決してあきらめずに
「詩の朗読」、9月の最終作は、室生犀星の「小景異情 その二」をお届けさせていただきます。
ふるさとは遠きにありて思ふもの
そして悲しくうたふもの
この二行から歌い出される「ふるさと」への思いは、そこが自分をやさしく迎えてくれる土地ではなく、「帰るところにあるまじ」き場所であることから、大変悲しいものとなっています。
ひとり都のゆふぐれに
ふるさとおもひ涙ぐむ
遠く離れた都(東京)で、心に深く思う時にだけ、ふるさとは美しく心なぐさむ存在となる。詩に立ちあらわれている詩人の「現在」は、ふるさとにあります。現にふるさとにありながら、遠い都からふるさとを思うきれいな心を糧にして、都に帰ろう、と歌う心は、傷つき、それゆえに美しいものとして、読者を惹きつけます。
犀星については、その詩の世界とあわせ、『我が愛する詩人の伝記』にみられる屈折した心情の表白についても、ご紹介したいと考えています。
小景異情 その二
国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
文京区の総合学習塾・言問学舎HP
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