今なすべきことを振り返ると-
「詩の朗読」は今年になってから、拡大バージョン(『古今著聞集』による「願を果たした さる」)を交えながら、月に一度のペースを目処に、発表をつづけております。
今回、手元にあるはずの本(中公文庫版『日本の詩歌』の中原中也、伊東静雄、八木重吉の3人の作品を収めたもの)がなかなか見つからず、前回から一ヶ月以上、間が空いてしまいましたが、「国語力.com」にて大岡昇平の『俘虜記』の考察を書くに当たって、『俘虜記』とともに『伊東静雄詩集』を購入して、代表作である「わがひとに与ふる哀歌」を朗読、公開した次第です。
ある種の文学作品というものは、いつ読んでも、新鮮なおどろき、よろこびを与えてくれるものですが、思春期、青春期に愛読した作品、とりわけ詩歌作品は、その当時の(四十年近い昔なのですが)情感までをも、鮮烈によみがえらせてくれます。伊東静雄の「わがひとに与ふる哀歌」を習った時は、毎日のように高校の職員室に足を運び、国語の先生にいろいろ教えていただいた、そんなこともなつかしく思い返されました。
しばらく伊東静雄の作品を、朗読してみたいと思います(夏休み中は都合により、立原道造の作品を読ませていただくかも知れません)。