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昨日、6月4日付の新聞(毎日新聞朝刊)に、今年と昨年の東京都立高校入試で、採点ミスが計255校、2,211件に上り、その中で、16校18人もの「本来合格だったが採点ミスの結果不合格とされた受験生」がいた、という都教委の発表が掲載されました。
当事者(受験生と家族)の気持ちには、軽々しく言及できませんが、受験、教育にたずさわる一人として、やはりこれは、あってはならないことだと言わないわけに行きません。
なぜなら、「受験」というものは、その結果によって受験生その人の「人生を変えてしまう」ことが、往々にしてあるからです。
「受験だけがすべてじゃない。」
「自分の行く学校が、自分にとってベストの進路だと思え。」
これは、誰あろう私自身が、自分の生徒が本意でない進学をする時に、繰り返し語りかける言葉です。実際のところ、長い人生においてみれば、限られた受験の結果や、思春期、青年期の数年間、どのような環境に身を置くかということは、人生の一部であり、それがよかったか悪かったかは、自分自身のとらえ方によるところが大きいのです。
ただし、それは何十年も生きて来た「大人の考え」であって、十代の子どもたち、若者たちにあっては、その後何年かのありよう次第で、結果の受け止め方が大きく違って来ます。私の教え子にも、「あの時の結果が違っていたら、今もだいぶ違うだろうな」と考えさせられる子が、やはり何人かいます。
報道によると都教委は、18人全員に慰謝料を支払うほか、結果として不合格になり、私立高に通学している人たちには、差額の費用を弁済し、希望者には本来の合格校への転学を認めるとのことです。
これは「当たり前」の措置であり、それで「償い」が果たされるわけではないということを、強く言っておきたいと思います(補償が不足だ、というような意味ではありません)。
どのような償いをしても、一度不合格となった時の心の「傷」が、消え去るものではありません。そして間違いが認められ、金銭、身分の面での補償がなされたとは言っても、受験当事者たちの数ヶ月、一年数ヶ月は、戻らないのです。先に述べた通り、すでに「人生の一部が変わってしまった」人も、いるかも知れません。受験を行なった側の「当事者」には、このことを、肝に銘じてもらいたいと思います。
もちろん、今回「合格」となった受験「当事者」の人たちには、自分の努力が実っていたことを率直に喜び、気持ちを切りかえて、この経験を生かして欲しいと、切に願います。
つづく
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