小田原漂情の小説が高校演劇のお役に立ちました!

小田原漂情

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テーマ:小田原漂情

盆がえりポスター
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 昨日、令和6(2024)年7月25日に、愛知県豊橋市の穂の国とよはし芸術劇場 プラットで行なわれている「中部日本高校演劇大会 愛知県東三地区の部」に出場した豊橋市内の私立高校・桜丘高校の演劇部のみなさんが、「盆がえり」(昨・松岡一夫)を演じました。この「盆がえり」は、小田原漂情著「小説 呼子谷」(『小説 呼子谷/花祭りと三河紀行』2000年12月豊川堂)を参考文献として、桜丘高校演劇部の顧問の松岡先生が台本を書いて下さり、上演されたものです。

 愛知県東部の奥三河と呼ばれる地域では、ダムができることで水没する地域の村落が移転を余儀なくされ、現在ダム本体の工事が進められています。「盆がえり」では、村での最後のお盆休みに帰って来た村出身の若者たちが、村の伝統の最後の神楽(かぐら)を舞い、その舞いのさなかにヒロインの祖母を見送り、村の伝統にも別れを告げる、現代の山間部にもみられる過疎と開発の切ないドラマがつづられています。

劇場

 私はもちろん夏期講習で、見に行くことはできませんでしたが、お隣の豊川市に住む先輩が見に行って下さり、「一生懸命に練習した様子はよくわかる。高校生の皆んなには、今全てがある。」と、みずみずしい高校生たちの演劇について紹介して下さいました(Facebookにて)。

 桜丘高校の生徒さんたちはもちろん私の直接の教え子ではありませんが、私が同地(豊橋や奥三河)に親しんでいたころ若者であったり、あるいは学生であったりしたであろうご両親のお子さんたちが、私自身も深い思い入れのある「呼子谷」を下敷きにした劇を演じてくれたことに、胸が熱くなりました。また、私の書いた小説が高校演劇で何がしかのお役に立ったことを、塾で高校生や小・中学生を指導している立場として大変うれしく、光栄に思いました。

 なお、生まれ育った故郷を離れなければならない方々がおられるほか、みなさん高齢のためもあり、奥三河の伝統芸能「花祭り」が、各地で維持できなくなっていると伝え聞いています(2000年当時、北設楽郡東栄町および旧津具村の11の村落で開催されていました)。花祭りをご紹介下さった先生からも、維持できない村落が増えていると伺っていましたが、改めて劇というリアルな媒体の中でその現実と向き合うと、いたたまれない思いが致します(事前に台本をお送りいただいて、読ませていただきました)。どうか可能な限り、可能な形で花祭りや各地の伝統芸能を伝えていただきたいと願いますし、故郷を去った方たちの心の中に、故郷の祭りが生きつづけることを、かつて花祭りをモチーフに小説を書いた身としては、願わずにいられません。

呼子谷表紙
呼子谷表紙.JPG

『小説 呼子谷/花祭りと三河紀行(豊川堂)
本体価格1143円+税(言問学舎での売価税込み1257円)
 豊橋市・豊川市周辺の方は豊川堂書店さんでご注文下さい。東京方面などの方は、残部僅少ですが言問学舎までメールでお申し込みいただければ、送料無料でお送り致します。


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小田原漂情
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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

小田原漂情プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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