お手伝いにおける注意点
子どもは、保護者の方の体や言葉による表現を通して、音楽を感じているのをご存じですか?親子のスキンシップや、周囲とのコミュニケーションによって感受性豊かに育った子どもは、音楽性はもちろん社会性や協調性も身につけていきます。小学校受験の音楽課題にも、そんな音楽の諸要素が組み込まれています。
小学校受験のためにも養いたい音楽や踊りの経験値
はじめてのお子さんが小学校受験をする場合、保護者の方は中学・高校入試と同じように受け止めてしまい、学力さえ高めておけばよいと信じて疑わないことがあるようです。しかし小学校入試では、ペーパーテストで仮に100点を取ったとしても、それだけで合格にはつながらないことを頭に入れておきましょう。
行動観察、絵画・制作、運動テスト、家庭の考え方や雰囲気が明らかになる面接試験など、合否判定の基準は複雑です。音楽課題もそのひとつで、小学校受験では学力だけではなく総合力が求められています。
幼稚園や保育園で楽しそうに歌い踊る子どもたちから浮かぶのは、日頃から一緒に歌ったり踊ったりしているお母さんたち保護者の姿です。友達や先生の前でも明るく照れずにできるのは、お母さんと楽しんだ経験や思い出がいっぱいあるからに違いありません。毎年の運動会を振り返ってみてください。親子ダンスをする種目などでのお子さんの様子はいかがですか?日常生活の中でCDやテレビなどから、たくさんの音楽に触れるのももちろん大切ですが、生の音でいろいろなジャンルやパターンを経験したり、体感したりすることで得られるものがあります。
子どもが「これはやったことがある!」「聞いたことがある!」といった引き出しを、いっぱい増やしておくことが重要です。童謡をあまり知らないわが子を見て「今の幼稚園では習わないんですね」と言うお母さんがいますが、それはおうちで教えてあげる方が自然なのでは?と思います。童謡は「少ない音+かんたんな言葉」と、幼少期の子どもに適した音楽教材でもあります。ピアノ教室に行くより先に、童謡をたくさん教えてあげることで、子どもの音感・リズム感に大きな影響を与えるでしょう。
知識だけを詰め込まれた子どもたちは、体を動かしたり声に出して歌うといった活動が苦手です。しかし「話す・歌う・踊る・描く」は、子どもたちの大切な表現手段です。それらが自然にできている子どもたちの背景にあるものとは?小学校受験の音楽課題の出題意図は、実はそのあたりにあると考えましょう。