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一昨日、8月2日に、立原道造の「みまかれる美しきひとに」を朗読し、発表しました。今年ご紹介している「ゆふすげびと」、「逝く昼の歌」の少し前に書かれた作品で、この3作はいずれも、立原の3冊の詩集(初期のものを除く)には、収められていません。
昨年朗読した立原の詩作品は、発表順に、「のちのおもひに」、「はじめてのものに」、「夏の弔ひ」、「夢みたものは……」であり、詩集『萱草に寄す』と『優しき歌』に収められている、著名な作品です。今年はまず、ぜひとも詩集に入っていないこの時期(昭和11年=1936年)の作品を、読んでご紹介したいと思いました。
「詩の朗読」ですから、私自身の好みの作品を読みたくなるのは、ある意味当然です。しかし、「はじめてのものに」は昭和10年(1935年)の作品ですが、「のちのおもひに」は昭和11年(1936年)秋に書かれたものであり、「ゆふすげびと」や「逝く昼の歌」と同時期の作品です(したがって、「逝く昼の歌」に歌われている「うつくしい空 美しい海」は、「のちのおもひに」の「島々を 波を 岬を・・・」の海と、同じ旅で見たものだったと考えられます)。
すなわち、立原さん自身が、『萱草に寄す』を編むにあたって取捨をした、その、詩人が採らなかった作品を朗読し、ご紹介することで、立原道造という詩人のすこし違う面を、お伝えしたいと考えてのことであります。
最新の朗読として「みまかれる美しきひとに」のご報告を掲載しますが、この動画の「小田原雅史」という名前の部分をクリックしていただくと、昨年朗読した、立原道造の代表作についても、ご覧いただくことができます。ぜひお目通しいただけますよう、お願い申し上げます。