起業に必要なのは「勇気」じゃない。 続けた人だけが勝つ、シンプルな真実
習いに行く家がわからないと申し込めない
――自宅で教室を開きたい方は、知り合いではない人が家まで習いに来てくれるか不安です。募集を始める前に、何を伝えればいいでしょう?
新井:教える内容だけでなく、先生がどんな人で、どんな場所で教えるかを伝えてください。「自宅だから知らない人は来ない」と決めつける必要はありません。ただ、行き先がよくわからなければ、申し込みをためらうでしょう。僕は『起業神100則』で、信用できない相手に人はお金や個人情報を差し出さないと書きました。教室も、申し込む時には名前や連絡先を伝え、受講料を払うのです。
――まず先生自身のことからでしょうか?
新井:名前と顔写真、何を教えられるか、これまで何をしてきたかを、募集案内に載せましょう。手芸の教室なら、続けてきた年数や、実際に作った作品の写真も参考になります。立派な経歴を作る必要はありません。初めて会う人が「この人から習うんだ」とわかる情報を、自分の言葉で出すことです。
――会社に勤めていると、顔や名前を出すのをためらう人もいます。
新井:その気持ちはわかりますが、知らない人の家に行く生徒の立場も考えてください。教える人の顔も経歴もわからない案内と、実際の作品や教えてきたことが見える案内では、申し込む前に得られる情報が違います。自分を大きく見せるための紹介文ではなく、何をしてきて、何を教える人なのかを伝えるのです。
リビングで教えるなら、そう書く
――自宅のどこで教えるかも、書いたほうがいいですか?
新井:はい。ふだん家族が使うリビングなら、「自宅のリビングで教えます」と書きます。教室専用の部屋を想像して来た人が、当日になって違いに気づくより、先に知って選べるほうがいいでしょう。教える時間に家族がいるか、ペットがいるか、車で来る人が停められる場所があるかも、実際の状況に合わせて伝えます。いない家族や飼っていない動物のことまで、項目を埋めるために書く必要はありません。
――生活の場をどこまで見せるか、迷う方もいそうです。
新井:家の中を何でも公開する話ではありません。生徒が習う場所と、当日そこに誰がいるかを伝えるのです。たとえば募集文が「少人数で丁寧に教えます」だけだと、部屋の様子はわかりません。「自宅のリビングで教えます。レッスン中は家族も家にいます」と書けば、申し込む人が条件を知ったうえで決められます。思っていた場所と違ったという行き違いも減らせます。
曜日と時間を先に決める理由
――案内文を書き始める前に、決めておくことはありますか?
新井:教える曜日と時間です。そこが決まらないと、家族が在宅するかどうかも書けません。時間帯によって家族がいる日といない日があるなら、開催する回ごとに案内を変えることもできます。教える内容が決まっているなら、初心者が1回で何を作るのか、受講料と一緒に伝えられるでしょう。それに、教える人と部屋のことも同じ案内で見られるようにします。受講料を払って知らない家に行く人が、申し込む前に知りたいことを考えてください。
――自宅がマンションや賃貸住宅の場合はどうでしょう?
新井:募集を始める前に、管理規約や賃貸借契約書で、自宅を教室として使えるか確認してください。使い方に決まりがある住まいで、案内文を先に作っても、後から開催できないとわかれば困ります。住所の公開範囲を考える前に、まず教室を開ける住まいかどうかです。判断がつかない規定があれば、管理会社や貸主に実際の使い方を伝えて確認しましょう。
申し込む人が知りたいことから書く
――最後に、募集案内を見直すときの順番を教えてください。
新井:先生の名前と経験、教える内容、使う部屋、レッスン中に家にいる人、曜日と時間。自分の案内を初めて見る人のつもりで読んで、どこで誰から習うのかがわかるか確かめてください。作品を仕上げられる教室なら、その作品の写真も役立ちます。生徒が自宅のリビングだと知らずに申し込むことがないよう、場所の説明も読み落とされにくい位置に書きます。受講料をいただく教室だからこそ、申し込む前に必要な情報を伝えましょう。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
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