三陸の鉄道に捧げる頌(オード)の完結作『志津川の海』を書きました!
♪ほろほろこぼれる 白い花を~
ふかく敬愛申し上げる灰田有紀彦、勝彦先生ご兄弟の屈指の名曲、『森の小径』の歌い出しです。
十九年前、1992年出版の拙著『遠い道、竝に灰田先生』からの引用(同書に記憶の引用と孫引きを含む)で恐縮ですが、正確なことを書いているのでご紹介します。
・・・また、灰田先生ご自身の次の言葉も忘れられない。「(前略)しかし、あの夢のない時代に、『森の小径』を歌えたことが、たった一つ良いことをしたと胸に残っている。あの、いつ死ぬかも知れない時代に、ある人は喜び、ある人は夢を持ってくれたとしたら、歌手になってよかったし、歌手として本望だったと思う。」
早津俊彦『灰田有紀彦/勝彦 鈴懸の径』サンクリエイト より
「ある意味で、もっとも灰田勝彦らしいと言える一曲。淡い夢さえも現実には見ることを許されなかった戦時下の若者たちが、ひそかに愛唱したという。ある飛行兵は毎日わずかな空き時間に、基地のはずれでひっそりこの歌を口ずさみ、飛んで行って、そして再び帰らなかった。」
1940年(昭和15年)に発売されたオリジナル原版の前奏では、作曲者である有紀彦先生手ずからのスチールギターの音色が見事です。今日10月16日は、その有紀彦先生のご命日。二十五年の歳月が過ぎ去りましたが、『森の小径』や『鈴懸の径』など、うつくしい旋律はいつまでも私たちの心をなぐさめ、ゆたかにしてくれるのです。
http://www.youtube.com/watch?v=UWuJJRqCtvQ
『遠い道、竝に灰田先生』小田原漂情著 1992年10月26日初版発行 画文堂版
国語力に定評のある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
文京区の総合学習塾・言問学舎
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