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小田原漂情

国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師

小田原漂情(おだわらひょうじょう) / 学習塾塾長

有限会社 言問学舎

コラム

智恵子の半生 第3回の朗読を致しました!

2017年7月23日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:小田原漂情

コラムカテゴリ:スクール・習い事

 一昨年からYouTubeで、「小田原漂情 詩の朗読」の投稿をつづけています。今年は5月から、高村光太郎の「智恵子の半生」に取り組んでおり、当初は夏休み前に全文の朗読、発表を終える心算でしたが、諸々の事情により、このほど全4回のうちの第3回の発表となったものです。智恵子さんの病について、光太郎さんがその実相を推測されている下りですから、YouTubeの「説明」に書いた内容を、そのまま転載させていただきます。

 <智恵子は入院生活に至る直前まで、「異常」ではあったが、「異状」ではなかった、と光太郎は述懐する。「異常」とは、その眼に「阿多多羅山の山の上に出てゐる天空」を湛え、「隔絶的に此の世の空気と違つた世界の中に生きてゐた」ことを指す。そして「異状」ではなかったとしながらも、「四六時中張りきつてゐた弦のやうな」智恵子はついに、「極度の緊張に堪へられずして脳細胞が破れ」、「精根つきて倒れたのである」という。1947年(昭和22年)6月の「報告(智恵子に)」にみられる以下の詩句は、こうした智恵子のきびしい緊張を思って書かれたのだと、「智恵子の半生」は教えてくれる。

(前略)すつかり変つたといつても、 
    それた他力による変革で 
    (日本の再教育と人はいひます。) 
    内からの爆発であなたのやうに、  
    あんないきいきした新しい世界を   
    命にかけてしんから望んだ 
    さういふ自力で得たのでないことが  
   あなたの前では恥しい。
(後略)                       >

 わたくし自身、こうして「智恵子の半生」を朗読することで、これまで以上に『智恵子抄』の各作品に対する理解が深まってゆくことを実感しています。光太郎さんと智恵子さんのことを勉強する方のために、少しでもお役に立てば幸いです。


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