社員が辞める理由は給料ではない?「評価への納得感」が組織を変える【人事トラブル相談室②】

桐生英美

桐生英美

テーマ:労務管理

今日もありがとうございます。
人事トラブルを整理する「人の専門家」元ハーレー社労士
ハーレー乗りの社労士 キャプテン ヒデです。

社員が辞める理由は本当に給料でしょうか?


フィギュアスケートの選手が、全力で演技を終えたあと、
拍手も、花束も、ぬいぐるみも一切ない大会があったとしたら、どう感じるでしょうか。

次の大会も頑張ろうと思えるでしょうか。

実は、多くの企業でこれと似た状況が起きています。

社員が辞める本当の理由は「納得感」


経営者の方から、次のようなご相談をよくいただきます。

・給料は悪くないはずなのに社員が辞める
・人が定着しない
・長く続かない

離職理由として挙がるのは、

・人間関係
・仕事内容
・会社の将来性
・評価への不満

などです。

ここで重要なポイントがあります。

「給与が低いから辞める」だけが原因ではないということです。

多くのケースで本質的な原因となっているのは、

評価への納得感がないこと

です。

評価のズレが信頼を壊す


例えば、同じ部署に2人の社員がいるとします。

・一人は非常に努力している
・もう一人はそれほどでもない

それにもかかわらず、評価が同じだった場合、
努力している社員はこう感じます。

「この会社は、自分をきちんと見ていない」

この瞬間から、会社への信頼は少しずつ崩れていきます。

一方で、

努力が適切に評価される会社では、

「ここは公平な会社だ」

という認識が生まれ、モチベーションが維持されます。

評価制度が曖昧な会社で起きること


中小企業では、評価制度が明確でないケースも多く見られます。

・評価基準が分からない
・評価のプロセスが見えない
・結果だけが伝えられる

その結果、社員はこう感じます。

「上司の好き嫌いで決まっているのではないか」

実際にそうでなくても、
そう“感じた時点”で信頼関係は崩れ始めます。

評価制度は、

「正しいかどうか」ではなく
「納得できるかどうか」

が極めて重要です。

フィギュアスケートに学ぶ評価制度


評価制度を考える上で、分かりやすいのがフィギュアスケートの仕組みです。

フィギュアスケートでは、大きく2つの評価軸があります。

① 技術点(できること)

ジャンプやスピンなどの技術

→ 企業でいう
成果・スキル・業績

② 演技構成点(どう取り組むか)

表現力・完成度・姿勢

→ 企業でいう
行動・姿勢・チームワーク・成長意欲

さらに重要なのは次の3点です。

■ 評価が「見える」

どの技に何点ついたのか
どこで加点・減点されたのか

評価の根拠が明確

■ 評価者が複数いる

審査員が複数いることで

一人の主観に左右されない

■ 同じ技でも評価が変わる

出来栄えによって評価が変わる

「結果+プロセス」が評価される

評価制度は「会社のルール」


これを企業に置き換えると、

評価制度とは会社の競技ルールです。

機能している会社には、共通点があります。

・評価基準が明確
・評価理由が説明される
・評価者がきちんと見ている

この3つが揃うことで、

社員は

「この会社は公平だ」

と感じるようになります。

評価制度の本質


ここは非常に重要なポイントです。

評価制度は

単に給与を決める仕組みではありません。

・社員が「ここで頑張ろう」と思えるか
・会社への信頼を築けるか

そのための仕組みです。

まとめ


・社員が辞める原因は給料だけではない
・本質は「評価への納得感」
・評価制度が曖昧だと信頼が崩れる
・評価には「ルール・透明性・複数視点」が必要

YouTubeで詳しく解説しています


このテーマについては、動画でも分かりやすく解説しています。

フィギュアスケートで理解する評価制度「フィギュアスケートで理解する評価制度」

文章だけでは伝わりにくい部分も、
具体例を交えて解説していますので、ぜひご覧ください。

経営者の皆様へ


もし現在、

・評価に対する不満が出ている
・社員が定着しない
・管理職ごとに評価がバラバラ

といった状況がある場合は、

評価制度の見直しが必要なサインです。

評価制度は

「作ること」よりも
納得される設計と運用

が重要です。

当事務所では、

・評価制度の簡易診断
・制度設計
・運用支援

まで、企業の実情に合わせたサポートを行っています。

必要に応じて、お気軽にご相談ください。

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Mybestpro Members

桐生英美
専門家

桐生英美(社会保険労務士)

日本経営サポート株式会社

民間企業での人事経験25年、社労士登録30年。労基署対応、労務トラブル対応など、現場実務を中心に支援してきました。経営と法令のバランスを考え、実務としてどう整えるかを経営者と伴走する社労士です。

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