SNS集客の常識を覆す! 起業18フォーラム代表・新井一氏が明かす本当に効果的な集客戦略
2年目が重いのは前年所得の請求が届くから
――新井さん、独立した1年目は何とか回ったのに、2年目になって税金や保険料が急に重く感じる方がいます。なぜ2年目に増えるのでしょうか?
新井:独立2年目が重くなるのは、2年目に急に悪いことが起きたからではありません。1年目に稼いだ分の請求が、2年目に届くからです。会社員のころは所得税も住民税も社会保険料も、給料から先に引かれていました。口座に入ったお金は、ほぼ使えるお金に見えます。独立するといったん全額が入って、あとから税務署や市区町村の納付書が来る。この時間差を知らないと、残高があるように見えても実は使えないお金だった、ということになります。
――売上が伸びた人ほど、翌年に苦しくなることもありますね。
新井:あります。1年目に頑張って所得が出るのは良いことです。でも、住民税と国民健康保険料は前年所得をもとに決まります。所得税の予定納税も、前年の所得税額を基準に7月と11月に前払いします。つまり2年目は「今月の売上」ではなく「去年の結果」に対する支払いが並ぶ年です。ここを予定に入れていないと、利益が出ているのに現金が足りない状態になります。
住民税・国保・予定納税は届く月が違う
――具体的には、どの月に何が出ていくと見ればいいですか?
新井:まず3月に、1年目分の所得税を確定申告で納めます。6月になると住民税の通知と国民健康保険料の納付書が届きます。住民税は6月、8月、10月、翌年1月の4回が基本です。国民健康保険料は多くの自治体で6月から翌年3月までの10回払い。そこへ7月と11月に所得税の予定納税が重なります。国民年金保険料は、所得とは関係なく毎月出ていきます。
――月ごとに見ると、かなり山がありますね。
新井:山になります。特に7月と11月は、予定納税と国民健康保険料が同じ月に並びます。6月、8月、10月、翌年1月は住民税と国民健康保険料が重なる。独立したら毎月同じ額を払う、という感覚ではありません。納付カレンダーを先に作ることが大事です。通知が届いてから慌てるのではなく、届く月を知っておくだけで資金繰りはかなり変わります。
所得480万円なら年100万円超の納付を見込む
――金額感が分からないと、備えにくいですよね。どのくらい見ておけばいいのでしょう?
新井:単身の方で、独立1年目の事業所得が480万円だった例で考えると、住民税、国民健康保険料、所得税の予定納税、国民年金保険料を合わせて、年100万円を大きく超えることがあります。自治体や控除、年齢で変わりますが、東京23区の50代単身なら、国民健康保険料だけで年60万円台になる計算もあります。住民税が30万円台、予定納税が20万円、国民年金が20万円台と重なると、月平均では10万円を超えます。
――月平均で見るより、実際に出ていく月で見る必要がありそうです。
新井:その通りです。平均で11万円くらいと言われても、毎月11万円ずつ出ていくわけではありません。3月に確定申告分、6月に住民税と国保、7月に予定納税と国保という形で、まとまって出ます。だから「今年は売上があるから大丈夫」と思って使い切らないこと。入金があった時点で、納税用の口座へ先に移しておくほうが判断は楽になります。
経費で下がるのは翌年分と覚えておく
――「経費を入れれば税金は下がるから大丈夫」と考える方もいます。これはどう見ればいいですか?
新井:経費で所得が下がれば、税金や保険料は下がります。そこは正しいです。ただし効く時期に注意してください。2年目に届く住民税と国民健康保険料は、すでに1年目の所得で決まっています。2年目に経費を使って所得が下がっても、その影響が出るのは基本的に3年目です。目の前の納付書がすぐ軽くなるわけではありません。
――例外はありますか?
新井:所得税の予定納税は、2年目の売上が大きく落ちる見込みなら減額申請という道があります。第1期と第2期分なら7月前半、第2期分だけなら11月前半が目安です。期限は毎年確認が必要ですが、売上が落ちそうなのに去年基準の予定納税をそのまま払うのが厳しい場合は、税務署に相談してみる価値があります。住民税と国保は前年基準、予定納税は見込みによって動かせる場合がある。この違いを覚えてください。
独立前から納税用の現金を別に残す
――まだ会社員のうちにできる起業準備としては、何から始めればいいでしょう?
新井:まず、1年目の見込み所得を仮で置きます。正確でなくて構いません。そこから住民税をざっくり10%、国民健康保険料は市区町村の料率表、所得税は控除後の税率で概算する。そこへ国民年金保険料も足します。この合計を、独立2年目の夏までに手元へ残しておきたい下限として見てください。生活費6カ月分とは別枠です。
――売上計画だけではなく、納付月まで見るということですね。
新井:はい。起業は売上を作る話だけではありません。現金を残して続ける話でもあります。納税用口座を分け、入金のたびに一定割合を移す。単発収入だけでなく、継続契約の割合を少しずつ増やす。こうしておくと、2年目の納付書が来ても事業の判断が鈍りません。2年目は怖い年ではなく、1年目の結果が届く年です。届く順番を先に知って、予定に変えておきましょう。
――2年目の税金や国保は、驚くものではなく先に置いておく予定ですね。ありがとうございました。
新井:そうです。順番が分かれば、準備できますよ。
起業家インタビュー(聞き手:伊藤純子)
新井一氏プロフィール
起業18フォーラム代表。「会社員のまま6カ月で起業する」方法を伝える起業支援キャリアカウンセラー。キャリア26年以上の実績を持ち、延べ60,000人の会社員の起業をサポート。会社員時代に始めた事業で培ったノウハウ、多数の起業家を生み出してきた実践的技術を武器に、起業支援&集客マーケティングの専門家として活動中。
→ 新井一のセミナー日程一覧


