新築ワンルームマンション投資で忘れがちなこと
本日テーマは、【投資用ワンルームマンション成功のカギとは?】についてです。入居者が外れたタイミングにおけるオーナー様の対応について書きすすめて参ります。
マンション経営効率アップの秘訣は居住者の迅速な入退去
ワンルームマンション経営において、居住者が入れ替わる時には、オーナー様にとって原状回復や次の入居者の募集といった業務が発生します。これらを行うにはコストもかかり原状回復に日数がかかればマンション経営の利回りに大きく影響します。
また次の入居者が決まらなければ、家賃収入も滞り損失が大きくなります。
オーナー様は、居住者が入れ替わる時は、退去手続きを進めながら新しい入居者も募集するなどスムーズに仕事をすすめ、できるだけ空白の期間を作らないようにする必要があります。
前の住居者が退去する際、原状回復をめぐってオーナー様とトラブルになることがあります。このような事態を避ける手段として、コストはかかりますがオーナー様が管理会社と契約して借主との間に入ってもらい入退去手続きの代行をしてもらう方法があります。
サブリースやプロパティマネジメントと呼ばれていますが、このような業務を行う不動産会社では、次の入居者が決まらない一定期間、家賃保証をしてくれることもあります。
このようなサービスも利用し、オーナー様が長く収入を得られるような仕組みづくりをすることがワンルームマンション経営のポイントです。
居住者の入れ替わりの流れとオーナー様の業務について
居住者の入れ替わりの流れとオーナー様の業務は次の通りです。
(1)居住者から解約申し入れ
契約に基づき住居居住者より退去日から数カ月前までに申し出があります。
解約予告は、借主からオーナー様に対して書面提出をしてもらうのが一般的です。
オーナー様は、契約時に居住者に解約申出書を渡していなければ準備し借主へ記入をしてもらいます。(備考: オーナー様から借主に解約を申し出る時は、契約期間満了日の6カ月前までの書面による申し出が一般的です。)
(2)引越し日、立会日を決定、リフォーム会社手配
室内の状況確認は、引越し日以降に行うのが一般的です。
退去後すぐにリフォーム作業を始められるよう準備しておきます。
(3)次の入居者募集、入居審査
新しい入居希望者には、入居申込書を提出してもらいます。
記載された内容に基づき入居審査を行い、入居を許可します。
前の居住者が退去した後、できるだけ空室期間を作らないように次の居住者が入居できるように日程調整をするのがポイントです。
(4)明け渡し、リフォーム開始
オーナー様と前の居住者立会いで室内の状況を確認し、原状回復の範囲を決定します。
その後、鍵を返却してもらい部屋の明け渡しが完了します。
明け渡しまでに、電気、水道、ガスの精算は済ませてもらってください。
明け渡しが済めば、すぐにリフォーム会社から見積もりを取りリフォームを開始します。
(5)敷金の返還
原状回復費用が発生していれば、精算後の金額を借主へ返還します。
借主の銀行口座へ返金する方法が一般的です。
(6)次の居住者との入居契約
次の居住者の入居審査後1週間~10日程度で契約内容や物件の確認を行い、契約を締結します。
上記の(3)~(6)までは、次の入居者が見つかるタイミングにより前後することがあります。
退去時の原状回復費用はどこまで負担してもらえるか
賃貸物件の原状回復費用の範囲や、金額をめぐってオーナー様と居住者が争うトラブルがよくあります。これを受けて平成10年3月に、原状回復に関する費用負担等のガイドラインが建設省(当時)より公表されました。
それによると、原状回復の対象となるのは、賃借人の故意や過失による劣化部分となります。
具体的には、家具の設置による床やカーペットのへこみや設置跡、食べこぼしによるシミ、家具の移動などでついた傷、冷蔵庫の後部壁面の黒ずみ、エアコン設置跡、畳の表替えや網戸の交換、フローリングのワックスがけや、水まわりの消毒、エアコンクリーニングなどです。
もし、畳に焼け焦げがあれば、借主の責任になるので畳の交換費用を負担することになります。
しかし、和室で1枚だけ交換すれば、残りの畳との色が極端に違って見た目が悪くなることがあります。このような場合、ガイドラインでは、畳なら原則1枚、壁のクロスは1㎡単位、ふすまは1枚単位、柱は1本単位というように最小単位を基本にするとしています。
