コラム
『住所』が2つの謎。 「住居表示」と「地番(家屋番号)」の違い
2013年4月10日 公開 / 2015年3月20日更新
マンション購入などの際、戸惑ってしまうのは「不動産ならではの表示の仕方」。
今回は「地番」と「住居表示」についてご紹介します。
マンションの物件情報などで、所在の欄に「○○区○○町○丁目○○番○(地番)」と書かれているのをご覧になったことはありますか?
実はこの所在地は、私たちが日常生活で親しんでいる「住所(住居表示)」ではなく、あまり目にしない「地番」というもの。地番とは、その土地ごとにつけられ、不動産取引で使用されたり、登記簿謄本や土地の権利書などで使われています。
「不動産売買契約書」には、「地番」を表記するのが通常ですが、不動産売買契約の前の重要事項説明書では「地番」と「住居表示」の2つを表記するケースが多いことから、その時になって『なぜ?住所が2つあるのですか?』と購入者から質問を受けることがあります。
「地番」とは、簡単にいうと「土地の場所」を示す番号。明治以降に使われていて、権利の範囲を表すための登記上の番号のことです。現在では「住所」というと地番ではなく、一般的に「住居表示である住所」が広く使われています。土地を持っていても『自分の家の地番を知らない』『不動産取引をして、初めて自分の土地の地番を知った』という人もいるのではないでしょうか。
また住居表示とは、建物の場所を分かりやすくするために制定されたもの。人口の増加や高度成長の波を受け、昭和37年に「住居表示制度」が作られました。
住居表示は「土地」にではなく「建物」につけられた番号で、家が隣接するエリアでは、規則性をもって住居表示が並んでいます。郵便物を届けたり、訪問したりする時なども、住居表示をたどって目的地に着けますが、不動産を特定できる「地番」と違い、この住居表示は、同じ番号の建物が複数ありますので、目的場所を間違わないように表札を確認するなど注意が必要です。
後藤 一仁
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