プロポーズの場所に、和食店を選ぶ理由②
まじめな誰かがいると、心強い
銀座のふぐ職人、熊澤でございます。
レストランでのプロポーズ、最近増えております。
それも、まだ少数派ながら、我々のような、和食店の、個室が。
理由は、「キチンとまじめな誰かが一緒だと、心強い」から、だそうです。
和食のイメージは、無口。求道。律儀。
他のプロの方たちのコラムは、
数字や、レベル分けで、キチンと結果を出す書き方が、多い中で、
どうにも、私のコラムは、ぼわわぁん、としておりまして、恐縮です。
ただ、この、「ぼわわぁん」は、
ご縁結びには、とても必要なことでございまして、
「これから先の変化にも、よろしく」
という、大切な要素を、たくさん含んでおるのでございます。
私の店は、一日一組様だけですので、
私の店だけを宣伝するコラムでも、ございませんが、
必要な際には、どうぞ当店をご利用頂けると幸いです。
さて、これから先の変化、どころではない、人生そのものを、お願いする。
結婚された方の、ほぼ、全員が、通るもの、プロポーズ。
昭和や平成の頃は、フレンチレストランの、オシャレな空間で、
「別世界で、プロポーズする」
というのが、私の仲間でも、結構居たんですが、
そして、フレンチレストランは、現在も異空間だと、存じますが、
現在は、和空間そのものが、別世界になりだしているのかも、しれません。
和室のしつらえ、と申しますと、
絵、壷、畳、それらが、邪魔をしないように、少しずつ。
働くスタッフの服装や、物腰も、江戸の昔に、意識しないまでも、繋がっている。
変わらないもの。変わらない気持ち。
様々な物事が、どんどん変わっていく現代ですから、逆に求められる、
余計なことを言わない安心。
どこまでも味を追求する心。
きりっとした、挨拶。
こうしたものを身近に体現しているのが、現在の和食店の個室であったり、します。
「茶室の亭主」の役割
賑やかな街の風景を楽しんで、レストランの玄関をくぐって、個室で美味しいお料理。
告白ですから、その時は、二人きりにしてほしい。
お席の緊張を、少し和らげる話を、たまにしながら、頃合いで座を開ける。
これ、ね、
「茶室の亭主の役割」とも、大昔には、申していたこともあったようで。
私も、茶道の家元から、「あなたもしてますよ」と教えて頂いたのですが、
本当に、難しい。
難しいながら、これを日常的に行って居る私たちを、ご信頼頂けるのでしたら、
喜んで、その一助なりとも、させて頂きます。
ーその2へ続くー
<毎週日曜・水曜 12:30に更新します>




