受験英語の発音問題で得点を取るコツ

井川治久

井川治久

テーマ:受験英語

(今回は、井川治久先生へのインタビューを参考にして構成した大学受験英語コラムです。)

配点が少ないからとおろそかにしがちな発音問題ですが、それではほかの受験生に差をつけられてしまいます。的確な対策をすれば確実に点が取れる部分ですので、しっかりと取り組みましょう。

アクセントや発音には法則があります。大多数があてはまる法則を覚え、例外となるものをセットで覚えていきましょう。

普段の学習の中でも、発音やアクセントを正しく覚えているか確認することが大切です。リスニングにも役立つので早い段階から手を付けましょう。

発音問題にも力を入れる必要性

センター試験や私立の一般入試で出題される発音問題ですが、配点も少ないからとないがしろにしている人が少なからずいます。丸暗記しても覚えきれないし、何より時間がかかると敬遠する気持ちは分からなくはありません。

それでも、センター試験では真っ先に登場する問題です。ここでいきなり問題が解けないとなると、出鼻をくじかれ士気も下がるというものです。

精神論だけではありません。発音問題は対策をすればするほど得点が上がります。センター試験の場合でみると、発音・アクセント問題は7問出題され配点は14点です。大問のなかでもっとも配点が低いのは事実です。しかし、難関大を目指すならば、ここを取りこぼしていたら差をつけられてしまいます。確実に点を取っていける発音問題をおろそかにしてよいはずはありません。

また、発音をしっかり学ぶことでリスニング対策にもなるのです。読めない単語を音だけで聴き取れるはずはありません。受験が近くなりリスニング対策を始めようとして、単語が聴き取れないと焦るのは嫌ですよね。早い段階で取り組みましょう。

発音アクセントには法則がある

英単語の発音やアクセントには実に多くのルールがあります。

主だったルールを覚えるほかに、ある程度の例外も押さえることが必要です。センター試験では出題される単語に通じるルールも、メジャーなものが多くなっています。それらを覚える際に、例外となる単語もセットで学習することがポイントです。実際の試験でも、ひっかけ問題として用いられる例外的な単語は頻出しています。

例えば、
(1)接尾語の前の母音にアクセントがくる法則。
-cion・-gion・-sion・-tionで終わる単語の場合には1つ前の母音にアクセントが置かれます。
information では-tionの一つ前のaにアクセントが置かれます。

例外としては、
Television 
これは最初のeにアクセントがきます。

同様に、
ic・-ics・-ical で終わる単語では1つ前の母音にアクセントがきます。
Technicalでは-icalの一つ前のeにアクセントが置かれます。

例外としては、
Politics
最初のoにアクセントがきます。

(2)-ate・-tudeが語尾となる単語では2つ前の母音にアクセントがくる法則。
gratitude
educate

(3) -eer・-ese・-oo・-oon・-teenに加え動詞の-ain・-endではこの部分にアクセントがくる法則
Japanese
obtain

(4) 同じ単語でも品詞によってアクセントが変わる法則。
同じ単語であっても、名詞として使われる場合は前、動詞では後になります。同様に形容詞は前で動詞は後になっています。
recordという単語で考えれば、eにアクセントが置かれていれば「記録」という名詞を表しています。

発音についてはやや複雑になりますが、同様に法則があります。
母音が連続する場合は前の母音だけをアルファベット読みする法則などです。
meat
boat
などがそれに該当しますが、例外もありセットで覚える必要があります。
beautiful
piece
のように後ろの母音を発音します。

ただし、アクセントと比べると法則が複雑でその数も膨大です。
受験対策としてならば、受験用の英語の参考書を使うことが効率がよいでしょう。実際に出題されやすい問題が重点的に説明されていますので、単語感覚で覚えていくと短時間で仕上げることができます。

本番まで十分時間があり意欲もあるならば、発音記号や発音の法則を積み上げていくのが理想的ではあります。ですが、なかなかそこまで労力がさけないものです。参考書で理解を深め、自分でも正しい発音で読みましょう。繰り返すことで、発音とアクセントの位置も体で覚えられます。

発音の法則を身に付けるためのコツ

文法や構文、長文などと比べれば、ないがしろにされがちなものが発音問題です。ですが、法則を地道に学んでいけば、確実に得点を稼げる部分です。発音アクセント問題では、むやみに難易度の高い問題が出されることは少なくなっています。つまり、身に付けさえすれば力強い味方になってくれるのが発音です。

法則から外れる例外も試験で狙われる問題ではありますが、そもそも例外自体が限られています。大半が適用できる法則と、わずかな例外をセットで覚えましょう。規則性を利用すれば知らない単語にも対応できるようになるはずです。

法則を学習するのと並行して行いたいのが、普段から発音やアクセントを意識することです。発音やアクセントの法則を踏まえ、常日頃の学習の中でも当てはめてみましょう。法則では分からなかった単語はその場で辞書を使って確認しておきます。あいまいな単語に出くわした時に後回しにしてしまうのと、その都度きっちりと調べて確認していくのでは、後々大きな差となってしまいます。

試験に出題されやすい発音はだいたい決まっています。頻出する問題の発音のちがいを区別して発音し、自分なりに理解しましょう。完璧にネイティブのように発音できないとしても、CDや電子辞書を手掛かりに音のちがいを区別して覚えることが大切です。

単語の発音は英語のどの分野でも欠かせないものです。逆をいえば、長文問題に取り組んでいる時でも発音の学習はできます。音読する際には、正確な発音やアクセントを意識することで記憶への定着も期待できます。
リスニングにおいても同様です。聞き逃した単語を復習する時には、正しい発音とアクセントを確認し覚えることがリスニングの力となります。

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井川治久
専門家

井川治久(塾講師)

井川塾・受験英語学院

39年間の大学受験英語の合格指導実績により、受験英語の肝を知り尽くす。効果的な受験英語上達法で、生徒を志望校合格に導く。★最後までとことん面倒を見る姿勢は好評を博している。著書多数。早大OB、開成OB

井川治久プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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