一棟物件と区分マンションの違い
本日テーマは、【投資用ワンルームマンションの東京以外の事情について】についてです。
今回は、東京と東京以外のマンション経営について書きすすめて参ります。
東京都の投資用ワンルームマンション経営事情
東京地域で投資用ワンルームマンション経営を行っているオーナー様はたくさんいらっしゃいます。
その理由は、次のような投資用ワンルームマンションに有利な環境が揃っていることにあります。
●単身世帯が増加傾向にある
●物件価格がファミリータイプと比較して安く、メンテナンス費用も割安で収益を上げやすい
●ファミリータイプよりも空室リスクが低い
●低金利が続いているためローンを組みやすい
●地価が上昇している、今後も上昇が見込まれている
●ワンルームマンション建築規制のために、新築ワンルームマンションが建設しづらい状況にある
特にワンルームマンションを必要とする単身世帯数の増減は、投資用ワンルームマンション経営に大きな影響を与えます。
昔から東京地域に難関大学や優良企業の本社が集中していること、2020年の東京オリンピック開催も重なって、今後も東京都に人が集まる傾向は続くことが予想されています。
総務省が発表した平成26年1月1日現在の東京都に住む日本人は、前年比0.53%増、外国人も0.96%の増加となっています。またこれを裏付けるかのように地価も2014年、2015年度の2年連続で上昇しています。
このように、多くの人が東京に集まっているにも関わらず、2000年前後から東京都内のそれぞれの区においてワンルームマンション建築の規制が強化されており新築物件が建てにくい状況になっています。
入居需要が順調に延びているのに供給戸数が少ないことから、ワンルームマンション賃貸経営にはよい条件が揃っていると言えそうです。
投資用ワンルームマンションのニーズは都市部が高い
東京を始めとする各都市では、仕事や進学のために人が集まり続けており、単身世帯用の住居ニーズは高くなっています。
東京に次ぐ大都市といえば、名古屋、大阪、福岡などが浮かんできます。
物件数は東京都に比べると少なくなりますが、他の都市でも、いち早くワンルームマンション建設や中古ワンルームマンション販売の情報を入手できれば、東京都よりも地価や物価が若干安いメリットを活かし、物件価格や管理費用、長期修繕金積み立ても低く抑えることができるため、長期間安定した収益が期待できそうです。
実際に投資用ワンルームマンションを複数経営しているオーナー様の中には、住んでいる地域以外にも投資用ワンルームマンションをお持ちの方がいらっしゃいます。
その場合、遠隔地の不動産情報を得るのは困難なことが多いので、物件がある地域の不動産情報に詳しいディベロッパーの力を借りて情報を収集しておられます。
ここ最近の大阪と名古屋における地価の動きをみると、バブル崩壊後2005年までは地価は下がり続けましたが、2006年、2007年、2008年の3年間は上昇がみられました。
その後、2009年から2013年までは再び地価が下落しましたが、2014年、2015年は一転上昇しています。
2014、2015年における他府県総合平均は、いまだ下落は続いているものの、下げ幅は2015年度マイナス1.4%となり、2016年度以降は、国内大都市から少しずつ上昇が始まる気配がうかがえます。
地価上昇の見通しは、各都市に人が集まり、住まいのニーズがさらに高まることにつながります。
東京以外の各都市においては、物価が都内よりも少し安いことから利回りの良い物件が多く目に付くことがあります。
しかし、これらの中には空室率が高いこともあるため、注意が必要です。
次に大阪と名古屋、福岡、神戸でのマンション投資事情を紹介しましょう。
大阪のマンション投資事情
大阪では大阪市内北部の大阪駅付近と南部の天王寺、阿倍野地区において開発が進みました。
大阪北部の「うめきた地区プロジェクト」は、2004年7月にまちづくり基本計画が策定された後、2006年から開発開始、2010年に着工、2013年春に「グランフロント大阪」が開業しました。
2期工事がグランフロント大阪西側において行われました。
環境を重視した快適な居住空間や宿泊施設、オフィスビルなどの建設が予定されているだけでなく、関西空港から直結する新鉄道路線の計画も検討中です。
大阪駅周辺の既存の大手百貨店や近隣商業ビルも建て替えなどが進んでおり、これらの商業施設と新しく誕生するエリアが合体すれば、西日本の大きな拠点としてさらに多くの人が集まることでしょう。
大阪市南部の天王寺、阿倍野地区では、2014年に地上60階、高さ300メートルの日本一高い商業ビル「あべのハルカス」が開業し、周辺地域の整備も大きく進みました。
この地域は名古屋方面から大阪への玄関口としての役割と、大阪市内で働く人達の住まいが多く集まる住宅地としても人気がよりいっそう高まりそうです。
また大阪北部と天王寺・阿倍野地域の間にあるエリアでは、大阪の中枢を形成する商社や大企業の西日本本社が集中していますが、オフィスだけだったこのエリアに次々と高層マンションが建設されており、独身や子どものいない夫婦の住まいのニーズに応えています。
