけての申告を推奨しているのでしょう。
ですが自営業、特に飲食や物販業の場合は
その時間帯が「通常の営業時間」であり、業務繁多の時間帯ですから、
実際に利用可能な割合はどうなのでしょうか?
夜間に時間が取れるのは
どちらかと言えばサラリーマンです。
さらに大半のサラリーマンは会社が手続きを代行していますから
24時間対応のメリットにはなりにくいと思われます。
会社の経理部も日中の勤務時間内に片付けますから
ここでも効果は小さいものと思うのですが、どうでしょうか?
さらに注意しなくてはいけないことはヒューマンエラーです。
明確に接続が出来ないのであれば
その場で異常に気付くことは可能です。
ですが、送信状態にはなるものの、処理時間が長引いたり、
最終的に送信エラーとなった時も発生しているようです。
この時にその結果を待たずにパソコンを閉じるような
「せっかちな人」「思い込みの激しい人」の存在です。
当人は「送ったつもり」「申告終了」と思い込んでいたら、
何か月か後に想定外の通知を受け取る羽目になり兼ねません!
実は、
このような機器のトラブルや仕様によって生じた失敗例は
過去にも発生していたのです。
【FAX・コピー・電子メール】
今では(多分)小学生でも使いこなせるようなデジタル機器の中でも
基礎中の基礎のアイテムもその導入期には笑い話のような失敗例がありました。
FAXの場合は、
先に紹介したせっかちなタイプの方がやらかした「失敗例」があります。
各営業所宛てに明日の会議に必要な資料を複数枚送信することになり、
宛先をセットし「送信」をプッシュして無事送信開始となったのですが、
その状態を見て、送信終了を待たずに帰宅したのです…
翌朝出社したところ資料は半分しか送信されておらず、
途中で紙詰まりを起こしてエラーとなっていたのです!
気の毒なことに上司からは叱責され、得意先や営業所メンバーからは
無責任のレッテルを長く貼られたそうです。
同様のミスに、
当時はメーカーによって「送信面をオモテ」「送信面をウラ」と
操作方法に違いがあったのです(今はどうでしょうか?)
もうお判りでしょうが、いつもの癖で送信したところ、
そこに設置されていた機器の仕様は異なっており、
「白紙が何枚も送られてきた!」という結果を招きました。
コピーの場合は、
普及機から発展型に切り替えた際に
新たな機能として追加された「両面コピー」を使いこなせず
片面コピーのままコピー用紙を「2倍増し」で使い続けたケースや
白黒の文字だけの文章のコピーを「カラー印刷」していたり、
ソート機能が付いているのにいちいち一部筒づつコピーして
人力で仕分けして何十枚のもの資料を完成させたりと
どちらかと言えば、「使いこなせない」ことによる失敗が目立ちました。
電子メールの場合は、
今でもたまに聞きますが、個人あてに送ったはずが一斉送信していたとか
送信結果を確認せずにその場を離れ、その後送信エラーだったことに気付いた
といった「確認不十分」による失敗例が目立ちました。
中には稀ですが、
送信は完了したものの、受信しないというエラーもありました。
その後もどちらに原因があったかすら、わからないままでした。
おもしろいことに、
ここに挙げたような失敗をしでかしたのが、
実は新入社員や初めて操作を任された初心者クラスではなく、
「中途半端に慣れてきた中堅社員や管理職」に集中していた点でした。
哀しいことに、
同じ世代の中でこのような「最新のビジネスツール」を使いこなせなかった、
あえて習熟を拒否し部下に全面的に委任(依存?)していた方は、
その後多くは早期退職を余儀なくされたり、
再就職にも芳しい結果を得られなかったりといった結果を招いていました。
【シニア世代こそデジタル環境に習熟を】
冒頭の話題に戻りますが、
私の場合、それまでの税務署への書類持参での確定申告から、
初めて電子申告での申告を行ったときは「次の画面に進む」
を容易にクリック出来ず、何度もたった今記入した内容を確認し、
ほぼほぼ3日がかりで完成させ、送信に至りました。
ですが今度は先方が受信したかが不安になり、
翌日にわざわざ電話で税務署に確認の電話をしています。
それが今では
経費や控除額等のデータ整理の時間を別にすれば
半日あれば送信まで完了という「定型業務」になってます。
だからこそ、「今まで通り」「いつもの流れ」といった
慣れ~思い込みが生じているのも事実です。
効率は間違いなく向上していますが、
却って初歩的な見落としや思い込みからの誤操作のリスクは
高まっているのではと、その都度意識するようにはしていますが、
どこまで徹底出来ているやら、あまり自信はありません。
なので今回も都合3回ほど確定申告相談コーナに電話して
内容の確認や経費項目の解釈などを問い質しています。
幸いなことに、「今までは」後日指摘を受けたという
事態には遭遇していません、「聞くは一時の何とやら」
という格言は正しい教えと思っています。
経験を重ねることは大切ですが、
好奇心や注意力を散漫にするリスクも内包しています。
中途半端な経験や慣れは、
却って重大な事故を生じる遠因になる。
このことは嫌というほど見聞きしていることと思います。
今回の電子申告のトラブルも
システム運営の慣れから来る「何か」が
引き金となって生じたのでは思ってしまいました。
さて、ここまでは「他人事の戒め」でしたが、
ここからは貴方自身への問いかけとなります。
現在60代前後の方であれば
ここに紹介したようなデジタル機器にはそれなりにお世話になってきた
と思いますが、自信を持って一人で操作出来ると断言できますか?
今やどんな業種、職場でもメール操作は当たり前ですし
パソコン操作やExcel、Wordは出来て当然といった時代です。
さらに言えば、Facebookやlineを使ってのやりとりも
同じシニア世代の中でも二極分化しています。
仮に、転職や再就職を目指す方には
最近はネット上での情報収集が当たり前で
ハローワークにしても店頭での公開情報は
ほぼネット上で収集可能です。
却ってネット上にあるサイトの方が
自分が欲している情報をピンポイントで収集出来ます。
わざわざ出かける手間も時間も不要になりますし、
人によってはハローワークへの出入りを第三者(特に会社の同僚等)
に知られたくないという事情の方もいます。
再就職の際のスキル以前に、
再就職の為の情報収集の時点でデジタル機器の
操作の習熟度は大きな差となります。
「体力は30代にひけを取りません」
「現場の第一線で活躍したい」
この様な体力、情熱、経験値からのアピールの前に、
「メール、Excel、Word、パソコン操作は30代に負けません。」
「スマホの全機能を使いこなせます!」
という令和のアピールが出来る事、
シニア世代こそ、この点を避けては通れなくなったのです。