小学生の親御さん必見!「だれでもできる読書感想文の書き方 付②.注意するべきこと」

小田原漂情

小田原漂情

7回にわたった本連載の最終回として、読書感想文を書く上での「諸注意事項」をお伝えします。

①原稿用紙の使い方
  もっとも大切なことです(これも作文・小論文で減点対象になります)。具体的には、 
 以下のことがらとなります。
  ア.本文冒頭の書き出しは一字下げる(一マス開ける)。段落を変える時も、改行して
    同様にする。
  イ.句読点「、」「。」は行頭(一番上のマス)に書かず、前の行の一番下の右スミか、
    右スミの下の欄外に書く。ただ拗音「ゃ」「ゅ」「ょ」や促音「っ」などは、次の  
    行の一番上のマスで良い。「」についても同様。
  この2点が、注意すべき原則です。ただ、「」を下に書くか上に書くか、などについて 
 は、絶対的な決まりはありませんので、使っている教科書や学校でのルールに従って下
 さい。
 
②「良い評価をもらおう」と考えない
  「先生にほめてもらいたい」気持ちを否定するものではありません。ただ、良い評価
 をもらいたいために、実際には思ってもいない「良い考え」や「良い表現」をすること
 が目的になってしまっては、本末転倒です。子どもが自分の感じたことを、吟味し、推
 敲し、その過程で自分を発見し直したり、対象のことがらについて思考を深めることに
 こそ、本を読んで感想文を書くことの意味があるのです。ほめてもらうこと、コンクー
 ルに通ることが主目的となってしまっては、子どもの真の成長を阻害することにもなり
 かねません(「コンクール否定」ではありません)。

③「お利口さん」になる必要はない
  ②と関連の深いことでもありますが、「感じたこと、考えたこと」を書く時に、「優等 
 生」「お利口さん」になる必要はありません。基本的には、「自分の考え」をそのまま出
 すのが良いです。もちろん「おふざけ」はいけません。適度のユーモアはあっていいで
 すが、ふざけた調子ですべてが終わってしまっては、失格です。そうなるのでなく、「決
 められた」「大人にほめられる」ようなような紋切り型の考えでない、その子ならではの
 オリジナリティの高い視点をきちんと表現できているのが、良い感想文です。

④「結び」でよく見る言い方
  最後に文章をしめくくる時、どんな一文にするかは、みんな悩むところでしょう。昔
 からよくあるのは、「この作者の作品を、もっと読みたいと思います。」というもので、
 これはまあ、「定番」と言えるでしょう。どうしても考えつかなければ、書いてもかまい
 ませんが、積極的におすすめするものではありません。
  ひと昔前からわりとよく見かけるのに、「みなさんもどうぞ読んでみて下さい」のたぐ
 いや、全体的に語りかけ口調のものがありますが、こちらはより以上にすすめられませ
 ん。理由は、何か「付けられた」ような、子ども自身のものでない匂いがするからです。
  やはり一番良いのは、作品そのものについて、自分自身の感じた一番深い(強い)と
 ころを、自分の言葉で語ることです。夏休みの最後に一日残っているとしたら、そのう
 ちの半日くらいは、考えてみるべきことだと思います。もちろん、ここは親御さんもご
 一緒に!

 これで「だれでもできる読書感想文の書き方」を終わりにしますが、改めて「読書感想文で大事なことは何か」を申し上げると、それは「読んで、何かを感じ、考え、書き上げること」にほかなりません。このことと、さらに言えば、一度きりにしてしまわず、幾度も積み重ねることが大事です。その時その時にお子さんの成長が実感できますし、何よりも、お子さん自身の心の成長の糧となることですから。

 多くのお子さんが実りある読書感想文を書かれることを祈って、筆を置きます。

◇言問学舎からのご案内
 「だれでもできる読書感想文の書き方」本篇5回と付篇2回の計7回にわたり、実行しやすい読書感想文の書き方をご案内しました。言問学舎の夏期講習では、読書感想文を書く「音読」の時間はすべて舎主・小田原漂情が直接担当し、段落と段落のつなげ方(表現の仕方)や、より深い読み込みのポイント(『100万回生きたねこ』の場合、100万回生きたねこは、奥さんの白いねこと幸せに暮らし、白いねこの死後に自分が死んだあとは、どうして生き返らなかったのか?)を、生徒一人一人の個性に合わせて指導します。
 
 夏期講習の「音読」のみ、の受講も可能です(「国語専科」扱いになります。)

 また、直接塾に通うことのできない方のために、今年から「読書感想文添削講座」を開設します。要項は以下の通りです。

  ★★★言問学舎 読書感想文添削講座★★★

・受講条件 パソコンのメールに添付して、原稿用紙設定にしたワード原稿を送信できる
方(郵送でのやりとりは、最繁忙期のため対応できません)
・受講費用 3,150円(消費税込み) 銀行振込または現金書留でご送金下さい。
・締め切り 申込締め切り 7月31日
      送稿締め切り 8月15日 締め切りを厳守して下さい。
・申込方法 まずメールにて、「読書感想文添削講座」受講の問い合せをお送り下さい。折
り返し当方より、受講要領と送稿用メールアドレス等一式をお送り致します。

・ご不明な点などありましたら、メール・電話にて何なりとお問い合わせ下さい。
 
※なお、マイベストプロでこの記事をお読み下さった方は、「塾への相談」でなく、どうぞお気軽に「感想文の書き方の相談」として、「相談してみよう」をご活用下さい。

国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
文京区の総合学習塾・言問学舎

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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

小田原漂情プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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