小説『遠つ世の声』を刊行(電子書籍/Kindle)しました!
8月15日、終戦(敗戦)の日です。言問学舎塾長ブログの文章を常体のまま転載させていただきます。
例年通り、11時50分から全国戦没者追悼式の中継を見て、正午に黙禱した上で、今日は春先から溜め込んでいた仕事を整理するために出社した。
過去の戦争について子どもたちに教えることを、教育者の大きなつとめとして、私は言問学舎を創業した二十年前から欠かさずにつづけて来た。今年はそれを塾内でも拡大し、少部数ではあるがより広く対象を広げうる新刊の刊行によって、少しずつ「ひろく一般の」子どもたちにも展開していきたいと願っている。
歴史には多くの面があり、それを教えるのはむずかしい。8月15日の全国戦没者追悼式でも、首相がアジア諸国への「反省」を意味する言葉を盛り込まなくなって久しい。もちろん今日の陛下のお言葉では、「過去を顧み、深い反省の上に立って」の一節を拝聴したが、近い将来、「顧み」て「深い反省」を向けるべき「過去」について、詳しく解説することが必要になるのではあるまいか(「反省」の意味がわからない人が多くなると想像されるため。あるいは今でも、必要なのかもしれない)。
子どもたちの心は、総じてまっすぐで、敏感である。日本の国の過去の戦争のことについても、「知らない」、「よく知らない」ために考える機会がないのであって、知る機会を差し出してあげれば、きちんと考え、思いを書きあらわししてくれるのである。
今般の新刊『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力 小学5年生以上対象3』収載の「忘れまい、八月六日の広島の朝を」、「『長崎を最後の被爆地に』」の二篇を、小6~高2の国語の授業で用い、感想文を書いてもらった。その一部を紹介させていただきたい。
・(前略)原爆は長く時間がたってからも人体に影響を及ぼす。このように原爆は、長きにわたってさまざまな影響を残し、死に至らしめた。原爆は一度使用されただけでも、その後数十年もの間、爪跡を残し続ける。このあともずっと、原爆を落とされた広島、長崎が、被爆した最初と最後の都市であり続けるよう私は祈る。
・(前略)最後に印象に残った言葉を紹介する。それは、長崎の人たちが訴え続ける「長崎を最後の被爆地に」という言葉だ。なぜなら、この言葉を訴え、それを長く続けるのは、もう二度とあの原爆の苦しみを今生きている人たちに味わってほしくないからだ、ということを、私自身強く感じ、それが心に響いたからである。私はこの言葉を忘れずにこれからも過ごしていこうと思った。
・(前略)私はそもそも戦争というものがなければ、原爆などというものもなくなり、そのために苦しむ人もいなくなる、そしてみんなが平和に過ごすことができるようになると思います。ですが世界各地で戦争はまだ続いています。だれかがつらい思いをして、だれかの命が残酷に散っていく。まだまだそんな世の中なのです。
今日で戦後満78年ということだから、私もその四分の三以上を生きて来たことになる。私自身の両親、その世代の人たちを含め、たくさんの方々から直接、間接に、戦前、戦中、戦後のことを教わって来た。以前にも書いたことだが、年齢的に、現在の日本の中で、教え、伝える側の立場にあるのは間違いないと思う(もちろん当時を直接知る方々から、さらに多くのことを教えていただきながら、のことではあるが)。
その意味で、新刊『国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力 小学5年生以上対象3』とクラウドファンディングについてもより多くの方々に知っていただき、ご支援を賜ることができるよう、お願いするものである。
戦後満78年の終戦(敗戦)の日に。
令和5(2023)年8月15日
小田原漂情
★書籍のご紹介 マイベストプロ東京「国語のアクティブラーニング 音読で育てる読解力の完結編を出版しました!」
https://mbp-japan.com/tokyo/kotogaku/column/5142083/
★追悼の意を込め、昭和24(1949)年に藤山一郎先生がお歌いになった「長崎の鐘」(サトウハチロー作詞、古関裕而作曲)と「新しき」(永井隆作詞、藤山一郎作曲、1959年)を歌わせていただきました。本年9月19日まで、YouTube上で公開しておりました。書籍のDVDにも収録してあります(JASRAC、日本コロムビア許諾)。
★また、本年8月31日まで、本書と真の国語理念を広めるためのクラウドファンディング 「真の国語力をはぐくみ、大切なことを伝える本を広めたい!」を実施中です。よろしくお願い申し上げます。
https://camp-fire.jp/projects/view/691075?list=projects_fresh
国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
文京区の総合学習塾・言問学舎HP
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