リフォーム会社への外注費用カットのコツと依頼する際の注意点
本日テーマは、【不動産投資で家賃を上げる3つのポイント】についてです。
不動産投資のポイントは、家賃をいかに上げるか?維持するかにつきます。今回はそのやり方についてお話していきます。
家賃を上げることの本当のメリット
一般的に物件の価値が最も高いのは購入直後です。その後、リフォームやリノベーションなどを行うことなく放置すれば当然、物件の価値は年が経つにつれ、大きく下がっていきます。不動産投資において物件の価値が下がっていくということは、購入当初の家賃を維持できないということとイコールです。物件の価値の下落とともに家賃も下げていかざるをえません。
不動産投資は所有物件が2軒、3軒と増えれば増えるほど、収益も大きくなります。しかし所有物件が増えたとしても、それぞれの物件の価値を維持する努力を怠ってしまえば、いずれ家賃が下がっていきます。そうなれば不動産ローンばかりが増え、逆に収益は悪くなっていくということになってしまいます。
購入した物件の価値を維持するためには、「家賃を高く」する努力が必要です。そのためには大きく分けて以下の3つのポイントがあります。
【1】リフォームを行う。
【2】仲介賃貸不動産会社に広告料を支払う。
【3】その物件に住みたくなるようなストロングポイントを作る。
この3つのポイントを抑えることで、物件の家賃を上げることは可能になります。家賃を上げるということは当然ながら収益を増やせるというメリットがありますが、実はそれだけではありません。物件を売却する際にも大きなメリットが発生するのです。
今回はこの家賃を上げるための3つのポイントとともに、なぜ家賃を上げることが売却時においても大きなメリットになるのかについてご説明します。
家賃を上げるポイント1 リフォームを行う
前項でも言及したように、物件の価値は年が経つにつれ、大きく下がっていきます。物件の価値が下がっているのにも関わらず家賃を上げてしまっては、当然、入居者は出ていってしまいます。また新たな入居者を見つけることもできません。
これを防ぐためにできることはただ一つ。物件のリフォームを行い、下がってしまった物件の価値を上げることによって、家賃を上げることです。リフォームのタイミングは、入居中や更新時では出ていかれてしまうリスクが高まります。そのため一番良いタイミングは、入居者が退出し空室となった時です。
リフォームの具体的な方法に関しては、「不動産投資の追加投資は内装リフォームに」の方で詳しく説明していますので、そちらをご参照ください。
家賃を上げるポイント2 仲介賃貸に広告料を支う
2つ目のポイントは、広告料を払うことです。「借りたい」というお客様を見つけて、契約にこぎつけてくれる仲介賃貸不動産会社の主な収入源は手数料です。この物件の仲介に対する手数料の額は法律で決まっています。つまり他のオーナー様よりも手数料を多く支払うので、「自分の物件を優先して紹介して欲しい」といったことはできません。
しかし手数料とは別に、広告料として別途支払うのであれば問題はありません。「この部屋に入居するお客様を見つけてくれたら、別途で広告料を支払います」と仲介賃貸不動産会社に告げれば良いのです。
不動産会社としては、同程度の物件が並んでいたとしたら、当然、お金がたくさんいただける広告料付きの物件をすすめます。ここで重要なポイントは、広告料を支払う部屋の家賃を少し高めに設定しておくのです。仲介賃貸不動産会社は、多少家賃が高くても、自社に実入りが多い方の物件を優先します。
不動産投資は物件の売却によっても収入を得ることはできます。しかし継続的な収益という点では、家賃による収入が一番重要となります。そして家賃による収入を確保するための最大のポイントは、できる限り空室の期間を短縮することです。
不動産投資に失敗するオーナー様は、目先の利益にとらわれてしまい、空室を埋めるための方法として家賃を下げることしか考えません。確かに家賃を相場よりも安く設定すれば、空室の期間は短縮できるかもしれません。しかし当然、リフォームなども行わないため、空室が出るたびに収入はどんどん落ちていきます。
成功するオーナー様は、継続的な収入を得るための努力を惜しみません。それは出費を抑えて利益を上げるということではありません。家賃を上げるための出費は、積極的に行っていくということです。
前項のリフォーム同様、仲介賃貸不動産会社に対してもここぞという時は、しっかりお金を使い、競合する物件との差別化を図ります。これによって空室期間を短縮するばかりか、以前よりも高い家賃収入を得ることが可能になるのです。
入居者さえ決まってしまえば月々の家賃収入が増えることで、広告料への投資も簡単にペイすることができます。何度かお話しさせていただいていることですが、不動産投資は単なる投資ではなく、事業であるということの意味がおわかりいただけると思います。
家賃を上げるポイント3 その物件に住みたくなるように
最後のポイントは買う前に検討する「立地」と購入後のターゲット戦略です。第一に、家賃が上がりそうな場所に建つ物件を購入すること。そして購入したらどういった人に住んでもらいたいかというターゲットを決め、そのターゲット向けのストロングポイントを作ることです。
仲介賃貸不動産会社は、毎日数多くの物件を取り扱っています。そんな中、あらかじめ魅力的な営業トークが用意されていれば、あなたの物件をお客様におすすめしやすくなります。営業トークが用意されているおかげで、他の物件より優先してすすめてくれることもあるかもしれません。
万人向けとするよりも住む人のターゲットを絞った方が、魅力的な営業トークは作りやすくなります。そのためには、オーナー様がまずその物件の強みと弱みを知っている必要があります。
例えば購入した物件が住宅街にあれば、家族がターゲットになります。ただし単純に家族向けの部屋というだけでは、魅力的な営業トークは生まれません。家族の中でもターゲットを女性に絞ります。なぜなら女性は男性に比べ、住居に使うお金をためらわない傾向があるからです。
家族の中でも、特に女性が住みたくなるようなイメージ作りをストロングポイントとすることで、より魅力的な営業トークが作り出せるようになります。
また企業や工場などが多い場所であれば、法人をターゲットとする方法もあります。法人契約は家賃補助があるケースが多く、家賃が多少高くとも問題ありません。例えばあらかじめ生活に必要な家具を備え付けることで営業トークにもなる上、さらなる家賃の上乗せも可能になります。
家賃を上げることが売却時も大きなメリットとなる理由
家賃を高めに設定することのメリットは、単純に収入が増えるだけではありません。物件の売却時における評価方法に対するメリットもあるのです。
不動産評価の方法は大きく3つ。「原価法」と「取引事例比較法」、「収益還元法」があります。この中で、現在、国土交通省がすすめているのが「収益還元法」で、金融機関もこれに追随する形をとっています。
「収益還元法」は、対象の物件が将来得られる収益を現在価値に割引いて算出します。具体的には、年間収益から年間経費を差し引いたものを、利回りで割った金額がその物件の「収益価格」になります。
例えば、家賃が8万円の場合と、8万5,000円の場合で比較してみます。家賃8万円では、年間の家賃収入は96万円。便宜上経費を外し、利回りを6.5%とすると収益価格は1,476万円となります。これに対して、家賃が8万5,000円だと1,569万円となり、その差は約90万円となります。つまり毎月の収入だけでなく、売却時にさらに大きな利益を得られるようになるのです。
必要な時に必要な出費をすることで、毎月の家賃収入のアップだけでなく、長期的にも大きな収入につながると言えるでしょう。
今回のコラムは、ここまでです。最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。次回のコラムもお楽しみに!
和不動産 仲宗根和徳