会社員のまま始める2030年勝ち組ビジネス|起業18フォーラム新井一代表が語る「今すぐ動くべき5つの理由と具体的戦略」
経験が浅い20代には売れるものがないのか
――新井さん、今日は20代の方からよく聞く「経験が浅くて売れるものがない」という悩みについて伺います。実際、社会人経験が短いと起業は難しいのでしょうか?
新井:難しい面はありますが、「売れるものがない」と決めつける必要はありません。20代の方が見落としやすいのは、経験の長さではなく、自分のすぐ後ろにいる人の困りごとです。
――近い相手の困りごと、ですか?
新井:はい。長い実績や肩書きがある人には、安心感があります。一方で、20代には「少し先を歩いている人」として話せる強みがあります。たとえば、就職したばかりの人、初めて副業を考える人、同世代で何から始めればいいか迷っている人には、遠い専門家より近い存在の言葉のほうが届くことがあります。
――経験が少ないからこそ、近い悩みに寄り添えるのですね。
新井:その通りです。起業で大事なのは、自分がすごい人に見えることではありません。相手が「この人なら自分の状況を分かってくれそうだ」と感じることです。
実績より先に小さな困りごとを見る
――では、20代の方は何を売る材料にすればいいのでしょうか?
新井:最初から大きな実績を探さないことです。まずは、自分が最近まで困っていたことを見ます。就職活動、職場の人間関係、資格の勉強、SNSの使い方、副業を始める前の不安。こうしたテーマは、本人にとっては当たり前でも、少し後ろにいる人には価値があります。
――「自分もまだ途中なのに教えていいのか」と不安になる人もいそうです。
新井:そこは、教える範囲を間違えなければ大丈夫です。プロとして断定するのではなく、自分が通った道を整理して渡す。たとえば「未経験から最初の応募書類を整える」「初めての副業アカウントを作る」「面接前の不安を一緒に言葉にする」。このように範囲を小さくすれば、経験の浅さは致命傷になりません。
――大きな看板を掲げる必要はないのですね。
新井:むしろ最初から大きく見せようとするほうが危険です。20代の商品化では、自分を盛るより、できることの範囲を正直に狭くするほうが信頼されます。
お金を払ってもらえるのは一人で止まる場面
――「こんなことでお金をもらっていいのか」と感じる場合は、どう考えればいいですか?
新井:お金を払ってもらえるのは、難しい知識そのものではありません。相手が一人では止まってしまう部分です。調べれば分かることでも、一人では整理できない。やろうと思っても、最初の一歩が出ない。そこを一緒に進めるなら、価値があります。
――伴走や整理にも価値があるということですね。
新井:はい。20代の方は、資格や肩書きがないと何も売れないと思い込みがちです。でも、実際には「一緒に整理してくれる人」「最初の行動を軽くしてくれる人」を求めている人はいます。たとえば、初めてアルバイトの面接を受ける高校生に、服装や話す順番を一緒に整える。新卒1年目の人に、職場で聞きにくい報告文の直し方を横で見せる。副業を始めたい同世代に、プロフィール文を一緒に短くする。こうした小さな手伝いは、相手にとっては十分に前進です。
――専門家になりきらないほうが合う場合もあるのですね。
新井:そうです。もちろん、法律や税務、医療のように専門資格が必要な領域は別です。しかし、行動の整理、経験の共有、初歩のサポートであれば、自分の通ってきた道を丁寧に言語化するところから始められます。
20代の商品化は試す相手を近くに置く
――最初のお客様は、どこで見つければいいでしょうか?
新井:まずは近い人からです。友人、後輩、同じ職場ではない知人、SNSで似た悩みを話している人。ここで大切なのは、いきなり売り込まないことです。困っていることを聞き、どこで止まっているのかを確認する。それだけで、商品にできる形が見えてきます。
――最初から有料で出すべきでしょうか?
新井:最初は試しやすい小さな形で構いません。ただ、ずっと無料にしないことです。無料で手伝うと、相手も本気になりにくい。500円でも1,000円でも、相手が払うことでサービスとしての輪郭が出ます。
――価格を低くしすぎる不安はありませんか?
新井:最初から高額にする必要はありません。大事なのは、何をどこまで手伝うかを決めることです。時間、回数、成果物を小さく区切れば、低価格でも練習になります。反応を見て、少しずつ改善していけばいいのです。
今日できる一歩は身近な三人に聞くこと
――最後に、経験が浅い20代の方が今日からできることを教えてください。
新井:今日やるなら、身近な三人に「最近、何に困っているか」を聞いてください。自分が売れそうなものを考える前に、相手の困りごとを見るのです。
――自分の強みを探す前に、相手を見るのですね。
新井:はい。起業は、自分の中だけを見ていても始まりません。相手の困りごとと、自分が少し先に進んだ経験が重なるところに、小さな商品が生まれます。
――経験が浅いことを理由に止まらなくてもよいのですね。
新井:もちろんです。20代であることは、未完成であることでもありますが、同時に近い悩みを理解できることでもあります。遠い専門家になろうとしなくていい。まずは、自分の半歩後ろにいる人の困りごとを一つ軽くする。そこから、起業の形は十分に作れます。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
→ 新井一のセミナー日程一覧