この他にもユニバーサルスタジオが開業した大阪市の西側から南側にかけての「夢洲・咲洲地区」では、テーマパークや水族館のような商業施設だけでなく、世界をリードする産業技術開発拠点として多くの企業が集まっています。
大阪府の咲洲(さきしま)庁舎も、大阪湾を臨む地上55階建てビルの中にあり、周辺のワールドトレードセンタービルはこの湾岸エリアの象徴となっています。
大阪駅まで30分の利便性を活かし、今後、大規模マンションの建設や商業施設、大学の誘致などが進められる計画です。
2025年には、日本国債博覧会も行われます。万博の会場となるのは、大阪湾にある夢島で開催されます。155ヘクタールの土地に150の国、25の国際機関に公式参加いただくことを目指しており、2020年の12月には会場建設費の予算が1850億円になることが明らかになりました。
さらに、国際会議場・展示場・宿泊商業施設を一体化して開催地のビジネス・イノベーションの機会を創造する計画も立てています。そのため今後、ビジネスが大大阪を中心に発展すれば、そこで働く人が増えるためマンションの需要が高まることが予測されます。投資用ワンルームマンションを購入する際には、家賃収入を得られるかが大切であるため、このような人口増加が見込めそうな立地を検討する必要があるのです。
名古屋のワンルームマンション投資事情
今、名古屋で最も注目を集めているのは、2027年開業予定の「リニア中央新幹線」でしょう。
開通すれば、品川─名古屋間が40分で結ばれます。
現在、在来線なら東京─横浜間が30分であることを考えれば、名古屋を拠点として東京方面や反対方向の関西方面へと大勢の人々が行きかう街になることは言うまでもありません。
これらを見越して名古屋エリアでは再開発が進んでいます。
名古屋駅前では、2015年完成予定で3棟の超高層ビルが建築中です。
これらのビルの完成後には、ナゴヤドーム12個分の敷地内に、大型家電量販店や百貨店、大規模書店をはじめとする店舗が次々と開業し、東京や大阪と肩を並べる大都市に変貌をとげることになるでしょう。
東京や大阪と比べると名古屋は単一の都市圏を形成しています。
名古屋市周辺では、名古屋と同レベルの都市がないため、名古屋から離れるほど地価は安くなり住まいのニーズは下がっていきます。
つまり、できるだけ名古屋市中心部に近い立地にある投資用ワンルームマンションを探すことがマンション経営の成功の秘訣と言えます。
神戸(兵庫県)、阪神間の投資用ワンルームマンション事情
住みたい街として人気がある神戸や、芦屋・西宮といった阪神間エリアでは、企業や学校、大阪北区や三宮といった繁華街へのアクセスが良いだけでなく、静かで美しい風情漂う住宅地域も多く、あこがれの街として根強い人気があります。
近年では、埋立地の「ポートアイランド」が先端医療産業特区に指定され、市民病院や小児医療専門病院、企業、学校などが積極的にこのエリアへ移転しています。
西宮から神戸市の中心街までの山側エリアには大学が多く、地方出身の学生の住まいのニーズが今後も高いと見込まれています。
福岡市の投資用ワンルームマンション事情
2011年3月に九州新幹線が開業して以来、福岡は本州から九州南部の鹿児島方面へ向かう中継地としての役割が加わりました。
また福岡には空港もあり空のアクセスが良く、遠方からの観光客が集まりやすいメリットもあります。
不便を感じさせない交通アクセスの良さは、総務省が発表した人口動態調査にもあらわれています。
2014年1月1日時点の調査では、過去1年間の人口増加数が全国で最も多かったのが、福岡市と隣接の福岡県新宮町で、福岡市の人口増加数は全国トップにランクされました。
天神や博多駅周辺では地価が上昇中で、福岡は九州内で最も大学の数が多く単身世帯の住まいのニーズが高まっています。
東京とその他都市の違い
これらの地域でもマンション投資は、実際に行われています。家賃相場が安いこともあり物件価格が東京に比べ安いのが特徴ですが、デメリットも当然あります。
それは、東京圏に比べて人口が少ないので家賃の下落が早いということです。つまり、都心から少し離れれば安い家賃で住める地域があるので、家賃が下落しやすく家賃の下落に伴い資産価値の下落も進みます。東京以外の都市部では、出口戦略が見えず売却するとき大きな赤字になる注意点があります。
東京のメリットは、神奈川・千葉・埼玉という全国でも有数のベットタウンが近隣にあるので家賃が保全されやすい地域だということです。家賃が保全されると資産価値も保全されますので、投資用ワンルームマンションを運用する際に安心して所有できます。
投資用ワンルームマンションを始めやすいエリアか?資産価値が保全されやすいエリアか?しっかり考えてスタートすることが大事になってきます。
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投資の動機は個人で様々あると思いますが、自分自身でスタイルを確立できるようセミナーや個別相談で今一度確認するのも良いと思います。
今回のコラムは、ここまでです。最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。次回のコラムもお楽しみに!
和不動産 仲宗根和徳