居住者の入れ替わり業務を代行する賃貸管理会社を利用
投資用ワンルームマンション経営を始めて経験が浅いオーナー様にとっては、自分が借主と直接賃貸契約の話をすることは精神的負担が大きくなります。そしてトラブルに発展してしまえば、1人で問題解決をするのはとても困難です。
不動産に関する専門的知識や経験の不足を補ってくれるような管理会社があります。「プロパティマネジメント(不動産総合管理)」や「サブリース」といった業務がそれに該当します。
サブリースとは、不動産を扱う会社がオーナー様からワンルームマンションを借り上げて、その部屋を第三者にあたる入居希望者に貸すことです。オーナー様から見れば、家賃収入額の一部を管理会社に支払って、賃貸業務を委託する形になります。サブリース契約には、もし入居者がない期間があっても管理費を差し引いた家賃収入がオーナー様に入る保証がついています。
プロパティマネジメントは、ワンルームマンション1室だけというような個別の業務ではなく、マンション一棟というような全体規模で不動産経営全般をサポートするものです。
空室期間を作らないためにオーナー様自身がすべきこと
ワンルームマンションに限らず、不動産経営では物件が新築なら借り手も見つかりやすいのですが、建築後の年数が経つにつれて、物件の資産価値は下がっていきます。そして築年数が経てば経つほど、ワンルームマンションの次の借主は見つかりにくくなります。年数が経っても空室率が低く、常に借り手があるような立地に投資用ワンルームマンションを確保する以外に、オーナー様自身が積極的にマンション経営をするためには、何をすればよいのでしょうか。
それは「マンションの品質を落とさない努力をすること」です。
前の居住者が退去した後、原状回復に努めるだけでなく、マンションの所有者で結成された管理組合総会に積極的に参加して、マンション管理業務に積極的に関わるようにしてください。
組合の総会では、長期修繕計画表に基づき、今後の大規模修繕工事の内容や費用について話し合っています。工事の内容や規模が適正かどうか、費用が近くの他のマンションの修繕費用より高すぎないかをチェックするようにしましょう。
投資用ワンルームマンションの魅力を高める手段とは
ワンルームマンション経営は、新築物件なら借り手も短期間で見つかりやすいのですが、年数が経つにつれて、居住者が入れ替わるたびに空室期間が長くなる傾向があります。こんな時、安易に家賃を下げてしまう前に、物件の魅力を高めることができないかまず考えてみましょう。
物件の魅力を高める方法には、「部屋の物質的なグレードを上げる」か「特定のニーズに応える物件に変更する」ことを検討してみましょう。
「部屋の物質的なグレードを上げる」とは、居室内の設備、キッチンや風呂、トイレといった水まわりをリフォームしてグレードアップする方法です。新築同様にきれいな部屋に生まれ変われれば、居住者にとって魅力的な住まいに変わります。
「特定のニーズに応える物件に変更する」とは、一例を挙げるとペットの飼育や居室内の設備や内装の変更を許可するといったことで、このような物件を探している人達のニーズに応えられるようになります。
マンションの管理規約内で許可できる範囲を明確にして、賃貸契約書にそれらを記載し、原状回復の取り決めは必ず明記するようにしましょう。高齢者や外国人をターゲットにした入居者募集も、今後ニーズが高まるかもしれません。
[中見出し【投資用ワンルームマンション成功のカギとは?】]まとめに[/中見出し]
投資用ワンルームマンション成功のカギは購入後の入居者入れ替わり時にあります。
空室の期間を減らし、入居率を上げるためにも、業者などのプロに頼ってみるのもおすすめです。
退去時の原状回復を巡った、入居者とのトラブルもさけることができます。一人で管理することは簡単ではありませんので、コストはかかりますが、一度考え直してみるのも良いかもしれません。
今回のコラムは、ここまでです。最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。次回のコラムもお楽しみに!
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